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学長からのメッセージ2025年度学長方針

Ⅰ.基本方針

旧約聖書の「詩編」書に、人生の様々な場面での神への祈りが書かれています。たとえば、大きな挑戦に直面している時に神の助けを求める祈りとして次のものがあります。「わたしたちの神、主の喜びが、わたしたちの上にありますように。わたしたちの手の働きをわたしたちのために確かなものとし、わたしたちの手の働きをどうか確かなものにしてください。」(『詩編』90:17)

2025年9月に南山学園の設立母体である神言修道会は創立150周年を迎えます。政治的な混乱、経済的な不安の中で、オランダの小さな町シュタイルで新しい宣教修道会の設立に踏み切った創立者アーノルド・ヤンセンは、「宣教神学校から何かが生まれるとしたら、それは神の恵みのおかげであり、もし何も生まれないのなら、私たちは胸を打ち、自分たちがその恵みを受けるに値しない者であったことを認めます」という言葉で自身の心情を表しました。結局のところ、私たちの努力が成功するか失敗するかは私たち自身の力ではコントロールできません。私たちにできるのは、現状の把握に最善を尽くし、計画を立てて実行することです。

ここ数年、不透明な世界情勢により私たちが直面する地球規模の課題は深刻なものとなっています。本学では、人間の尊厳を尊重かつ推進する取組みを、『南山大学「人間の尊厳賞」』として表彰することで、彼らの活動を支えています。また、本学固有の社会的使命を果たすため、いくつかの重要な取組みを行ってきました。お互いの見解を出し合い検討し、団結して協働していることに心より感謝しています。そして、まだ検討中の大胆な取組みもいくつかあります。これらの取組みが成功につながるように、「わたしたちの手の働き」が豊かに実を結ぶことを願うばかりです。

今年度も、およそ20年後の2046年に迎える大学創立100周年に向けた改革が続きます。従来から「学長方針」で掲げてきた「地球規模の関心、私たちの貢献」、また昨年度に掲げた3Ds(Dignity,Diversity,Dialogue)の実践を通して大学の使命をさらに明確にしながら、長年の慣行を変えることも恐れずに改革を続けていきましょう。

Ⅱ.3Dsの実践

2024年度にはDignity、Diversity、Dialogueについて次のような取組みを進めました。

Dignityについては、第3回南山大学「人間の尊厳賞」を通じて、本学の教育モットーである「人間の尊厳のために」の重要性をより多面的な観点から具現化しました。また、山里キャンパス60周年事業「YAMAZATO60」を実施し、キャンパスが学生・教職員・同窓生の共有財であるという認識をより広く浸透させ、「人間の尊厳のために」を展開する新たなブランディング拠点として山里キャンパスを位置づける試みを進めました。

Diversityについては、女性教員に限定した公募の実施、視覚障害者用誘導ブロックの改修・増設を通じたキャンパスのバリアフリー化推進など、多様な人々を受け入れる環境の整備に取り組みました。

Dialogueについては、学生と教員の教育における対話を促す内部質保証の体制を整備し、教学IR活動を通じた学内対話の歩みを前に進めました。また、卒業生と在学生、および、地域社会と南山大学のつながりを強めるために、新たな寄附事業として『「ほまれはここに我が南山」学生応援募金事業』を創設しました。

こうした実績を踏まえ、本年度も3Dsの実践に向けて以下の取組みを進めてください。

3Dsの実現のために:2つの創立100周年へ向けた準備と持続可能な大学運営

  1. 2032年の南山学園創立100周年、2046年の大学創立100周年を見据えて、南山大学の進む道を示す新たなグランドデザインの策定に着手する。
  2. 新たなグランドデザインに基づく国際化ビジョンのほか、教育の質保証の推進と課外活動の充実に向けた教学ビジョンの策定に着手する。
  3. 充実した教育・研究および課外活動を持続的に発展させるため、寄附金や補助金の獲得等、財政的な観点からの対話を継続する。

Dignity:南山アイデンティティのさらなる浸透

  1. 『南山大学「人間の尊厳賞」』の意義が学生にさらに浸透するように、「人間の尊厳科目」等とのよりよい連携を検討する。
  2. キャンパスを起点とした大学活動の意義が学生・教職員の間で共有できるように、新たなプラットフォームサイト「YAMAZATO60+」を通じ、学内外の人びとと共に、南山アイデンティティのさらなる浸透を促す企画を立案・実施する。

Diversity:多様性に配慮した大学内環境の整備

  1. 募集・採用、会議体や意思決定過程等の参画のみならず、学生の正課外活動においても多様性に配慮した取組みを進める。
  2. 働きやすい環境の実現に向け、省エネ・節電に努める等自然環境に配慮するとともに、DXの推進やAIの活用等について部署間の対話を進める。

Dialogue:対話を通じた大学運営

  1. よりよい大学のあり方を目指して、教職員・学生を含む大学構成員と学内役職者との対話を推進する。
  2. 在学生と卒業生との交流を促進し、かつ、卒業生が大学とかかわり続けるために、その基盤となるプラットフォームを創設する。

Ⅲ.グローバル化推進

2024年度は次の取組みを実施しました。1つ目に、グローバル化推進委員会およびグローバル戦略センターの設置を決定しました。2つ目に、協定校の少ないアフリカにおいて南アフリカ共和国とケニアの大学との交換協定を締結しました。3つ目に、短期留学プログラムの推進に向けて、「短期留学プログラム等参加学生支援制度」を設立しました。4つ目に、外国人留学生別科の創設50周年事業を行い、同窓生とのネットワークを強化しました。こうした実績を踏まえ、本年度もグローバル化推進に向けて以下の取組みを進めてください。

1.学内におけるグローバル化推進に関する対話の促進

(1)グローバル化推進のための新たな仕組み

グローバル化推進委員会とグローバル戦略センターの新設を契機に、学生のモビリティや国際交流をさらに促進しつつ、教育面でのカリキュラムの国際化や、国際的な共同研究を推進するための大学・研究所間の連携強化を図り、大学のグローバル化を推進していく。

2.派遣留学の充実

(1)協定校の多様化

  1. 留学先の多様化を進めるために、新規国の大学との交渉を進める。
  2. カトリック大学連携をさらに深める中で、新たなサービスラーニング型の短期留学プログラムの可能性について具体的な協議を始める。

(2)長期・短期留学の促進

  1. 学生が入学後できるだけ早いうちに留学の準備を始めるサポートを行うため、留学アドバイジングや学生インターンによるNaSIPの活動をより発展させると同時に新設の語学試験補助制度の活用・促進を行う。
  2. 年内入試合格者に対して留学準備を進めるための入学前プログラムについて検討を始める。
  3. 「短期留学プログラム等参加学生支援制度」の効果的な運用を行う。
  4. 国際教育に焦点を当てた学園内連携、カトリック系高等学校との連携を進めていく。
  5. 大学院生による交換留学を促進するため方策を作成する。

3.留学生受入れの拡充

(1)国際センターによる受入れプログラムの進化

  1. 南山大学のグローバル化を推進するために、南山大学生による交換留学の促進、国際共修・国際交流の機会の拡大とともに、それを支える外国人留学生別科の新たなあり方についての対話を進める。
  2. 学内交流の機会を生み出し収益性もあるアニメスタディツアーを拡大し、同様な形の受け入れプログラムを増加させるための検討を行う。

(2)学部・研究科における留学生受入れ増加

  1. 学部・研究科の留学生を増やすために、各部署とグローバル戦略センターとの間で対話を開始する。国内の日本語学校を指定校とする、大学院進学を視野に入れた学部間の連携協定を進める等、優秀な留学生の受験者を増やすための取組みについての検討を進める。
  2. 学部・研究科などの部署は、グローバル戦略センターと連携してより多くの留学生を獲得すべく国際広報のさらなる充実を図る。

4.キャンパス内の国際交流の充実

多文化交流ラウンジ(Stella)、World Plaza、ジャパンプラザ、ヤンセン国際寮における国際交流をさらに活性化させるために、より学生が運営の主体となる方策について検討する。

Ⅳ.教育

2024年度は、教育の質保証に関する課題とその方策に向けて、以下のことを進めてきました。1つ目に、大学および学部・学科の3つのポリシー(ディプロマ・ポリシー、アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー)をより実質的な「教育の質保証」に適した表現形態へと再整備しました。2つ目に、再整備された3つのポリシーをふまえて、カリキュラムマップ、カリキュラムツリーおよびシラバスの再整備を行い、教育課程の編成を明確なものとし、同時に、アクティブラーニングの推進方針を打ち出す等、より充実した教育内容の提供に努めました。3つ目に、学修成果の可視化・把握を実現する本学独自の学修成果可視化システムの開発を進め、あわせて、学部・学科での活用方法の検討を進めました。

