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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.41「暑い!」

2023年8月23日

ちょうど5年前の7月末、ローマにある神言修道会本部での勤務を終え、12年ぶりに名古屋の南山大学に戻りました。戻ってきた時には12年の間の様々な変化に気が付きました。例えば、大学では、瀬戸キャンパスを名古屋キャンパスへ統合し、一つのキャンパスとなって大きくなったこと、学生の姿にあふれて以前よりもっと活気ある場所となったことなどです。日本社会では、外国人の存在がさらに大きくなって、町でもコンビニでも、どこに行っても外国人を見るようになったこと、そして、何よりも、名古屋の夏が、ローマに行く前に比べると非常に暑くなったことです。私の記憶に間違いがなければ、20年前の名古屋の夏で35度を超える日は、まれなことでした。現在、それは「平年通り」になってしまいました。

名古屋だけではなく、世界中で測定された平均気温によると、今年の7月4日は10万年以上にも及ぶ地球の歴史の中で、最も暑い日だったと報告されました。それに、異常天候による被害も非常に増えました。「100年に1回」の大雨が毎年のように降っています。「非常に強い」台風が普通になっています。

2021年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎さんは、既に1960年代に気候変動について独自のモデルを確立し、コンピューターシミュレーションを作って、地球温暖化とそれが伴う劇的な被害を予測しました。1992年の国連・リオデジャネイロ会議(リオ+20)をはじめ、1995年から国連主催で毎年気候変動についての国際会議が開かれていますが、見合った成果はあまりなく、気候変動への対策はいまだに乏しいと言わざるを得ないでしょう。このような状況を考えると、グレタ・トゥーンベリさんのような若い環境活動家たちの不満は確かに理解できます。

2023年度 南山ゆかたフェスにて

これはもはや将来に先送りできる問題ではありません。3年前に私が学長に就任した際、「学長方針」でこう書きました。「すでに2008年度に南山学園は「南山学園環境宣言」を発表し環境問題に注目していますが、近年、この問題がさらに深刻さを増しています。地球規模の問題に応えるような更なる対策を、大学共同体として一緒に考え実行に移したいと思っています。」また、今年度の「学長方針」の締めくくりとして、こうも書きました。「環境問題についても共に考えていきましょう。南山学園は2008年度に「南山学園環境宣言」を発表し、早くから環境問題に関心を寄せてきました。その一環として南山大学は、昨年度創設された「カーボン・ニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」に参加すると同時に、具体的な計画を策定しているところです。本学の研究・教育活動を通じて、環境問題の改善に関するアイデアを出し合い、議論を重ね、より良い未来を創造できるよう努めてください。」

気候変動はまさに世界規模の関心であり、私たちの貢献が必要です。

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp