社会科学研究科総合政策学専攻(博士前期課程)
専攻の概略
専攻主任 鶴見哲也 教授
20世紀後半、わが国は急速な経済発展によって先進国の仲間入りを果たしましたが、バブル経済の崩壊以降、経済の低迷によって、国や地方の財政が逼迫し、政治体制も混迷を極めています。一方、世界に目を向けると、20世紀末から構造転換が急激に進展し、世界経済の一体化によって国際競争が激化しています。こうしたグローバル化の趨勢は、従来のわが国の政治、行政、経済、社会等のシステム変革を迫るものとなっています。
本専攻では、このような国際問題、国内問題および両者に共通する環境問題を踏まえ、持続可能な社会の構築に向けて、社会科学の複合的な基礎学問を基に、これらの問題を解決する実践的な政策立案とその実行を果たす高度な専門職業人と、学際的研究能力を有した問題解決志向型の研究者を養成することを目的としています。
カリキュラム
総合政策学専攻では、現実に生じている様々な国際・国内問題に対して、その問題解決を図るリーダー的人材を養成します。そのため、まず社会科学の諸分野を総合的に理解する研究科必修共通科目を修得したうえで、国際、公共、環境の各政策領域における主要な諸問題の構造とその解決策を学ぶ各専攻科目を配置します。
現実の問題に対応していく実践的なリーダーを養成するためには、国際政策に関心のある学生は国や地域の文化・歴史観の違いを理解し、社会人ではない一般学生は実際に現場で生じているリアルタイムな問題を理解することが必要になります。そこで専攻基礎科目として、国際社会の多様な世界観を深めるための文明史科目、実務経験のある専任教員と国際、国内、環境の各分野における非常勤の実務教員による「総合政策の課題と方法」を配置します。これらの基礎科目を履修した上で各種問題とその解決方法に関するより深い理解ができるように、研究科選択共通科目と発展応用科目としての専攻科目が配置されます。
発展応用科目としての科目は、国際政策領域から国内・地域政策領域まで幅広く設定し、学生の関心のある科目を自由に選択することができます。
また、社会人学生に配慮し、土曜日開講・夜間開講の科目があります。
※博士の学位取得を目指す学生のために、社会科学研究科総合政策学専攻(博士後期課程)が設置されています。
分野横断的な基礎科目
- 総合政策の課題と方法
- 西洋文明史研究
- 東洋文明史研究
- 異文化間コミュニケーション論
国際政策領域
- グローバルガバナンス研究
- 民族紛争研究
- 国際援助政策研究
- アジア政策研究
- 国際経済研究
- 開発経済政策研究
公共政策領域
- 行政機構研究
- 社会福祉行政研究
- 地方財政研究
- 現代社会研究
- 経営管理研究
- 雇用政策研究
環境政策領域
- 地球環境システム研究
- 生態系保全研究
- 政策評価研究
- 環境倫理研究
- 環境経済研究
- 環境社会心理研究
- 環境保全研究
学位論文審査基準
期待される進路
- 国際機関、一般企業の国際・海外部門、NGO、NPO等で活躍する人材、中央政府等で国際政策を担う人材
- 地域の社会経済状況を的確に捉え、地方公共団体、社会的企業、一般企業、シンクタンク・コンサルティング企業、NPO等において調査分析、政策立案が実践できる人材