学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」
No.54「神言会創立150周年」
2024年9月18日
1875年9月8日に、オランダのシュタイルという小さな町で「神言会」というカトリック修道会が創立されました。ドイツ人の司祭アーノルド・ヤンセンは自国にキリスト教を宣教する修道会がまだないことを嘆いて、自分で創立を決断しました。しかし政治的事情によるカトリック教会の弾圧から、自国での設立を断念せざるを得ず、ドイツ国境に近いシュタイルで古い酒場を買い、そこに新しい宣教修道会を設立しました。当初は会員が4人しかいなかったため、アーノルド自身もこの新しい試みを心配しており、開会のミサでこう言いました。「宣教神学校から何かが生まれるとしたら、それは神の恵みのおかげであり、もし何も生まれないのなら、私たちは胸を打ち、自分たちがその恵みを受けるに値しない者であったことを認めます。」祝賀会の資金が足りず、招待客の一人は後にこう回想しています。「司祭たちは全員、教会での礼拝が終わるとすぐに立ち去り、中には、その哀れな小さな家の住人に別れを告げたり、励ましの言葉をかけたりすることもせずに立ち去った者もいた。(中略)借りた家具で飾り立てられた古くて崩れかけた家で、宴会用のテーブルには借りたカトラリーや陶磁器が並べられていた。」
この懸念は、最初の1年間で現実のものとなったようです。訪問者は、修道会の非常に劣悪な環境について頻繁に述べました。また、修道会の将来に関する意見の相違から、最初のメンバーのうち2人が脱退しました。しかし、ドイツでのカトリック教会の弾圧により、徐々にこの修道院は新しい会員を迎え入れるようになりました。1877年の創立2周年に間に合うように新しい建物も完成しました。シュタイルの建物について私が印象に残っているのは、統一された建築様式ではないことです。まるで、急増する会員数に対応するために、無計画に増築が加えられたかのようです。
南山学園の設置母体である神言会は現在、世界76か国出身の6000人弱の会員がおり、カトリック教会で6番目に大きい男子修道会となります。来年の創立150周年に先立ち、神言会は今年9月8日から祝賀行事を開始しました。神言会日本管区が準備したパネルプレゼンテーションは、現在ライネルス中央図書館で保管しています。近い将来、皆様のお目に触れることができるでしょう。
南山大学長 ロバート・キサラ
発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp)