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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.20「ポスト・コロナのカトリック大学」

2021年11月17日

最近、ASEACCUのワークショップに参加しました。もちろん、オンラインでした。ASEACCUはThe Association of Southeast and East Asian Catholic Colleges and Universities (東南アジア・東アジアカトリック大学連盟)のことで、9か国で86のカトリック大学が加盟しています。

今回のテーマは「ASEACCUポスト・パンデミック」で、IFCU(International Federation of Catholic Universities、国際カトリック大学連盟)の会長、ポルトガルカトリック大学学長Isabel Capeloa Gil教授が基調講演をしてくれました。基調講演で彼女は4つのことを強調しましたので、ここでは簡単にそれらをお伝えしたいと思います。

第一に、ポスト・コロナでは、オンライン授業を通して培った新しい技術を生かしながらも、教員と学生、または学生同士の直接接触が教育の基本である、ということです。コロナ禍で、私たちは人との触れ合いの大切さを痛感しました。知識及び情報を伝えるためにZoomなどの新しい技術は有効だとはいえ、それは教育のすべてではありません。

第二は、第一の点と関連するもので、最近大学の使命が再び問われる中、それは直接に技術やノウハウを身につけて社会人としての貢献ができるように育成することだとする声がよく聞こえてきますが、大学の使命、とりわけカトリック大学の使命は技術やノウハウを伝えるだけではなく、もっと包括的に人間としての成長を促進するものであるということでした。南山大学では、その使命が「人間の尊厳のために」という教育モットーとして表現されています。

第三は、国際性についてです。パンデミックの中、国をまたいでの移動が厳しく制限されていて、大学での多文化交流ができなくなりましたが、多様な価値観および多様な世界観との触れ合いが現在特に要求されています。キャンパス内の国際交流の再開と継続的な支援が大学としての急務だと痛感しています。

そして、第四は第三の点と関係していますが、対話の促進です。大学の最も根本的な使命は真実と善への共同探求で、それは知識を積むことのみならず、人生の意味、生命の尊厳、全人類の共通善への追求も含められています。パンデミックの中で現代世界の様々な格差がはっきりと見えてきましたが、この現状を共に改善することがポスト・コロナの中心的な課題になります。

以前から、私たちはポスト・コロナの大学の在り方について考えてきましたが、感染拡大の状況がいったん落ち着いているように見られる現在には一層にこの様々な課題に取り組まなければなりません。教皇フランシスコは最近Let's Dream(『夢を見ましょう』)という本でパンデミックの中での気付きをまとめましたが、彼が勧めるように、ポスト・コロナでは、すべての人にとって、もっといい世界を築きましょう。

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp