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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.26「学長としての初めての出張」

2022年5月18日

先月の終わりに、日本カトリック学校教育委員会第34回「校長・理事長・総長管区長の集い」に参加しました。二日間にわたる全国の会議で、初日は大学用務の都合上、オンラインで参加し、二日目は東京の会場で対面で参加しました。今年の集いのテーマは「ともに歩み、橋を架ける―新しいカトリック教育の可能性」でした。

初日の集まりの冒頭の挨拶の中で、東京教区の菊地功大司教(南山大学の卒業生)が集いのテーマと「シノドス的な教会」への歩みとの関係に触れました。全世界のカトリック教会は現在、フランシスコ教皇の呼びかけに従い「シノダリティ」の実施を図っています。「シノドス」はギリシア語で「ともに歩む道」を意味する言葉です。初期教会の段階から、時間の経過とともに生じる教義的、典礼的、規範的、そして司祭などの指導に関する質問に答えるために、教区、国、全世界という様々なレベルで招集された教会会議は「シノドス」と呼ばれました。直面している質問に答えるために一堂に会し、お互いに耳を傾け、イエスが残した教えに照らしながら、教会が歩むべき道を識別することがこのような「シノドス」の目的です。私たちが今日生きている二極化した世界で、真実をより完全に理解するために、フランシスコ教皇は、「シノダリティ」の実施を通して、私たちがお互いに、特に私たちとは異なる人々に、耳を傾ける必要があるという認識を呼び覚ますことを望んでいます。

基調講演で、上智大学神学部教授ホアン・アイダル師もまた、フランシスコ教皇が三年前の日本訪問中、同大学のキャンパスで学生に向けられたメッセージを紹介しました。そこでフランシスコ教皇は、カトリック大学の使命は「決然と弱者を擁護する者」を育てることとおっしゃいました。そのためにはまず、現代世界の問題を意識させて、そしてそれらの問題を乗り越えるためのヒントを与えることが必要です。そして、問題がどんなに大きく見えても、絶望する権利は私たちにないのです。

大学の用務を済ませてから、夜の新幹線に乗り、東京に向かいました。二日目の会場に集まったのは100人以上で、マスク着用や黙食など、もう習慣になっている感染防止対策に協力し、三年ぶりの対面会議の良さをお互いに実感しました。二日目は「新しいカトリック教育の可能性」の実例の紹介と分科会が開催されました。私が参加した分科会では、他の大学の学長と意見を交わすことができ、非常に有意義な時間となりました。

少しずつ正常の生活に戻りつつある昨今、対面会議の良さを改めて実感するとともに、大学の用務との両立を図ることができるこの二年間培った新しい技術を有効に使うことができ、学長としての最初の会議出張に非常に満足しました。

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp