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「であう」「つながる」「かわる」—
ライネルス中央図書館展示エリア担当者インタビュー

ライネルス中央図書館
展示エリア担当者インタビュー

ライネルス中央図書館(以下、図書館)の展示エリアはご存じですか。普段何気なく通り過ぎているかもしれませんが、実は年に10企画くらい展示が行われています。企画ができるまでにはどんなドラマがあるのでしょうか。今回は展示エリアの企画制作を手掛ける、図書館事務室の伊藤禄美さんと林志麻さんにお話しを聞いてみました。

取材日:2025年11月11日(火)

(左から)
専任嘱託職員 伊藤禄美さん
専任嘱託職員 林志麻さん

まずは自己紹介をお願いします

伊藤

私は南山大学の卒業生で1995年に英米学科に入学しました。図書館は2023年の4月から働いています。第二係に所属していて、主に経理の仕事をしています。趣味は野球観戦。ドラゴンズファンです。子供のころから野球を観るのが好きで、中学時代は自分もソフトボールをやっていました。しばらく野球から離れていましたが、数年前からまた野球熱が再燃しました。上司の石井事務室長(タイガースファン)の影響もあります。職場で自然と野球の話になります。

私は2023年の10月から派遣職員として、2025年の4月から専任嘱託職員として働いています。図書館が好きで、南山で仕事をする前もいくつかの図書館で働いていました。今は第一係に所属しています。図書館には委託スタッフが多く、カウンター業務などは外部に委託しています。私は委託スタッフと職員をつなぐ窓口的な仕事をしています。趣味は私も野球観戦です。子育てなどで球場に行くことが減ってしまったのですが、ちょうど去年くらいから伊藤さんに誘われて一緒に行くようになりました。

第一係?伊藤さんは第二係でしたよね。お二人は同じ係で働いてらっしゃると思っていました。

伊藤

図書館には係をまたがってグループというものがあるんです。展示エリアは、展示企画グループが担当しています。私は他にカトリック文庫グループにも入っています。

私は展示企画グループのほかには研修生グループの担当です。あとは南山大学図書館報『デュナミス』グループや防災点検グループというのもあります。

係に関わらず、図書館全体で一丸となって色々な業務をしているんですね。

図書館のPRをお願いします

林さんは他の図書館で勤務のご経験があるので、南山の図書館の特徴にも触れていただけると助かります。

2023年度にリニューアルしたばかりなので本当にきれいな図書館だと思っています。1番のPRポイントは「であう」「つながる」「かわる」というコンセプトが体現されているところでしょうか。ただ本を並べるだけの「箱」ではなく、レイアウトも工夫されていて利用者が資料にアクセスしやすくなっています。また、NANTOルームというイベントができるスペースもあり、リニューアルを機に積極的にみなさんに使ってもらえるような図書館になっています。

伊藤

私が学生の頃の図書館はもう少し閉じたイメージだった気がします。せいぜいテスト前に勉強しに行くかレポート用の本を借りに行く程度。そう思うと、今は正面がガラス張りになったということもあるし、色々とイベントや展示等も行われていて、外に開かれているなあと感じます。

建物で言うと、レーモンドが設計した初期のものがそのまま残っているところがあります。1階天井の菱目の梁や階段室のタイルは、それを目当てに見学に来る人もいるくらいです。

探してみよう 構造を見せる天井(図書館)

探してみよう 隠されたタイルデザイン(図書館階段室)

個人的にはブラウジングコーナーが好きでよく行きます。ジャンルが偏っているわけでも散らばっているわけでもなく…、上手く言えませんが、あそこに行けば、自分では気づいてなかったけど実は興味があったというジャンルの本に出会えるから不思議です。

うれしいです。実はブラウジングコーナーの本は主に学生に選んでもらっているんですよ。司書課程の学生を対象とした「選書コース」という研修の一環で、毎月新しい本を配架しています。あとは全学生を対象に、年2回名古屋駅にある大きな書店に行って、2時間ほどかけて好きな本をとにかく選ぶという「選書ツアー」もやっています。テーマは決まっていないので、小説だけでなく、趣味の本だったり実用書だったり、本当にいろんな本を幅広く選んでくれます。冊数も決まっていないので、抱えきれないくらい「大人買い」する学生もいます。本学の学生であれば誰でも参加できますので、是非参加してほしいです。

次は展示エリアについて教えてください

企画内容はどの様に決めているのですか。

内容については展示企画グループで検討しています。人気の企画があって、例えば4月だったら新入生に向けて「新生活応援」とか、5月くらいには「学生や教職員のオススメ本」だったり、そういった好評な企画を中心に、時事ネタなどを取り入れています。過去には大河ドラマやパリオリンピックをテーマにしたこともあります。1つの企画の展示期間は概ね1~2か月です。

伊藤

年間の定番企画を継続しつつ、その間に何を入れようかという感じです。他のグループが企画しているものもあります。現在の企画(キリスト教と印刷・出版文化点描)はカトリック文庫グループが、カトリック文庫通信『カトリコス』Vol.40の内容に合わせて展示しています。

企画はどれくらい前から準備を始めるのですか。

2~3か月前くらいでしょうか。大まかなテーマをまず決めて、本当に忙しくなるのは1か月前くらいからです。忙しくなる頃には次の企画も考えなければならない時期になるため、常に2つ先くらいの企画も考えながら進めています。

伊藤

大きなテーマの中のサブテーマが決まってきて、その後、展示する本が決まり、飾りつけの製作が始まりと段々具体的になっていきます。2~3企画が常に並行して進んでいるイメージです。

企画の検討にあたり、重視していることは何ですか。

一番は学生のみなさんに興味を持ってもらうことですね。

伊藤

(貸出可能な企画の場合)展示した資料の貸出数のデータを取っていますし、企画によってはアンケートも取っていますので、企画の検討の際に参考にしています。あとは、オープンキャンパス等のイベントに合わせて、この図書館ならではの貴重な資料を展示しています。

貴重な資料は、普段は温度や湿度などを管理している鍵付きの立ち入り禁止の部屋に保管されています。それをケース付きではありますが、年に1回くらい出していて、オープンキャンパスでは高校生や保護者の方にも喜んでいただいています。

倫理神学大全

伊藤

「倫理神学大全」とか「五榜の掲示」とか。特に五榜の掲示はすごい反応がありました。教科書にも載っているものなので、高校生も「本物だ」って。

五榜の掲示

職場体験に来た中学生に「ちょうど授業で習ったところです」って言われたこともありました。

「興味を持ってもらう」というのが展示エリアの大きな役割の一つと思いました。

展示エリアの仕事で楽しいことや大変なことを教えてもらえますか

伊藤

テーマに応じた本を探すんですけど、毎回、自分自身も発見があり楽しいです。例えば、この前の「こわい本」では、いろんな観点から「こわい」というキーワードを検索して探しに行くんですけど、「あっ、こんな本が図書館にあったんだ」みたいな。

でも、キーワードから引っ張って探すとピンポイントの本は探せるけど、広がりが少ないんです。その書架に並んでいる他の本も見て、「こんな視点でもいけるかな」と広げていく感じです。グループのメンバーが4人いますが、みんながまず、それぞれ自分の視点で検索して探しに行って、みんなの本が集まると、「このキーワードもあるね」と気づいてまた探しに行くことも多いです。

伊藤

自分以外の人が何を選んでくるのかがおもしろいし、それが結果的に多くの人が見てもおもしろいものになっていると思います。貸し出しにつながるのもうれしいです。図書館にあるというのは変わらないけれど、ちょっと展示エリアでピックアップしてあげることによって、みんなの目に触れるようになる。とても楽しいです。
大変なことは…、いっぱいあるよね(笑)

例えば、サブテーマの文言をみんなで考えるのですが、結構頭を悩ませるんです。4人で思いつく限りの言葉や単語をとにかく挙げて、それを、くっつけたり、切ったりして。モニターに投影しながら、みんなであーでもない、こーでもないと話しているうちに、やっといい言葉が生まれてくる感じです。

