学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」
No.65「第28回IFCU総会」
2025年8月27日
7月28日から8月1日まで、国際カトリック大学連盟(IFCU:International Federation of Catholic Universities)第28回総会に出席しました。今回はメキシコのグアダラハラにあるバジェ・デ・アテマジャック・カトリック大学で開催され、世界中のカトリック大学から約170名が参加しました。総会のテーマは「知の振付師としてのカトリック大学」でした。これは、故フランシスコ教皇が2024年に文化教育省での演説で初めて用いた表現です。教皇は演説の中で、「私たちの世界に必要なのは、既に語られ、行われたことを単に繰り返すだけの自動機械ではありません。必要なのは、新たな振付師、豊かな人材を新たに解釈する者、新たな社会詩人です。不平等、蔓延する貧困、そして排除をなくし、世界の変革に貢献できる人材を育成できる文化的ビジョンがなければ、『結果』だけを追求する教育モデルは役に立ちません」と述べました。総会全体を通して、革新、創造性、調和、美、そして躍動といったテーマが際立っていました。取り上げられた具体的な問題としては、大学内のさまざまな学問分野間の協力と対話、そして現在の世界的問題に対する革新的な対応策を模索するための政府機関や産業界との協力などが挙げられます。
総会のセッションの一つ、「社会貢献の推進力としてのカトリック大学」には特に興味をそそられました。基調講演者は、持続可能性、イノベーション、リーダーシップについて幅広く執筆活動を行っているケンブリッジ大学のウェイン・ヴィッサー博士でした。ヴィッサー博士は、今日の高等教育のリーダーが取り組むべきいくつかの課題を提示して講演を締めくくりました。「大学はエリート主義を強化しているのでしょうか、それとも階級分断を克服しようと努力しているのでしょうか?私たちの議論は過度に二極化しているのでしょうか、それとも現在の社会問題への関与が不十分なのでしょうか?私たちは、現在の不平等な経済システムを維持するために熟練労働者を育成する資本主義の代理人なのでしょうか、それともより良い社会のための触媒となっているのでしょうか?」
ヴィッサー博士は詩人でもあり、様々なテーマで多くの詩集を出版されています。最後に、今日の世界情勢に特にふさわしいと思われる彼の詩の一つ、「Poets Must Be(詩人があるべき姿)」から抜粋して、今回の「EPISTOLA」を締めくくりたいと思います。
Poets Must Be(詩人があるべき姿)【抜粋】
Poets must be in that time
When change upsets the veneer of order
When confusion threatens to overwhelm
When the air is pregnant with revolution
Poets must be in that place
Where language of the heart is being purged
Where voices of dissent are being silenced
Where words of inspiration give life to dying souls
詩人は、変化が秩序の表層を覆す時、
混乱が圧倒する恐れがある時、
空気が革命を孕んでいる時、
その時にいなければならない。
詩人は、心の言葉が追放される場所、
反対の声が沈黙させられる場所、
インスピレーションの言葉が死にゆく魂に命を与える場所、
その場所にいなければならない。
南山大学長 ロバート・キサラ
発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp)