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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.11「COIL型授業」

2021年2月17日

ご存じの方も多いと思いますが、南山大学では3年前からNU-COIL(Nanzan University Collaborative Online International Learning)というプログラムでCOIL型授業を導入し、海外の大学と授業内外で協働プロジェクトや意見交換を行っています。私は以前からこの新しい授業の形態に興味をもっており、自分が担当している授業にも導入したいと考えていましたが、さまざまなハードルがあるように感じていました。昨年度から、本学の国際科目群の一つとして設置されている、現代アメリカの宗教をテーマとする英語での授業を担当することになり、これこそCOIL型授業にふさわしいと思いながらも、良い案が浮かびませんでした。しかし、今年度、コロナ禍の影響で、第1・第2クォーターは基本的にすべての授業がオンラインとなりました。新しい技術の可能性を経験したことで、とにかくCOIL型授業をやってみよう、とある種の自信をもつに至りました。

COIL型授業を担当している大学の国際センターと初めてコンタクトを取ったのは昨年の夏前でした。国際センターの藤掛先生が私の授業の内容とCOILの導入によってどのような結果を期待しているかなど、丁寧に相談に応じてくれました。そして、協力してくれる相手の先生を探してもらい、アメリカのデンバー大学に勤められている濱本先生とコンタクトを取ることができました。

デンバー大学とのオンラインディスカッションの様子

日本とアメリカの学年暦の差を考慮して、南山の第4クォーターの終わりとデンバー大学の第2学期の始まりである1月に実施することにしました。また、時差のために、授業時間外の午前8時、デンバーの午後4時にオンラインのディスカッションの計画を立てました。履修生の数(南山は36名、デンバーは20名)を考えた結果、二つのグループに分けて、二回のディスカッションにしました。Zoomのブレイクアウトルーム機能を利用した複数の少人数グループで、あらかじめ用意した質問に基づいて、議論を交わすことができました。

私は、授業で現代アメリカの宗教について講義することになっていますが、ときどき自分の短所を感じています。それは、私は35年前にアメリカを離れて以来、ほとんど自分の肌でアメリカの現状を感じていません。学生たちは、本や新聞・雑誌などを通してさまざまな出来事をある程度把握することができるとはいえ、現地の学生の生の声を通して私が話す授業の内容を確かめてほしいと思っていました。ディスカッション後に提出してもらったレポートを読んで、私は、この目標を達成することができたと感じました。現地の大学生とのディスカッションを通してより明確に現代アメリカの宗教事情を把握することができたことは大きな収穫だと思います。

お世話になった濱本先生と藤掛先生、ディスカッションに参加してくれた学生に感謝しています。そして、新しい試みをやってみよう、という自信を与えてくれたコロナ禍で得た経験にも感謝しています。

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp