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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.61「第4回南山大学「人間の尊厳賞」」

2025年4月16日

2024年度の表彰式・記念講演会の様子

第4回南山大学「人間の尊厳賞」の受賞者は「国際カリタス」(Caritas Internationalis)となりました。団体としては初めての受賞です。「国際カリタス」は、1951年に当時の教皇ピオ十二世が認可した国際非政府組織(NGO)で、災害や戦争、貧困、迫害などによって困難な立場にある人々を、人種や宗教を問わず援助しています。160を超える国のカトリック司教協議会が認める各国のカリタスによる連盟組織で、日本では「カリタスジャパン」が一員となります。国際NGOとしては国際赤十字に次ぐ大規模な組織で、それぞれの現場で個々の人々がきめ細かく的確な支援を継続的に実施できるようにサポートし、それが宗教的な理念に基づいている、という特徴があります。「カリタス」はラテン語で「愛」を意味する言葉ですが、愛を実行するという目的を持ち、国際レベルの組織として各地で「草の根」活動を支援することが「国際カリタス」の核心です。

6月7日に開催される南山大学「人間の尊厳賞」表彰式では、2年前に「国際カリタス」の第13代総裁に選出された東京教区の菊地功大司教が記念講演をされます。菊地大司教は本学の卒業生で、30年以上にわたって「カリタス」の活動に参加しています。最初は「カリタスジャパン」のボランティアとしてコンゴ民主共和国の難民キャンプで働き、その後は「カリタスジャパン」責任司教、「カリタスアジア」総裁、「国際カリタス」理事を歴任しました。「カリタス」の活動とは別に、菊地大司教は昨年、カトリック教会で教皇に次ぐ高位の聖職であり、教皇の最高顧問である枢機卿の任務に就きました。

南山大学「人間の尊厳賞」は、大学創立75周年記念事業のフィナーレとして創設されました。その意義は、まず大学として、建学の理念に立ち返り、果たすべき使命を再確認することにあります。また、毎年、人間の尊厳のために格別な貢献をしている個人または組織を表彰し、大学にお招きしてご講演いただくことによって、大学の関係者をはじめ、広く社会においても、「人間の尊厳」を意味するものがより具体化され、その実現のために一人ひとりができる独自の貢献について考える機会になれば、本学の建学の理念の実現への大きな一歩になると期待できます。特に人間の尊厳が大きく踏みにじられている現在いま、この賞は格別な意義を持っていると思います。

6月7日(土)14時より南山大学フラッテンホールで開催される第4回南山大学「人間の尊厳賞」の表彰式・記念講演会に、多数の方々が参加されることを心より祈っています。

第4回南山大学「人間の尊厳賞」

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp