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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.48「2023年度に卒業する皆さんへ」

2024年3月20日

今年も、卒業シーズンがやってきました。3月1日には南山学園の設置校である聖霊高等学校で卒業式が行われました。同校では、昨年度まではコロナ禍で参加者を制限していましたが、今年度はそれが緩和されたため、私は学長に就任してから初めて高等学校の卒業式に参加することができました。

本学でも、今月20日にコロナ禍前と同様の卒業式を行う予定です。今年卒業する学生の多くは2020年4月、コロナ禍と共に大学生活がスタートしました。すでに、2020年1月から「新型コロナウイルス」が話題になり、日本での感染が確認された結果、1月30日に政府が「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置しました。本学においても、早期に対策を練る必要が生じ、私は学長就任前に「学長室会議」に参加し、そこで大学の感染対策体制が決まりました。本学に設置された「新型コロナウイルス対応対策本部会議」の最初の決定の1つは留学生別科の授業を中断して、すべての留学生に帰国するよう勧告することでした。そこから、ウイルスとの長い戦いが始まりました。

2022年度卒業式の様子

皆さんの入学式も行われず、実感のないまま入学して間もない4月7日に、最初の緊急事態宣言が東京都はじめ7都府県に出され、約1週間後それが全国に拡大されました。それによって、大学入構禁止措置をとることとなり、それに伴い、授業の全面的オンライン化への準備が始まりました。教員として、今まで経験したこともないオンライン授業に大変不安を感じましたが、学生の皆さんは私たちと同様、あるいはそれ以上の不安を抱いたことでしょう。6月末には感染の状況が少し落ち着いて、感染防止対策を取りながら、毎週水曜日に学部ごとに1年生に来学してもらい、学長講話や課外活動紹介などを行う特別な行事を実施しました。そのとき、入学以降初めて大学に来ることができましたが、多くの1年生にとってそれがその1年間で唯一の入構になってしまったでしょう。

こうして大学生活が始まった皆さんは、そのおかげで4つのスーパーパワーを持つようになりました。1つ目は柔軟性です。オンライン授業をはじめ、適応を余儀なくされていることがたくさんあり、柔軟性がなければ対応できないことを皆さんは自覚しました。2つ目は忍耐です。長いコロナ禍で様々な制限を経験した皆さんは、強い忍耐力を身に着けています。3番目は「つながり」の再確認です。コロナ禍は、私たち全員がつながっていることを私たちに再認識させました。私たちの行動が、最終的にはすべての人類に大きな影響を与える可能性があります。そして最後に、同情です。困難な状況に直面した私たちだからこそ、困難な状態である人を理解し、思いやることができます。これらのスーパーパワーを活かしてください。社会に出てからもきっと役に立つでしょう。

ご卒業おめでとうございます!

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp