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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.69「今年のクリスマスに寄せて」

2025年12月17日

昨年度の卒業式の学長告辞やエピストラ(No.60)でも触れましたが、今年の初めに、ある新聞社の新年講演会に参加させていただきました。世界政治に詳しいアナリストは、「トランプ第二次政権のもとで、80年間続いた戦後の世界秩序は途絶えて、それに代わるものはまだ明らかではありません」と主張しました。その発言の通り、今年は不確実性と不安が特徴的でした。各国の経済秩序も、トランプ政権の絶えず変化する関税政策によって継続的に打撃を受けています。さらに、気候変動によって引き起こされる洪水、猛暑、その他の災害により多くの命が犠牲となり、最も弱い立場にある人々が多くの苦しみを強いられています。現在の状況は、わずか6年前に経験したパンデミックと比較することができますが、今回の結末はさらに深刻なものになるかもしれません。今年のクリスマスはこうした背景の中で迎えることになるのです。

「ローマ人への手紙」の中で、聖パウロは、何ものも私たちを神の愛から引き離すことはできないと教えています。艱難かんなんも、苦悩も、迫害も、飢餓も、危険も、何ものも私たちを神の愛から引き離すことはできません。クリスマスに祝う神秘な出来事は聖パウロの言葉を保証するものです。イエスの誕生により神が人間となって私たちとともに住むようになりました。どんな状況の中でも、私たちの最も必要な時に、人類の最も必要なところに、神は宿り私たちと一緒にいてくださるのです。

さらに、聖パウロの言葉を借りれば、どんな時にも、どんなところでも、私たちと一緒にいる神の愛によって「私たちは輝かしい勝利を収めています」。この希望がみなさんの心の中でさらに燃え立ちますように。これが私の今年のクリスマスの祈りです。

Merry Christmas!

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp