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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.5「コロナウイルスへの対策」

2020年8月26日

6月24日から、感染防止の対策を取りながら、毎週水曜日に学部ごとに一年生に出校してもらい、学長講話や課外活動紹介などを行う特別な行事を実施していました。一年生は、入学以降初めて大学に来ることができ、同じ学部・学科の先生たちや同級生に会えて、喜んだ人が多かったでしょう。私も、少しでも皆さんと触れる機会をもつことができ大いに喜びました。7月29日に、この計画の最後として、外国語学部の新入生が出校する予定でしたが、その一週間前からウイルス感染が急激に拡大したため、延期を余儀なくされました。その決定の翌日、私は友人と会って、思わず「このウイルスに振り回されるのはもう嫌だ。疲れた。」と嘆きました。おそらく同感の人も多いことでしょう。

しかし、同じ日かその次の日か、たまたまフェイスブックである若い疫学者のメッセージ()を見て、もう少し辛抱するように励まされた気になりました。「私たちが直面している敵が非常に優れているのであって、私たちは失敗しているのではありません。伝染病は必然的に悪化するので、私たちは皆辛抱する必要があります。(省略)感染者や死者が増え続けていたとしても、今あなたがしていることが命を救うことであることを知って、強く、連帯してください。諦めたくなるかもしれません。しかし、諦めてはなりません。」さらに、自粛をすることによって多くの人と接触できなくなりますが、逆説的に家族、同僚、友達といったある特定の人々との接触が増加します。そのために、「家族全員が一つの個別ユニットとして機能するように認識してください。一人が自分自身を危険にさらすと、そのユニットの全員が危険にさらされます。」また、「この大流行は、一つの壮大で大胆な対策では克服されず、今後数カ月で私たちが行う個々の選択の集合によって克服されるでしょう。このウイルスは、賢明でない選択を許しません。」

一年生のための学長講話で私は「人間の尊厳のために」という南山大学の教育のモットーを説明するに当たって、第三代学長であったヨハネス・ヒルシュマイヤー師が書いた文章を紹介しています。師は、「私たちは日頃の様々な選択によってその尊厳を実現しなければなりません」と強調します。ウイルスの感染から家族、友人、同僚のいのちを守ることはまさに私たち一人ひとりの日頃の選択にかかっています。

今年度の学長方針で私は「地球規模の関心、私たちの貢献」をこれからの数年間のキーフレーズとして掲げていました。新型コロナウイルスこそ地球規模の問題であり、私たちの日頃の小さな選択を通してそれに対応することが今私たちに求められている貢献です。改めて頑張って辛抱しながら、その間学生の皆さんのために対応策を検討することにしましょう。

Jonathan Smith."'I Promise. I Promise.' You Can't Cheat A Pandemic".
https://www.wbur.org/cognoscenti/2020/04/03/hold-the-line-coronavirus-jonathan-smith.wbur,(accessed 2020-07-29)

南山大学長 ロバート・キサラ

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp