学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」
No.71「アルモニア」
2026年2月18日
次期副学長とともに
今月初め、2026年冬季五輪がイタリアで盛大な開幕を迎えました。今年のオリンピックの特徴の一つは、ミラノ・コルティナオリンピックという二つの名称の下、北イタリアの4つの会場で開催されることです。また、開会式のテーマがイタリア語で「調和」を意味する「アルモニア」に選ばれたことも興味深い点です。開会式は初めて4会場で同時に開催されました。
大会テーマに「調和」が選ばれた理由の一つは、大会開催地の多様性にあるとされていますが、主催者側が現代社会における重要な価値として、より一般的に調和に目を向けさせたいと望んでいたことは明らかです。ロシアによるウクライナ侵攻からまもなく5年目を迎え、移民への反発が世界中の様々な地域に広がる中で、この式典は多様性の肯定的な価値を改めて示すものでした。ミラノのメインスタジアムでオリンピック旗を運んだ人物の中に、元広島市長や元国連難民高等弁務官が選ばれたことも意義深いものです。
「アルモニア」とは、人間にみられるあらゆる違いを祝福することと言えるでしょう。私たちの異なる性格、意見、経験、文化、性別、年齢は、解決すべき問題ではなく、豊かさであり、共に分かち合える宝物です。今日、世界の一部では、多様性は学門エリートの誤った創造物として嘲笑されていますが、この開会式は、多様性こそが地球上の生命の存続に不可欠であると同時に、喜びをもって祝福されるべきものであることを、私たちに改めて思い起こさせようとしました。
2026年度から3年間の副学長を任命するにあたり、グローバル化推進担当副学長の肩書きに「多様性」を加え、「国際担当・ダイバーシティ担当副学長」とすることにしました。この人事には2つの理由があります。1つ目は、大学のアイデンティティと存在意義を表すために2024年度から掲げている3Ds、すなわちDignity, Diversity, Dialogue (「尊厳」「多様性」「対話」)の一つである多様性を強調するためです。もう1つの理由は、まさに現在の政治情勢を踏まえ、多様性を踏みにじって忘れ去るのではなく、肯定的な価値として捉え、注目を集めたいと思ったからです。
新体制のメンバーで来年度以降の活動計画の作成を始めています。困難な社会状況に直面しながらも、大学の使命を果たすために、私たち全員で最善を尽くしましょう。
南山大学長 ロバート・キサラ
発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp)