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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.7「新潟教区の新司教」

2020年10月21日

先月、学長就任以来初めて名古屋から離れて遠出しました。カトリック新潟教区の新司教の叙階式と着座式に参加するためです。カトリック教会では、地域の教会の責任者は司教、あるいは大司教と呼ばれ、全世界の司教がローマ教皇によって任命されます。今年5月の終わりに南山大学の卒業生である成井大介さんが新潟の新司教としての任命を受けたのですが、コロナ禍の影響で司教叙階と新潟教区への着任が9月22日にまで延期していました。

1999年4月に、私は大学の隣にある神言神学院の神学生養成担当者となりましたが、当時成井司教はまだ神学生でした。2001年3月に司祭の叙階を受けてから彼が初めて任命されたのは秋田教会の助任司祭という職位でした。その3年後、彼は渡米して、英語を勉強したのち、神言会とその姉妹修道会である聖霊会が共同で設置した国連経済社会理事会の協議資格を持つNGO「Vivat」にてインターンシップをしました。そして、日本に帰国した彼は、神言神学院の神学生養成担当を兼務しながら、日本カトリック教会の国内・海外援助機関カリタスジャパンの秘書を務めました。2011年の東日本大震災後、彼は仙台に移り、カリタスジャパンの被害者援助活動を指揮しました。2012年、神言会総本部の正義と平和・環境問題部門のコーディネーターに任命され、私とともにローマで勤務することとなりました。世界的なレベルで神言会における社会活動の責任者となった彼は、特に倫理的投資の促進と西パプアの民族の人権保護活動とともに、国連で活躍している「Vivat」の事務局長を務めました。かくして成井司教は、南山大学の教育モットー「人間の尊厳のために」を具体化する行動に努めています。

新潟教区は新潟県、山形県、秋田県から成り立っています。カトリック信者の数はおよそ7000人と報告されていますが、近年は数多くの外国人信者が東北にも住むようになりました。1970年代から多くのフィリピン人女性が、政府の政策の下で農家に嫁いできて田舎の教会を支えるようになりましたが、最近はベトナムからの技能実習生もよく教会の門をくぐります。こうして国際化された新潟教区を率いるのに成井司教は適任であると思います。新潟教区でも「人間の尊厳のために」を実現しようとする彼の活躍を期待しています。

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp