学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」
No.78「ASEACCU 第32回総会・会議」
2026年9月16日

2026年8月18日から21日にかけて、インドネシアのジョグジャカルタにて、ASEACCU(The Association of Southeast and East Asian Catholic Colleges and Universities 東南・東アジア・カトリック大学連盟)の第32回総会および会議が開催されました。ASEACCUは、加盟校が率直な対話を行い、リソースを共有し、カトリック系教育機関としての共通のアイデンティティについて省察するための場となることを目的に、1991年に設立されました。同連盟は、東アジア、東南アジア、オセアニア地域のカトリック系大学を擁する組織へと発展しており、今回の会議には、南アジア(インド)のカトリック系大学もオブザーバーとして招待されました。なお、ASEACCUは国際カトリック大学連盟(IFCU)と提携しています。
今年の会議には過去最多となる258名が参加しました。ASEACCUの総会および会議の大きな特徴の一つは、加盟大学の学生も参加できるという点です。今年は計87名の学生が参加し、そのうち2名は南山大学からの参加者でした。参加者全員が午前中に集まって会議のテーマについて共に考察を深め、午後には学生同士でさらに議論を続けた一方、教職員は別会場に集まり、考察を継続するとともに総会としての実務を行いました。
この会議のテーマは「教育、希望、そして人間の『フロウリッシング』(人間としての豊かで充実したあり方):異文化間の出会いと対話の促進」でした。このテーマに関して特に興味深かったのは、「フロウリッシング(human flourishing)」という言葉の意味です。基調講演者は、この言葉が多岐にわたる要素を含んでいるため、アジアの様々な言語に翻訳することが難しいと指摘しました。そして、ベイラー大学宗教研究所とハーバード大学「ヒューマン・フロウリッシング・プログラム」による長期研究プロジェクト「グローバル・フロウリッシング・スタディ」の取り組みを紹介しました。同プロジェクトは、人間のフロウリッシングに寄与する6つの領域を特定しています。それらは、幸福と人生への満足度、心身の健康、人生の意味と目的、人格と徳、親密な人間関係、そして物質的・経済的な安定です。世界20カ国以上からデータを収集した結果、彼らは、総合的なフロウリッシングの度合いにおいてインドネシアが世界1位であるという結論を導き出しました。興味深い結果ではないかと思いました。
今日の社会や政治の至る所に見られる分断や対立の空気を踏まえると、異文化間の出会いや対話に関する議論は極めて重要なものでした。全体として、現代の日本におけるカトリック大学としての私たちの使命について、改めて深く考える良い機会となりました。また、学生たちの積極的、あるいは熱心に参加する姿が見られたことや、わずか数日間の会議でありながら、学生同士、さらには教職員と学生との間に絆が生まれたことを嬉しく思いました。
南山大学長 ロバート・キサラ
発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp)