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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.47「国際カトリック大学連盟(IFCU)」創立100周年

2024年2月21日

先月、私はローマで開催された国際カトリック大学連盟(IFCU:International Federation of Catholic Universities)の創立100周年記念式典に出席しました。2022年夏、米国ボストンで開催された同連盟の総会にも参加し、以前エピストラで報告しました。(第30号 2022年9月21日)今回のテーマは “The University and the Church: The Future of the Catholic University on the Occasion of the IFCU Centenary”(「大学と教会: IFCU 100周年を迎えるカトリック大学の将来」)です。

1924年に、カトリック大学同士の協力体制を構築する必要性を感じた8校のカトリック大学が連盟を提案し、翌年パリで最初の総会が開かれました。最初から係わって来た8校のうち6校はヨーロッパの大学で、これに加え、アメリカからワシントンのカトリック大学と日本から上智大学も参加しました。現在200校以上のカトリック大学が連盟のメンバーとなっていますが、約170校が今回の100周年記念式典に参加しました。

2日間の会議の中でいくつか有意義な話がありましたが、ここでは一つだけ紹介したいと思います。教皇庁社会科学アカデミー会長のヘレン・アルフォード教授は、「研究における革新の源としてのカトリックの伝統」について発表し、一つのジレンマに注目しました。英語の言い回しは“If it isn’t counted, it doesn’t count, but what really counts can’t be counted”で、日本語に訳せば、「測定されていないことが重要ではありませんが、本当に大切なものは測定できない」のようなものになると思います。今年度、本学では教学マネジメントが中心的な検討課題となり、次年度以降、本格的導入が予定されています。このように本学の教育の効果を客観的に測定し、より良い教育を提供することが期待されていますが、「全人教育」という言葉が示すように、それは教育のすべてではありません。さまざまな客観的なツールの使用を通して絶えざる改善を目指しながら、人間の尊厳の推進、多様性の重視、対話を通じた真実への探求という本学の教育の目標を忘れてはなりません。

今回の会議のクライマックスは教皇フランシスコとの謁見でした。教皇は、ヴァチカンの使徒宮殿内に私たちを迎え、一人ひとりと握手を交わしてくれました。貴重な経験でした。

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp