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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.73「戦争は決して聖なるものではありません」

2026年4月15日

米国とイスラエルによるイラン攻撃を背景に、教皇レオ14世のいくつかの発言が報道機関で大きな注目を集めました。2026年3月22日、サンピエトロ広場での日曜礼拝の終わりに、教皇は次のように述べました。「世界の他の地域と同様に、戦争と暴力によって引き裂かれている中東情勢を、私は落胆しながら見守っています。こうした紛争の犠牲となっている、多くの無力な人々の苦しみを前に、私たちは沈黙を守ることはできません。彼らを傷つけることは、全人類を傷つけることです。これらの戦争によって引き起こされる死と苦痛は、全人類にとっての恥辱であり、神に訴える叫びです。敵対行為が終結し、誠実な対話とすべての人間の尊厳への尊重に基づいた平和への道が最終的に開かれるよう、祈りを続けるよう強く訴えます。」

翌日、歴代の教皇が世界各地への旅行に利用してきたイタリア国営航空会社の役員と従業員に向けて演説した際、彼はこう述べました。「航空機は常に平和の乗り物であるべきであり、決して戦争の乗り物であってはなりません!誰も空から死と破壊の脅威が降りかかる恐れがあってはなりません。20世紀の悲劇的な経験の後、空爆は永久に廃止されるべきでした!しかし、ご存知の通り、それは今も存在し、肯定的な技術開発が戦争に利用されています。これは進歩ではなく、退歩です!」

さらに、イラン攻撃以前の2025年10月28日に開催された、平和を祈る諸宗教指導者の年次会合で、彼はイラン戦争に関連して報道機関によっても取り上げられた別の発言をしました。「昨年、パリで会合を開いた際、フランシスコ教皇は皆さんに宛てて次のように書きました。『私たちは、宗教がナショナリズム、民族中心主義、ポピュリズムを煽る手段となる誘惑に屈しないようにしなければなりません。戦争はエスカレートするばかりです。神を戦争に巻き込んではならない。』私はこの言葉を自分の言葉とし、改めて強く繰り返したいと思います。戦争は決して聖なるものではありません。平和だけが聖なるものです。なぜなら、平和は神の意志によるものだからです!」

イラン戦争を、具体的にその戦争やトランプ大統領、ネタニヤフ首相に言及することなく、明確に非難したことは、多くの政治指導者とは著しい対照をなしていると思います。彼らは、自国の国家目標のために、特にトランプ大統領に配慮し、慎重に行動しなければならないと考えているでしょう。これは適切な政治的判断なのかもしれませんが、この対照的な姿勢は、人間行動を導く原則を私たちに思い出させてくれる宗教的・道徳的な指導者が世界に必要であることを示していると私は確信させられました。新たな学年度が始まるにあたり、「人間の尊厳のために」という原則に基づいた教育に、改めて身を捧げましょう。

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp