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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.30「国際カトリック大学連盟(IFCU)」

2022年9月21日

7月30日から8月3日にかけて、IFCUの総会に参加しました。IFCUとはInternational Federation of Catholic Universities(国際カトリック大学連盟)の略で、三年ごとに総会が開かれます。今回の開催校は米国ボストンにあるBoston Collegeで、上智大学と同じくイエズス会が運営している総合大学でした。世界各地から200人以上が参加し、大規模な集まりとなりました。本学からは、私の他に学長室長と国際センター事務室長が参加して、約三年ぶりの海外出張となりました。

総会のテーマは“Legacy and Transformation in a World of Change: Catholic Higher Education and the Future(変化する世界における遺産と変革―カトリック高等教育と未来)”で、パンデミック、およびロシアにおけるウクライナ侵攻など、この激変の時代に大変ふさわしいものでした。このテーマに沿ったいくつかの分科会が開かれ、私もその一つで発表しました。分科会のテーマは、「カトリック大学のアイデンティティの遺産と未来」で、私は、南山大学を例として、日本でのカトリック大学のアイデンティティと存在感について自分の考えを伝えました。そのアイデンティティの基層は、多様性への積極的な評価と人間の尊厳の促進であり、将来的にはますます「対話」の実現が課題になる、と話しました。

もう一つ興味深い分科会にも参加しました。それは「カトリック大学としての社会への奉仕」をテーマとする分科会で、いわゆるService Learning(奉仕するための学び)が具体的な例として取り上げられました。Service Learningとは、ボランティア活動やSDGsの達成など、社会に奉仕するための教育です。ここでの教育とは、奉仕するための準備、つまり状況の分析と理解にはじまり、奉仕するための態度として「人々のために」ではなく「人々と共に」への協調、そして奉仕の経験に対する反省や自分のための収穫などの確認まで行われます。本学でも、積極的にこのような教育の可能性を検討したいと思います。

総会の中心は、連盟としての活動報告とこれからの企画の決定、会長などの役職者の選出、次回の総会の開催校の決定でした。会長はポルトガルカトリック大学の学長Isabel Capeloa Gil氏が再任され、次回の総会はメキシコのグアダラハラで開催されることが決まりました。また、総会開催期間中には、大学間の様々な連携の可能性について、何人かの学長たちと協議することができました。協定校を増やすなど、本学のグローバル化のさらなる発展が期待できるものと思います。学長としての最初の海外出張でしたが、非常に有意義な機会となりました。

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp