人文学部
人間の本質を多面的に追究。人間とは、そして生きる意義とは何かを深く考察します。
物の時代から心の時代へ、そして生命の時代へと移り変わったいま、「人間とは何か」「人生とは何か」「人と人との対話はいかになされるべきか」という根源的な問題が問われています。人文学部では 4つの学科の専門分野を追究しながら、人間に関する洞察力を養い、様々な問題を、広く深く考察します。文化、歴史、社会など人間に関する幅広い教養をもとに、現代の問題状況を洞察・理解する能力、柔軟なコミュニケーションによって他者を理解し受け入れる能力、そして、どんな職業に就いても他者と成長しながら、現状をよりよくしていこうとする能力を育てます。
理念・目的
人文学部は、キリスト教学科、人類文化学科、心理人間学科、日本文化学科の4学科を擁している。本学部は、物の時代から心の時代へ、そして生命の時代となった21世紀において問われることになる「人間とは何か」「人生とは何か」「人と人の対話はいかになされるべきか」といった根元的な問題を深く考えることを目指している学部である。各学科の専門分野を追究しながら、同時に、人間に関する広く深い洞察力を養うことを目標に置いている。
大学進学率の上昇により大学の大衆化が進み、学生が大学に求める内容や質も大きく変化してきている。過去において行われた学生の大学進学動機に関する調査などでは、本学の人文系・外国語系学部の在学生の過半数が「自身の教養や視野を広げるために進学した」と回答している。このことは、大学教育における教養的知識の修得志向を如実に表している。大学審議会の答申においても21世紀の大学像の中に教養教育の重視が謳われている。人文学部は南山大学の中にあって、最もこの理念に即した教育目標を持っていると言える。学部全体の「リベラルアーツ」の志向は、学科毎の教育目標と両輪をなした形で、全人的教育を行うための必須要素である。
3つのポリシー
ディプロマ・ポリシー
人文学部では、南山大学の建学の理念に基づく「人間の尊厳のために」(Hominis Dignitati)という教育モットーを踏まえつつ、現代の複雑化した社会と人間関係の中で、主体的に考え判断しながら生きていく力をもった人材の育成を目的としています。そのために、それぞれの学科の教育課程を通して、以下の能力を身につけた者に、学士(人文学)の学位を授与します。
- 文化、歴史、社会、および人間のあり方に関する幅広い教養を背景として、現代の問題状況を洞察・理解する能力
- 多様な他者を柔軟なコミュニケーションを通して理解し、受け入れる能力
カリキュラム・ポリシー
人文学部では、ディプロマ・ポリシーに掲げる能力を養成するために、共通教育科目、学部共通科目、学科科目を配置します。
共通教育科目では、大学のディプロマ・ポリシーに示す能力を養成します。
人文学部共通科目では、超領域演習などの学科の垣根を越えた人文科学の横断的・総合的な科目を配置し、背景の異なる他者とともに成長しながら自分たちの現状をよりよくしていこうとする能力を涵養します。そのほか人文学部共通科目には、異文化研修短期留学プログラム、キャリア教育関連科目や教職、博物館学芸員、図書館司書・学校図書館司書教諭などの資格関連科目が含まれます。
1年次には、その後の学修の基礎となる外国語科目や共通教育科目に加えて、基礎演習Ⅰを配し、論文を読んだり、レポートを書いたりする技術のみならず、グループディスカッションやプレゼンテーションを通して、「読む・書く・聞く・話す」の4技能を磨きます。また、人文学諸領域への入口に当たる各学科開講の入門科目、概論科目も1年次から履修可能です。
2年次には、入門科目、概論科目、基礎演習Ⅱをはじめとする多様な学科科目を履修することによって、言語や文化、社会や歴史、および人間のあり方に関する幅広い教養を身につけ、現代人、現代社会が抱えるさまざまな問題を洞察し理解する能力を養います。さらに、各自がどの領域をより深く追究してゆくかという方向性を見極め、3・4年次における演習での学修に備えます。
