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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.25「多治見修道院を訪問して」

2019年4月17日

4月上旬の週末に、岐阜県多治見市にある神言修道会多治見修道院に出かけてきました。暖かな日でしたので、多治見へ向かう前に、名古屋市瑞穂区にある山崎川沿いの満開になった桜並木の下をしばらく歩いたのち、花見でにぎわう鶴舞公園わきからJR中央線の電車に乗り、多治見駅で下車して、東へ30分ほど歩くと、修道院の本館と教会が見える辺りに到着しました。既に、庭に備え付けられたテーブルを囲む家族連れらしきグループ、中庭やぶどう棚のあちこちで写真撮影をしている若者のグループなど、何組も見学に訪れていました。

この修道院の設立は1930年です。神言修道会(略称、神言会)の会員養成の拠点が名古屋市に移るまえ、入会希望の志願者や修練者の養成がこの修道院で行われていたと聴いたことがあります。実際、私自身も学生時代(1975~6年頃)に「志願期」を終えたのちに「修練期」という特別な養成期間のうちの数カ月を多治見修道院で過ごしたことがあります。当時の修練の一環で、日々の手作業として、ぶどう畑に生える雑草の除去また畑への肥料まきなどをした経験があります。EPISTOLA読者の中にはこの修道院を見学された方もあるかと思いますが、現在でも、白い壁の修道院を取り囲む庭のうち、建物の正面の一部や、建物の東側から北側にかけて、ぶどう畑が広がっています。私自身はぶどう酒造りに関わったことはありませんが、修道院では1932年頃からぶどうの栽培を開始し、1943年頃には、国内のカトリック教会や修道院で使用されるミサ用ワインをこの多治見修道院で製造し分配していたそうです。身近にある修道院ですが、意外な歴史を持っています。

ところで、多治見修道院には大聖堂のほかに、修道院の敷地の奥の方にも、祈りの場があります。そこには、日本で宣教活動や教育活動などを行ったのちに亡くなった神言会会員の記念の碑があります。久しぶりに訪れた多治見修道院でしたので、しばし、南山学園の設置や大学の設置に尽力された先達を偲びながら午後のひと時を過ごしました。

南山大学長 鳥巣 義文

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp