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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.46「人々の心に平和を築く」

2024年1月17日

国際大学協会(International Association of Universities)は1950年に、国連教育科学文化機関(UNESCO:ユネスコ)の後援を得て設立されました。その目的は、高等教育を通じてユネスコのモットーである「人々の心に平和を築く」に貢献することです。現在、約130ヵ国、600の大学がメンバーになっています。昨年11月発行の協会機関誌に掲載されたヒリヒャ・ヴァントランド(Hilligje van’t Land)事務局長の巻頭言に共感しましたので、新年の冒頭に、本学の使命を再確認するつもりで、その主な内容を紹介したいと思います。

「少し立ち止まって、この特定の時代における大学の全体的な使命について考えてみましょう。『深刻な混乱に陥っている社会において、大学は実際に何の役に立つのか』と自問してみましょう。世界はすべての大陸で深刻な課題に直面しています。ごく最近、大学のリーダーと、教職員や学生を含む高等教育機関の関係者たちは、中東やさらにその先の状勢をめぐって自らの心を引き裂いています。彼らは、世界中の流動的かつ紛争的な現状において、大学が自らをどのように位置付けるべきか、またどのような役割を果たすべきかを問いかけています。」

「同様に、大学協会も、特にそのような取り組みの達成がほぼ不可能と思われる場所において、大学が社会への影響力を高め、平和構築にどのように貢献できるかについて議論を続けています。私たちが直面する複合的かつ多面的な危機は、個人であれ集団であれ、より一層の理解を必要とし、感情が高ぶったときでもコミュニケーションをとる方法を見つけなければなりません。大学は道徳的リーダーシップを発揮し、文化間の架け橋となる方法を示す最前線に立たなければなりません。大学は対話が必要とされる灯台であり、分析と知識が指針を示してくれます。また、代替的なアイデアを育み、旧来の行き詰まりに対する新しいアプローチを生み出す場所です。このような広範な使命を守るために、大学は相互に支え合い、定期的に団結して紛争を減らし、すべての人にとって持続可能な未来を確保するためにどのように貢献するのが最善かを考える必要があります。」

この新しい年にも、新鮮な気持ちでこの使命の達成のために取り組みたいと思います。

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp