人文学部
人間の本質を多面的に探究。人間とはいかなる存在なのかについて、深く考察します。
モノの時代から心の時代へと移り変った今、「人間とはいかなる存在なのか」、「どのように人間理解はされるべきなのか」、「対話によってどのように可能性を切り拓くのか」という、根源的な問題が問われています。人文学部では、キリスト教学科、人類文化学科、心理人間学科、日本文化学科の4学科が取り扱う専門領域での学びを通して、人間理解を可能にする深い眼差しを養い、現代社会が抱えるさまざまな課題を洞察します。
多様性の受容を可能にする幅広い教養を基とした柔軟なコミュニケーションによって、他者とともにより良い社会を志向する姿勢を育みます。
理念・目的
人文学部では「リベラルアーツ」の精神に基づく全人的教育を軸としたカリキュラムをとおして、文化、歴史、哲学、社会、思想など、人間に関する幅広い知識を身につけた人材を育成します。本学部では学問領域の垣根を越えて、「人間とはいかなる存在か」、「人生とどう向き合うのか」、「人と人との対話はいかになされるべきか」という問題について考察を深め、人間存在に関わる根源的な問いに向き合うために必要な洞察力を養います。
4年間を通して、先入観なく多角的な視点をもって物事を見る力を養うとともに、対話を通して他者を理解しようとする姿勢を身につけます。
3つのポリシー
人文学部は、南山大学の教育モットー「人間の尊厳のために(Hominis Dignitati)」および人文学部の教育の目的を踏まえて、次の3つの基本方針(ポリシー)を定めます。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
人文学部は、南山大学が定める修業年限以上在学して所定の単位を修得し、次の力を身につけたと認められる者に対して、卒業の認定を行い、学士(人文学)の学位を授与します。
Ⅰ 知識・理解
- 人文学が扱う学問領域および研究手法に関する基本的知識
- 文化、歴史、社会および人間のあり方に関する幅広い教養
- 現代の問題を洞察・理解する力
Ⅱ 技能
- 資料調査、文献読解、文書作成を行う基礎的なアカデミック・スキル
- 物事を論理的に分析し、その結果を表現する力
- 異なる背景を持つ他者との対話を可能にするコミュニケーション能力
Ⅲ 態度・志向性
- 他者との協働のために、歴史的、社会的、文化的な背景を理解しようと試みる知的態度
- 人文学を学ぶ者としての倫理を備え、人間の尊厳を尊重する態度
Ⅳ 総合力
- 現代の問題状況を洞察・理解する力
- 問題解決に必要な方法・手段を見いだす力
- 問題解決に必要な専門的知識を創造的に応用する力
- 現代社会の諸問題に対する自分の考えを表明する力
共通教育科目
Ⅰ 知識・理解
人種、宗教、文化等、異なる背景を認識し、受容するための基礎となる教養
Ⅱ 技能
異なる背景を持つ人々との共生・協働を可能にするコミュニケーション能力
Ⅲ 態度・志向性
多様性を前提とした人間の尊厳を尊重する力
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
人文学部は、ディプロマ・ポリシーに掲げる力の修得のために、以下の構成、教育内容、学修方法および評価方法に基づいて教育課程を編成、実施します。
Ⅰ 教育課程の構成
本学部では学問領域の垣根を越えて、「人間とは何か」「人生とは何か」「人と人との対話はいかになされるべきか」という問題について考察を深め、人間存在に関わる根源的な問いに向き合うために必要な洞察力を養います。教育課程は、学部共通科目、学科科目、共通教育科目から構成されます。学部共通科目と学科科目によって、キリスト教学科、人類文化学科、心理人間学科、日本文化学科がそれぞれ提供する、言語・文化・社会・歴史・人間の在り方にまつわる現代の様々な問題について、深く専門的に理解する力を涵養します。共通教育科目によって幅広い知識と教養を修得し、専門的理解の基盤を培います。
Ⅱ 教育内容
1.学部共通科目および学科科目
《4年間を通じて》
- 「リベラルアーツ」の精神に基づく全人的教育を軸としたカリキュラムをとおして、人間をめぐる根本的な問題について考察します。各学科では専門分野における課題を追究することで、人間に関する広く深い洞察力を修得します。
《1年次以降》
- 多様な分野の専門科目をとおして、言語・文化・社会・歴史・人間の在り方について幅広い基礎知識を修得します。
- 学部共通科目をとおして、学問領域の垣根を越えた横断的・総合的な視座を養い、背景の異なる他者とともに成長しながら自身の現状をよりよくしていこうとする知的姿勢を身につけます。
- 学部共通科目において、教職、博物館学芸員、図書館司書、学校図書館司書教諭などの資格を得るのに必要な力を修得します。
《2年次以降》
- 多様な分野の専門科目をとおして、言語・文化・社会・歴史・人間の在り方について幅広い教養を身につけ、現代人、現代社会が抱える様々な問題を理解、洞察する力を修得します。
《3年次以降》
- 演習をとおして、専門分野における研究に取り組みます。
《4年次》
- 自身が選んだ専門領域において、深く追究する方向性を見極めた上で、選んだテーマについて研究プロジェクトを推進し、研究報告論文(卒業論文)を執筆します。
2.共通教育科目
《4年間を通じて》
- キリスト教世界観に基づく教育という建学の理念の基軸となる本学の教育モットー「人間の尊厳のために(Hominis Dignitati)」の意味を様々な視点から考えることを目的とした科目(宗教科目、「人間の尊厳」科目等)において、人間と学問の在り方を考える力を養います。
- 文理融合を目的とした科目(基盤・学際科目、体育科目等)において、学際的な視野と総合的な判断能力を養います。
- 「聞く・話す・読む・書く」の4 つの力を総合的に発展させることを目的とした科目(外国語科目)、および、コンピュータに関する基礎知識とそれを活用する技術を身につけることを目的とした科目(情報倫理科目)において、国際化・情報化時代を生きるための基本的なコミュニケーション能力を養います。
Ⅲ 学修方法
- グループディスカッションやプレゼンテーションを積極的に活用したアクティブ・ラーニングをとおして、「聞く・話す・読む・書く」の4つの力を磨きます。
- 少人数制の演習をとおして、学びを深め、専門性を高めます。
- 問題関心や進路に応じた個別的指導をとおして、自身が選んだテーマで研究プロジェクトを推進し、学修の集大成としての研究報告論文(卒業論文)を執筆します。
Ⅳ 評価方法
- ディプロマ・ポリシーに掲げる力の修得は、各学科における卒業要件達成状況、単位修得状況、GPA、外部客観テスト等の結果によって測定し、評価します。
- 各科目の学修成果は、講義概要に示された到達目標の達成度に応じて評価します。
- 4年間の総括的な学修成果としての卒業論文の評価は、複数教員で行います。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
人文学部は、教育の目的、ディプロマ・ポリシーおよびカリキュラム・ポリシーに基づき、次のような人を受け入れます。
Ⅰ 知識・技能
人文学部で学ぶために十分な、高等学校卒業レベル以上の基礎学力を身につけている。
Ⅱ 思考力・判断力・表現力
自身の考えを口頭または文章で的確に表現できる。
Ⅲ 主体的に学習に取り組む態度
- 文化、歴史、社会、および人間のあり方についての知的関心を持っている。
- 自己や他者との対話をとおして成長していこうとする主体性と協調性を持っている。
学部長
人文学部長 川浦佐知子 教授(専攻分野:社会学的社会心理学、合衆国先住民研究)
川浦佐知子 教授
長期研究 「合衆国先住民の歴史と記憶」
アメリカ合衆国モンタナ州に保留地を有するノーザン・シャイアンの人々へのインタビュー調査をもとに、記憶と歴史の関わりを検討する。主流社会が描く「歴史」と相入れない先住民の人々の来歴を、先住民の側から「集合的記憶」を鍵として描く手法を検討する。
短期研究 「合衆国先住民の部族主権」
1970年代以降における合衆国先住民の土地保全、歴史保全、資源管理の営為の検討を通して、近代先住民部族の主権行使のあり様を考察する。特に20世紀初頭、司法のおいて確立された先住民の保留水利権を、1980年代以降、先住民部族がどのようにして行使可能な権利としてきたのかを明らかにする。
学科
キリスト教学科
現代人が直面する多様な問題を見つめます。
キリスト教と様々な宗教との対話や比較、歴史と思想の探究、生命や環境への倫理的な問いかけなどを通して、現代社会に生きる人間が直面する多様な問題の解決を図る力を身につけます。
キリスト教学科

人類文化学科
文化の多様性と人間の普遍的本質を学びます。
「人類文化の幅広い多様性と、人間の普遍的な本質の追求」を目標に、文化人類学、考古学、哲学、言語学といった学問分野の学びを通して、人類の現在と歴史を繙いていきます。
人類文化学科

心理人間学科
理論と体験を通して、人間の多面的理解を目指します。
心理学、人間関係論、教育学、社会学といった視点から、人を理解し、関わり、支援する態度と専門的な知識・技能の獲得を目指します。理論学習と体験学習を統合したカリキュラムが特徴です。
心理人間学科

日本文化学科
ことばと文化、ひとを通じて日本を識ります。
日本語を適切に、そして豊かに運用できる言語能力と、文学、芸能、美術、思想、歴史などの日本文化に関する幅広い教養と理論的な思考力が身につきます。
日本文化学科

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