伊藤

途中の案はひどいよね。生みの苦しみが…

途中の案は絶対に人には見せられない…(笑)

伊藤

でも、実はそこにかなり名言が残ってたりするんですよ。

林、伊藤

「心の万華鏡」とか!(笑)

迷走してますね…。では、そんな苦しみを乗り越えて完成した展示エリアで特に注目して欲しいポイントはどこですか。

展示エリアと連動した企画をNANTOルームで実施するようにしているんです。「こわい本」だったらホラーDVDの上映会をしたり、「おすすめ本」の時は先生方にブックトークをしていただきました。展示エリアも連動企画もどちらも楽しんで欲しいですね。

伊藤

先ほども言いましたが、やはり、普段見つからない本が見つかることでしょうか。展示エリアに来て新しい発見をしてくれると嬉しいです。

南図の三博士(図書館公式キャラクター)も登場して盛り上げてくれます。

今後は、どんな展示エリアにしていきたいですか

もっと学生団体や教職員の方々にも展示エリアを利用してほしいです。課外活動団体が活動内容に関連した本を紹介したり、教職員がお勧めの本を紹介したり。学生や教職員のみなさんが自由に好きな企画をできるようになると面白いかなと思います。

伊藤

展示エリアには9つの展示台があって、3×3の形が標準のフォーメーションなのですが、今回は真ん中にギュッと寄せてみました。展示の内容も大事ですが展示の仕方も工夫できると思うんです。上から何かを吊るしてみたり、床に何か置いてみたりと立体的なことも面白いですし、平面的にスペースを広げてみることも考えられます。テーマにあったレイアウトを研究してみたいです。

絵本特集の時は小さな書棚とベンチを置きました。ベンチに腰掛けて絵本を読んでくれる利用者が思ったより多くてうれしかったですね。例えば、真ん中にソファーを置いて、その周りを展示台がぐるっと囲んでる、なんてレイアウトも面白そうです。

今後、どの様に展示エリアが進化していくのか楽しみです。

南山大学ライネルス中央図書館
イベント情報はこちら

最後にYAMAZATO60+のキャッチフレーズ(Beautiful Campus, Nanzan Mind)や企画についてコメントをお願いできますか

私にとっての「Beautiful Campus」は図書館2階のメインストリート側にある席です。正面がガラス張りの一人掛けの席なんですけど、外の景色もきれいですし、1人ずつ電源もあり、個人的には某有名コーヒーショップより雰囲気いいじゃん、と思っています。

伊藤

私は今も昔もグリーンエリアが好きです。特に学生の頃はしょっちゅういたと思います。陽気がいい時はあえて学食に行かずにそこで過ごしたり。

「Nanzan Mind」はなかなか難しいのですが…。去年、キャンパスツアーを企画したのですが、多くの教職員の方々にご参加いただきました。普段、自分が働いているところを愛して、より興味を持って知りたいと思うところが「Nanzan Mind」じゃないかと思いました。

伊藤

強いよね。南山愛が。

企画は突撃(突撃!南山のお昼ご飯)が好きです。オレンジ色のはっぴが印象的で、「あー、こんなの作ったんだー」と思わず笑ってしまいました。

伊藤

私はささみフライの企画(あるむないキッチン)がとても楽しみです。その時代でした。2食(第二食堂)はささみフライ定食しか覚えてないです。他に何があったか聞かれてもわからないくらいですよ。あそこに行く時はささみフライを食べるためでしたから。企画を見た瞬間、「おっ」と思いました。みんなが共通して懐かしいと思うところを掘り起こしてくれるのが嬉しいです。

お二人のお人柄もあり、終始、和気あいあいとインタビューが進みました。こんな楽しい空気感の中から、色んなアイディアが生まれてくるのですね。

図書館のみなさま、いつか「YAMAZATO60」展もよろしくお願いします!
(展示品としてオレンジ色のはっぴもお貸ししますので…)