
南山大学の「ここ」を未来に届ける
『南山大学をはなす』
学生座談会 前編
人文学部 日本文化学科 3年 有村 紗奈さん
外国語学部 アジア学科 3年 鈴木 伽威さん
経済学部 経済学科 4年 森谷 泰斗さん
総合政策学部 総合政策学科 3年 田中 芳宙さん
国際教養学部 国際教養学科 4年 早川 陽菜さん
学生座談会 前編
個が輝くキャンパスライフ
南山大学100周年に向けて「未来へつなぐ」座談会企画の第3弾は、5名の学生さんに集まっていただきました。それぞれのキャンパスライフから未来の話まで、熱い想いを掘り下げます。
聞き手
コピーライター 村田真美
(株式会社mana)91B154
取材日
2025年6月25日
やりたいことに、まっすぐ

学生さん同士も‘初めまして’とのことですので、自己紹介から進めていきましょう。トップバッターの田中さんは「消防団」がキーワード。さっそく興味深々なんですけど。
総合政策学部 総合政策学科 3年
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名古屋市大学生消防団南山分団(コアグループ)
田中 芳宙さん

田中
総合政策学部 総合政策学科3年の田中芳宙です。私の所属団体の正式名称は「名古屋市大学生消防団」といいまして、その「南山分団」です。実は私、公務員として働いています。
大学生で公務員、ですか?
田中
所属母体は名古屋市消防局ですので、私たち学生は非常勤の地方公務員、という立場になります。現場へ消火活動に行くことはないのですが、私たち学生消防団員は、市民や学生の皆さんに、人が倒れたときの対処法や防火・防災にまつわる知識をレクチャーするような、いわゆる啓発活動を行っています。私は大学1年の時にこの活動に参画して、昨年は副部長を務めました。
なぜ「消防団」だったのでしょうか?
田中
小さい頃から「防災」に興味があったんです。地震や大雨など災害が起こると「何か自分にできることないかな」と考えたり、家族に「備蓄しよう!」と提案するような少年でした。大学消防団に入ってからは救命講習を開くことができる資格も取得して、現在の活動に役立てています。

入団のきっかけは?
田中
南山大学に入学してすぐに行われるフレッシュマン祭(メインストリートにクラブやサークル等の各団体がズラッと並び、新入生を勧誘するイベント)で、消防服を着て歩いている人を見かけたんですよ。私はとっさに「何かあったんですか?(火事ですか?)」と思い話しかけて、そこで大学生消防団があることを知りました。大学生消防団は、部活やサークル同様に「入りたいです」と問い合わせをして、空きがあれば入団できます。
フレマン祭で消防服を着た人が歩いていたら目立ちますね!「南山分団」は、学生交流センターの「コアグループ」所属の団体組織ということですが、先輩から後輩へと引き継がれてきた伝統ある大学生消防団なんですね。続いて早川さんお願いします。
国際教養学部 国際教養学科 4年
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南山リサイクルプロジェクト
(南山チャレンジプロジェクト)
早川 陽菜さん

早川
国際教養学部 国際教養学科4年の早川陽菜です。昨年度、「南山リサイクルプロジェクト」という団体を運営していました。きっかけは、大学2年の時に行ったアリゾナ州立大学への短期留学です。国際教養学部のカリキュラムの一環だったので、一緒に留学した学部の仲間5人と帰国後に立ち上げて、大学3年の1年間、活動をしました。皆さん、キャンパス内でプラスチックを資源として回収するボックスがゴミ箱の隣に置いてあったのを覚えていませんか?私たちは、そのボックスを新たに設置した団体です。
主な活動はプラスチックを分別するごみ箱の設置だったのですが、他にもSNSで環境問題について発信をしていました。正直、環境問題って興味のない人の方が多いと思っているので、デザインを工夫したりして少しでも興味を持ってもらえるよう心がけました。また大学祭では、「ごみ箱に正しく分別して捨てるゲーム」を開催して来場者に楽しんでもらうなど、「お堅いもの」ではなく、楽しさを踏まえてリサイクルについて知ってもらえたらいいな、と思い活動をしてきたんです。
アリゾナへ行く前からリサイクルに関心があったのですか?
早川
国際教養学部は環境問題についても学ぶ学部ではあるんですけど、私自身は実行できていなかったな、と。でもアメリカでは学生主体で環境キャンペーンが行われていて、私たちも刺激を受けました。リサイクルだけじゃなくて、排気ガス抑制のためにバイクではなく「自転車で通学しましょう」というポスターが貼られていたり、「わざわざやる」というよりは、当たり前に「やってみよう」という感じで、活動自体がキャンパスライフに溶け込んでいました。

それで、帰国後に立ち上げたのが「南山リサイクルプロジェクト」だったのですね。
早川
はい、「南山チャレンジプロジェクト」に応募して採択され、1年間活動をしました。
皆さん、ゴミ箱が増えたことを知っていました?
有村
はい、そのボックスの存在を知っていて、私もゴミの分別を意識していました。
田中
あ、ダンボールでできた白いボックス?
早川
そうです!
田中
私はいま、消防団以外にも「CLOVER」という、南山大学コアグループのSDGs普及啓発団体にも所属しているんですが、早川さんたちのリサイクルプロジェクトの活動終了後に、CLOVERがその白いダンボールボックスを受け継いだんです。ゆくゆくは何かに活用したいと話し合っているところです。いま早川さんの話を聞いて、私たちの活動が繋がっていることに気づきました!
皆さん横にも繋がっていましたね。では続いて森谷さんお願いします。
経済学部 経済学科 4年
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サッカー部(体育会)
森谷 泰斗さん

森谷
サッカー部の森谷泰斗です。経済学部 経済学科の4年です。私たちサッカー部は、昨年度、29年ぶりに東海1部リーグへ昇格しました!
東海地方のトップリーグ所属ですので、上位12チームに入っている、という状況です。南山のサッカー部は、私が入学する前の年に、先輩たちが、新人戦で準優勝をしてチームが上を向くきっかけを作ってくれ、そこからチームの意識が変わり、徐々に力をつけてきました。そして、私が3年生のキャプテン在任時に1部リーグへの昇格という結果を出すことができました。現在は4年になったのでキャプテンは後輩に引き継ぎ、チーム全体の底上げに尽力しています。
29年ぶりの快挙!すごいですね、おめでとうございます!今期の東海リーグが始まっていますし、まもなく上南戦も控えていますね。
森谷
実は、以前練習中に前十字靭帯断裂というケガを負ってしまい手術をしたのですが、主将であるからにはピッチ上でチームメンバーを鼓舞したいという思いから、試合復帰して間もないにも関わらず無理をして試合に出ていました。その代償として、キャプテンを引き継いだ今はしっかり治すためにプレーができていない状況が続いています。今年の上南戦にはなんとか間に合いそうなので、チームとして勝利を積み重ねていけるよう頑張りたいと思います。
森谷さんが、大学でも「体育会の部活」でサッカーを続けようと思ったのは?
森谷
私は勝利に貪欲に、きつくても皆で頑張っていくような環境でプレーしたい、という思いがあったので、サークルではなく体育会の部活を選びました。
体育会の部活に入ると、バイトの時間がとれないくらい忙しいイメージがあって、、、学生時代を振り返ると、私はその点を天秤にかけてサークルを選んだ経験があるので、ちょっとお尋ねしてみました。森谷さんは、学業やバイトとの両立という点ではいかがですか?
森谷
正直、遊ぶ時間はないです。サッカー部の活動って、結構お金がかかるんです。東海1部リーグへの団体としてのエントリー料や選手登録で年間160万円くらい必要だったり、試合ごとに移動のための交通費もかかるので、部費は月1万円です。私はひとり暮らしをしているので、週に5日サッカーの練習をして、部活のない2日間はすべてバイトに充てています。

ひとり暮らしということは、森谷さん、ご出身は?
森谷
地元は群馬県です。進学先を考えた時、私は大学でもサッカーを続けたいと思う一方で、勉強もちゃんとしたかったんですよね。たまたま高校のサッカー部の先輩が南山に進学していて雰囲気などを聞いていたんです。先輩の話を聞いたら、私の理想にぴったりだ、と思いました。南山にはスポーツ推薦枠がないので、そういった選手もいません。自分たちで考えてチームを強くしていくことも大学でサッカーを続ける醍醐味だと考えました。
東海1部リーグ昇格という結果も残した森谷さんから、熱い想いが伝わってきました。続いて有村さんお願いします。
人文学部 日本文化学科 3年
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学生入試広報スタッフ
有村 紗奈さん

有村
人文学部 日本文化学科3年の有村紗奈です。私は学生入試広報スタッフをしています。オープンキャンパスや大学見学会などのイベントで「高校生に、大学生活を学生目線で紹介する」ことが主な仕事です。ほかにも、大学展などの進路相談会で参加者からの相談に乗ったり、南山のカトリック特別協定校の高校で、大学生活を紹介する仕事もしています。
有村さんは大勢の人の前で話すことにも慣れている感じですね。なぜ学生入試広報スタッフになったんですか?
有村
友達に「ポルタ(南山大学のポータルシステム)にこんな募集があるよ。応募してみない?」と誘われたのがきっかけです。もともと人前で話すことに苦手意識があったんですが、ここで活動をすれば私の苦手意識を克服できるのでは、と思いました。高校生たちに大学生活のことを話すと「楽しそうですね!」と喜んでもらえるのが嬉しくて、活動を続けるうちに3年目となりました。
広報誌の学生編集スタッフもされているとか。
有村
はい、「REAL@NANZAN」という冊子の編集スタッフとしても活動しています。自分たちで企画を立案して入学センターの職員の方々にプレゼンして承認を得たら、学生にアンケートをとったり学内の様々な施設を取材したりして原稿にまとめ、デザインのラフ案とともに提出しています。後工程はプロの方々に形にしてもらい冊子となります。編集スタッフとの学部学科を超えた交友関係が広がるのでとても楽しいです。高校生に大学の魅力を伝えるには、自分の所属学科以外のことも知る必要があるので、他学科の学生からの生の声は、学生入試広報スタッフの活動にも役立っています。

編集作業は面白いですか?同業者としてちょっと聞いてみたくなりました。
有村
雑誌作りに興味があったのですが、やってみると本当に大変だということがわかりました。学内アンケートをする際にも、ポルタで配信するだけではなかなか見てもらえないので、友人に声をかけたりして、先日も200人くらいに協力してもらえた時はすごく嬉しかったです。密度の濃い情報として高校生にも届けられたらいいなと思っています。
有村さんの弾んだ声からも充実した学生生活の様子が伝わってきます。ではお待たせしました鈴木さん。
外国語学部 アジア学科 3年
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聖歌隊 南山大学スコラ・カントールム
(文化系団体)
鈴木 伽威さん

鈴木
外国語学部 アジア学科3年の鈴木伽威です。聖歌隊「南山大学スコラ・カントールム」の主幹をしています。団体名が長いんですけど通称「なんすこ」、南山大学唯一の混声合唱団です。
活動の中心は、「歌うこと」ですよね。聖歌が中心ですか?
鈴木
日々の活動としては、毎年12月に開催する定期演奏会に向けて、キャンパス内のキリスト教センター(ロゴスセンター)で演奏曲を練習しています。「聖歌」というイメージが強いかもしれせんが、最近は日本語のメジャーな合唱曲も取り入れたりしています。アカペラで歌ったり、パイプオルガンを伴奏に使うこともあります。ほかにも入学式や卒業式、イースターやクリスマスの降誕祭のミサでも歌ったりしています。
幻想的な情景が浮かんできました。「なんすこ」を選んだ理由は?
鈴木
コロナの時期に高校時代を過ごしたので、音楽の授業では歌うことが制限されました。大学では「歌いたい」と思っていたのと、ミッション系の南山らしいイメージ、という好奇心から門戸を叩きました。

レーモンド建築の最高峰と言われる神言神学院の大聖堂で歌うのって、どんな感じですか?
鈴木
大聖堂は響きがいいので、少人数で歌っても心地よい反響があって、全体的に音に包まれる感覚があります。
田中
私も授業が終わって帰る頃に、どこからともなく歌声が聴こえてくると、キリスト教の大学なんだな、というのを感じます。姿は見えないけど聴こえてくる歌声は、キリスト教センターから響いていたんですね。
5名の皆さん、それぞれ個性も彩りも豊かな自己紹介でした。消防団の田中さん、リサイクルプロジェクトの早川さん、サッカー部の森谷さん、学生入試広報スタッフの有村さんに「なんすこ」の鈴木さん。自己紹介だけで一つの記事になってしまいましたが、中編から本題にお話を進めていきます。
中編へ続く