学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」
No.57「⼈々の前に輝かしなさい」
2024年12月18日
12月13日、神言神学院大聖堂で、例年通り南山大学降誕祭を執り行いました。皆様へのクリスマス・メッセージとして、その場でお話ししたことを記します。
(聖書朗読:『マタイによる福音書』2:1-12)
大聖堂で朗読されたマタイによる福音書の一節には、遠く東の方に住んでいる3人の学者たちが、イエスの誕生を告げた星を追ってエルサレムに来ました。また、その星が先立って進み、イエスの生まれた町ベツレヘムに着いて、遠くから持ってきた贈り物、黄金、乳香、没薬を幼子に捧げましたと書かれています。夜空に明るく輝く星はイエス自身の比喩としてよく使われています。例えば、ヨハネによる福音書の冒頭のところに、「言(つまりイエス)の内に命があった。命は人間を照らす光であった。光は暗闇の中で輝いている」と書いてあります。また、そのすぐ後に、「その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである」と伝えられています。
時々卒業式で朗読される聖書の別の箇所、マタイによる福音書の5章では、私たちは「地の塩」、「世の光」としてたとえられています。そこではこう書いています。「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。」今年、ローマの郊外で開催された神言会の第19回総会議はその言葉を受け、総会議のテーマとして「人々の前に輝かしなさい」を設定しました。
総会議の宣言ではこう書いてあります。
「『暗闇の中で輝いている光』は、光と闇の象徴であり、私たちに決断を迫ります。私たちは、光であるキリストの側に立つか、罪と悪の闇に留まるかの選択を迫られます。キリストを選ぶことで、私たちは光の子となり、どこに住み、どこで働いていても、神の意志を受け入れ、それを実行すること、誠実さ、思いやり、和解、正義と平和の追求を体現するのです。」


イエスの光を追求し、遠く東からベツレヘムまで来た学者たちに学びましょう。
この一年間の様々な出来事を振り返ってみますと、ウクライナで長引く戦争、ガザでの衝突、各地の災害、世界レベルでの政治的不安定、この世の闇が更に深まっているように思います。このような時代であるからこそ、人々の尊厳を推進する行動、多様性を大切にする態度、多様な考えを持っている者同士がお互いの見解を出し合い、一緒に真実を追求し、暗闇の中に輝いているイエスの光を探し、その光を人々の前に輝かしましょう。
Merry Christmas!
南山大学長 ロバート・キサラ
発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp)