ホームカミングデーの歴史
- 60年の時をこえて -
History
去る11月3日、ホームカミングデーが開催され、多くの卒業生の皆様にご来場いただきました。さて、ホームカミングデーがいつ始まったかご存じでしょうか。奇しくも60年前の同じ11月3日、「山里キャンパス」に移転した記念すべき年に第1回ホームカミングデーが開催されました。元南山学園理事長アルベルト・ボルト神父の寄稿をご紹介します。
60年続く ホームカミングデー
11月3日のホームカミングデーでは、YAMAZATO60企画として動画コンテストとゲームフォト(テストプレイ)を開催しました。たくさんのご参加ありがとうございました。
さて、ホームカミングデーがいつ始まったかご存じでしょうか。奇しくも60年前の同じ11月3日、「山里キャンパス」に移転した記念すべき年に第1回ホームカミングデーが開催されました。
当日開催された体育祭には、同窓生とその家族が参加できる種目もありました。その他、人形劇やフォークダンス、教職員によるソフトボール大会などの催しがあったようです。また、キャンパス内には、おでんや綿菓子の模擬店が並び、「人類学教室」、「図書館」、「音声学教室」が開放されるなど、初回から充実した内容であったことが想像できます。
後述のボルト神父のメッセージには、「以前の古い貧しい校舎で授業を受けた卒業生であっても、この新校舎もやはり自分たちの母校なのです」とあります。そして、また、瀬戸キャンパスで学生生活を過ごした卒業生のみなさまにとっても、この「山里キャンパス」は母校です。かつて杁中に行き交った知も、やがて瀬戸に行き交った知も、すべてこのYAMAZATOの地に、Nanzan mindとして宿っています。
ボルト神父寄稿(1964年10月15日)
HOME COMING DAYについて
二年前から新校舎が完成したら “Home Coming Day” を挙行したいとみなに話しておりました。
“Home Coming Day” は日本人の耳には耳新しくひびくかも知れません。外国のある大学では “Alumni Meeting” ともいい、あるところでは “Home Coming Day” ともいっております。その意味は卒業生が “母校に帰って、一つの行事に集まって一日楽しくすごすことであります。”
どこの国でも卒業生は母校への愛校心が強く、特に有名校はこの愛校心のためにその学校がいよいよ有名になることがありましょう。
“Home Coming Day” を挙行する目的は第一に、新校舎とキャンパスを卒業生に見てもらいたいことであります。以前の古い貧しい校舎で授業をうけた卒業生であっても、この新校舎もやはり自分たちの母校なのです。きっと満足して喜んで見ていただけることと思います。
第二には、卒業生も毎年学年毎に、またはクラブ毎によく集まっておられることでしょう。しかしこういう “Home Coming Day” を通じてみんなが一堂に集まって同じ行事を一緒に楽しむことができます。
第三には、学校側の利己的な点もないではありませんが、卒業生のみなさんが、いつまでも自分の母校を忘れないで、その発展と成長を共に喜び、共に協力してもらいたいからであります。
卒業生のみなさんは社会へ出てまだ間がなく、経済的な援助まではゆかなくとも、学校に対する愛校心と団結心とをもって精神的な母校のバックボーンとなっていただきたい。この母校への暖かい愛校心と強い団結とが南山大学のきっと大きい力となるでしょう。
今回は、学校側で “Home Coming Day” を挙行し、みなさんを招待する立場にありますが、今後は initiative を卒業生と大学が持ちだんだんと卒業生のみなさんのものになって行けば理想的だと思います。
この “Home Coming Day” はどのように催すか、またどのようにすごすかいろいろ意見がありますでしょう。このたびはたいした事は出来ません。在校生と同窓生のみなさんを中心とした運動会の一日になることと思います。将来大学にふさわしい行事でみなさんが集まるようなアトラクションを催すことができれば幸です。このアトラクションは、芸術的なもの、学問的な活動、スポーツ的なものであるか、又は単なる human relation の社交的な催しであるかは学校とみなさんとのあゆみよりによる事でしょう。
今年ははじめての行事でありますから是非この催しが成功しますようにみなさまのご協力をおねがいいたします。
南山学園理事長 アルベルト・ボルト
第一回「母校へ集う日」を十一月三日に決めました
多年の宿願でありました山里町の新校舎の第一期工事が完成し、先生方も学生達も文字通り静かな緑につつまれた校舎で勉強しています。
母校では昨年より計画していたホーム・カミング・デー「母校へ集う日」を十一月三日に決めました。学生諸君もこの日は先輩諸兄姉を招いて楽しい一日が過せる様に準備しています。同窓会でも家族の方々にも是非参加して旧交を暖めていただく様に骨をおっています。
当日は十一時十五分より大食堂において祝賀会を催します。ビール、軽食、菓子その他の飲み物を用意していますので多数の卒業生の方の参加を希望しています。午後一時よりは次の様な競技をグランドで予定しています。
- 幼児競争
- ボール蹴り
- 3人4脚
- 食べ物レース
- アベック競争
- 球入れ
その他野球場では対教職員のソフトボールの試合が行なわれる事になっています。競技はすべて自由参加ですので皆様ハッスルして御協力を願います。
又人類学教室・図書館・南山の誇る最新式設備をそなえた音声学教室の開放も予定されており当日は早朝より来られても退くつのしない様すべて同窓生の為に計画されています。学生側も学校祭の最終日に当り、十一月三日は人形劇・フォークダンス・体育祭を行う事になっています。あわせてミタラシ・オデン・綿菓子などを売る模擬店もキャンパス内に開かれます。
丘陵地帯の起伏を利用したレンガ色の新しい母校を訪れて、恩師と語り、旧友と学生時代の思い出話しに是非とも来校されて楽しい一日を過されます様希望しています。
なお学校、同窓会ではこれを第一回のホーム・カミング・デーとして毎年行う様に予定しています。
1964年10月15日発行 南山大学同窓会会報より
写真:南山アーカイブズ所蔵
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