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学長からのメッセージメイルマガジン「EPISTOLA」

No.12「巣立ちの季節・旅立ちの季節」

2018年3月21日

今月は各地の教育機関で卒業式が行われています。本学が所属する学校法人南山学園は、神奈川県で幼稚園と中学・高等学校を、また、地元の愛知県では、小学校、中学・高等学校、そして大学・大学院を経営しています。学園内の各単位校で行われる卒業式は、建学の理念を共有しながらも、それぞれ個性的です。

ところで、皆さんはご自分の幼稚園の卒園式を覚えていますか。私は思い出せないのですが、カトリック系短期大学の付属幼稚園に通っていたので、記憶に残っている他の行事と同様に、園内のチャペルで式典があったのだろうと推測しています。

私たちは「卒業する」という言葉の代わりに「巣立つ」と表現することもあります。皆さんは、この「巣立つ」という表現を、どのレベルの学校を卒業する時のイメージとして使用するでしょうか。私の場合、中学・高等学校の卒業にぴったりな表現ではないかと感じています。自身を振り返ると、まず、幼稚園を卒園して小学校へ入学した時は、卒園の自覚がないので、巣立ったというよりも、小学校へ「巣戻り」したというのが正直な感想です。それから、小学校と中学校の間は、多くの同級生と違う私立中学へ入学したので、「別れ」の感覚がありました。高等学校卒業と同時に、実際に郷里を離れましたので、この頃が、私の「巣立ち」の時だったのかもしれません。

さて、大学のキャンパスは、卒業式典のあと、在学中の思い出の多い場所で、仲間とともに記念写真を撮る卒業生の姿でいっぱいになります。本学では、ガウンと角帽を着用して式典に臨みますが、そんな時の卒業生の顔は誇らしげです。実際、入学から卒業までの4年間で、大学生たちは大いに成長します。そんな彼らの卒業には、「巣立ち」のほかに、「旅立ち」という表現もぴったりです。

昨年春に入学した1年生に、私は、本学での学びを始めるにあたり、自分自身が何者であるのかということに目覚めるようにと問いかけました。もちろん、この3月に卒業する4年生は、この問いかけを直接的に聞いてはいないのですが、本学が掲げる教育モットーに基づいてキャンパスライフを送ってきたわけですから、在学中に、自覚することの大切さを十分に学んでくれたものと確信しています。そこで、卒業生には、「Hominis Dignitati」の言葉を心にしっかりと刻んで社会へ旅立ってくださいというメッセージを贈りたいと思います。

南山大学長 鳥巣 義文

発行人:南山大学長
発行 :南山大学学長室 (nanzan-mm-admin@ic.nanzan-u.ac.jp