3・4年次には、少人数制の演習をカリキュラムの中心に据え、より専門性の高い学修を進めるとともに、主にアクティブラーニング的手法によって、1・2年次で養ってきた技能をさらに磨きます。さらに、4年次には各自が選んだテーマで研究プロジェクトを推進し、4年間の学修の集大成としての研究報告論文(卒業論文)を執筆します。
各科目の学修成果は、講義概要に示された到達目標の達成度に応じて評価します。
アドミッション・ポリシー
人文学部では、大学のアドミッション・ポリシーに基づき、本学部の教育課程を修めるために十分な基礎学力を備えていることに加えて、以下の資質を持つ人を受け入れるために、一般入試、全学統一入試、共通テスト利用入試、推薦入学審査(学園内高等学校、指定校、特別協定校)、特別入学審査(カトリック系高等学校等対象)等の試験・審査を実施します。
- 文化、歴史、社会、および人間のあり方についての知的関心をもっている人
- 自己や他者との対話を通して成長してゆこうとする主体性と協調性をもっている人
一般入試、全学統一入試および共通テスト利用入試では、各学科で学ぶための前提となる基礎学力を特に評価します。
推薦入学審査および特別入学審査では、基礎学力、各学科で学ぶ目的の明確性と意欲、志望する領域についての知識の程度、口頭および文章による表現力を特に評価します。加えて、特別入学審査では、高等学校在学中における諸活動への取り組みも評価します。
学校推薦型選抜(長期留学経験者対象)では、高等学校在学中の長期留学で得られた高い外国語運用能力と異文化に対する理解や関心を小論文・面接などで評価します。
外国高等学校卒業者等入学試験、外国人留学生入学審査および外国人留学生推薦入学審査(指定校)では、主に日本語と英語の運用能力および本学部において勉学する目的の明確さや適性について評価します。
学部長
人文学部長 川浦佐知子 教授(専攻分野:社会学的社会心理学、合衆国先住民研究)
川浦佐知子 教授
長期研究 「合衆国先住民の歴史と記憶」
アメリカ合衆国モンタナ州に保留地を有するノーザン・シャイアンの人々へのインタビュー調査をもとに、記憶と歴史の関わりを検討する。主流社会が描く「歴史」と相入れない先住民の人々の来歴を、先住民の側から「集合的記憶」を鍵として描く手法を検討する。
短期研究 「合衆国先住民の部族主権」
1970年代以降における合衆国先住民の土地保全、歴史保全、資源管理の営為の検討を通して、近代先住民部族の主権行使のあり様を考察する。特に20世紀初頭、司法のおいて確立された先住民の保留水利権を、1980年代以降、先住民部族がどのようにして行使可能な権利としてきたのかを明らかにする。
学科
キリスト教学科
現代人が直面する多様な問題を見つめます。
キリスト教と様々な宗教との対話や比較、歴史と思想の探究、生命や環境への倫理的な問いかけなどを通して、現代社会に生きる人間が直面する多様な問題の解決を図る力を身につけます。
キリスト教学科
人類文化学科
文化の多様性と人間の普遍的本質を学びます。
「人類文化の幅広い多様性と、人間の普遍的な本質の追求」を目標に、考古学、文化人類学、言語学、哲学といった学問分野の学びを通して、人類の歴史を繙いていきます。
人類文化学科
心理人間学科
理論と体験を通して、人間の多面的理解を目指します。
心理学、人間関係論、教育学、社会学といった視点から、人を理解し、関わり、支援する態度と専門的な知識・技能の獲得を目指します。理論学習と体験学習を統合したカリキュラムが特徴です。
心理人間学科
日本文化学科
ことばと文化、ひとを通じて日本を識ります。
日本語を正しく適切に、そして豊かに運用できる言語能力と、文学、芸能、美術、思想、歴史などの日本文化に関する幅広い教養と理論的な思考力が身につきます。
日本文化学科
お問い合わせ
履修関連(教務課)
Phone:052-832-3117Fax:052-832-3207
入試関連(入試課)
Phone:052-832-3013Fax:052-832-3592E-mail:nyushi-koho@nanzan-u.ac.jp