本年度は、こういった教育の質保証を支えるFD・SD活動を活性化させ、さらに、IR推進室の新たな体制の検討を進め、より効果的な情報公表に向け準備を進めるとともに、さらに充実した教育内容の提供に努めるべく以下の取組みを進めてください。

1.教育の充実

(1)多様な教育手法の推進と内容の充実

  1. 教育の質保証や大学運営に学生が参画する仕組みを構築する。
  2. シラバスの改修、アセスメントテストの有効活用、成績評価基準の見直し等、アセスメントプランに基づく質の高い教育の実現に向けた取組みを進める。
  3. 建学の理念と本学の教育理念にかかわる「宗教性の涵養」を視野に入れつつ、全学的にSDとFDの体制を再整備する。
  4. 学修成果可視化システムの円滑な導入を促すためにFDを実施する。
  5. 共通教育科目と学科科目との連携を見すえながら、数理・データサイエンス・AI教育、アントレプレナーシップ教育、サービスラーニングなどを含めた教育の充実を検討する。
  6. 教学マネジメントの実践のなかで、より教育効果をたかめるためのAI利用、オンライン・オンデマンド授業の活用を継続的に検討する。大学院授業科目についても各研究科で検討し、あわせて大学全体の方針を制定する。
  7. ラーニングコモンズ機能の実質化に向けて、授業科目と連動した学内催事の企画・運営を担う新たな教育研究推進体制を整備する。

(2)国際共修科目の充実

新たな国際化推進事業によって、COILの手法を用いた科目と、外国人留学生別科のオープンコース科目を増加させて国際共修の機会を拡大する。これらの国際共修に関わる教員同士のネットワークを通じて、国際共修を量的にも質的にも向上させる。

(3)Nanzan International Certificateに代わるプログラムの開発

アントレプレナーシップ関係の副専攻またはサーティフィケートプログラムの導入を検討する。

(4)大学院におけるリカレント教育の検討

文部科学省「リカレント教育エコシステム構築支援事業」等の動向を念頭に、就業者がキャリアアップのために新しい知識やスキルを身につけるためのリカレント教育について、大学院の各研究科において、その実現可能性について検討する。

2.教学マネジメント体制の整備

(1)学部教育

各学部・学科での内部質保証に関する部会、および、2025年度より新設された教学マネジメント推進委員会を通じて、教育の実質的な質保証を実施する。

(2)大学院教育

大学院委員会および各研究科での内部質保証に関する部会において、大学院・研究科の3つのポリシーの再整備を進め、大学院に適した教学マネジメント体制を早急に構築し、研究指導実績等の自己点検・評価・改善を実施する。

3.高大連携教育の推進

高校生が本学の教育活動に参加することができる取組みを推進するとともに、入学予定者に対する教育の充実を検討する。例えば、本学での学び方を学ぶ教材や本学の教育モットーである「人間の尊厳のために(Hominis Dignitati)」のエッセンスを学ぶ高大連携教育を検討する。

Ⅴ.学生支援

2024年度に新たに次のような取り組みを実施しました。1つ目に、全国大会に出場できるような部活動を継続的に支援するための強化奨励奨学金制度、また、社会的養護を受ける学生を対象とする給付奨学金制度を創設しました。2つ目に、カトリック系高等学校との高大連携行事としてスポーツ大会を3月に開催しました。

また、キャリア支援・教育に関して次のような取り組みを実施しました。1つ目に、キャリア教育の早期開始を目指し、1年生も参加対象とした新しい企画として、企業と学生のマッチングを意識した企業説明会等を実施しました。2つ目に、大学での授業出席と就職活動の両立を支援するため、学内に面接ブースを設置しました。3つ目に、アントレプレナーシップ教育の充実を図るためのワーキンググループを立ち上げ、オープンイノベーション拠点STATION Aiの活用等について議論を開始しました。また、学生の挑戦する意欲を引き出すために、NANZAN SPARKを拡充し、さまざまな講演会やワークショップ、ピッチコンテストを実施しました。こうした実績を踏まえ、本年度も学生支援に向けて以下の取り組みを進めてください。

1.学生が躍動できるような課外活動へ

(1)学生による取組みの支援

  1. 学生交流センター(セントルム)のボランティアセンターとしての機能を強化し、ボランティア活動として、防災・減災などの地域貢献への取組みを奨励する。
  2. 南山チャレンジプロジェクトの取組みを継続的に奨励する。

(2)課外活動の活性化

  1. キャンパス内のスポーツおよび文化的な活動、社会活動を推進し、学びの一環としての課外活動の活性化を検討する。特に、学生がキャンパスでスポーツを通じて成長することのできる環境整備を検討する。
  2. 本学の伝統として存在する上智大学・南山大学総合対抗運動競技大会について、さらに積極的にその魅力を学内外に発信し、全国的にも稀有なこの取組みを発展させる。

(3)他校との交流

  1. 課外活動を通じ、他大学や中学校・高等学校との交流を促進する。
  2. カトリック系高等学校との高大連携を充実させるために、2024年度に試行したスポーツ大会を継続する。

2.キャリア支援・キャリア教育の充実

(1)キャリア教育の実施

  1. オンライン面接ブースを拡充するとともに、学生に対するキャリアイベント等の情報提供を充実させる。
  2. 1年次のキャリア教育の充実を図るとともに、2週間以上の就業実習研修の導入を検討する。

(2)アントレプレナーシップ教育・起業支援の取り組みの発展

  1. 共通教育科目の見直しの一環として、現行カリキュラムに潜在するアントレプレナーシップ教育を掘り起こし、本学独自のアントレプレナーシップ教育コースを構想する。
  2. 「国際性」と「人間の尊厳のために」をブレンドした南山大学らしいアントレプレナーシップ教育の取組みであるNANZAN SPARKをさらに発展させ、より多くの教員と学生、そして学外の企業等の関心を醸成する。
  3. STATION Ai等を通じて様々な事業者と連携し、様々な社会課題の解決を志向するアントレプレナーシップを広く育む土壌をつくるための魅力的なプログラムを立案し、学生の起業を支援する。

Ⅵ.研究推進と地域・社会連携

2024年度には、次のような取り組みが実施されました。ライネルス中央図書館のNANTOルームを活用した研究所主催の学術イベントにおいて、卒業生との連携や在学生の参画する産学連携が行われ、教職員と学生による知的交流の場を創出することができました。本学の学際的研究交流の場である南山学会シンポジウムにおいて、本学の研究者がスタジオジブリ関係者とともに領域横断的な議論を交す機会を持つことができました。ジブリパーク・オフィシャルパートナー間で学生向けの産学連携事業を試行することもできました。さらに、本学研究機関の活動について効果的に発信する体制構築に向けて、「南山の研究力」を広く地域の人々に伝える広報を実施しました。また、国際センターが中心となって地元企業の国際化を進める方策を議論するために、経営陣と留学生との意見交換会を実施しました。そして、引き続き、科研費等の外部資金獲得を目指した各教員の試みが積極的に行われました。こうした実績を踏まえ、本年度も研究推進と地域・社会連携 に向けて以下の取組みを進めてください。

1.知的交流の場の創出

ライネルス中央図書館を中心に、セミナー室やラーニングコモンズ等の関連施設との有機的な連関を有する知的交流スペースの創出のために、教職員と学生がアイディアを持ち寄ってその具現化を目指す検討を始める。

2.教育支援・研究環境の整備

(1)大学内研究環境の充実

新設された事務組織である研究推進課のもとで、科研費等の外部研究資金の獲得数の向上、研究公正の推進、産学連携支援の体制を充実させる。

(2)国内外の大学・研究機関との連携

国際化推進事業を通じて、個々の教員による研究活動を支援するとともに、海外協定校との教育・研究両面にわたる交流を促進する。

(3)環境問題に関わる教育支援・研究の推進

ジブリパーク・オフィシャルパートナーの企業と連携し、本学と企業、自治体による産学官共創事業を構想する。

3.地域社会・産業界との知的交流・連携の促進

(1)連携体制の整備

  1. 本学の研究所・研究センターの活動が多くの人びとに周知され評価されるための新しい広報体制を整備する等、本学の研究推進体制を再整備する。
  2. 企業や行政をはじめとする多様な主体と本学による連携・共創を視野に入れた、全学的な社会連携推進体制を構築する。
  3. NANZAN SPARKの枠組み等を活用し、本学の留学生と地域の経営者とが意見交換を行うような社会連携をさらに進める。

(2)研究に関する効果的な情報発信

本学教員の研究成果等についての情報集約とその効果的な発信を推進する。

(3)南山エクステンション・カレッジの活用

社会に対する本学の窓のひとつである南山エクステンション・カレッジの価値をより高めるべく、その運営体制や講座内容を発展させる。

Ⅶ.入試・高大連携

2024年には、総合型選抜の拡充と高大連携としてカトリック系高等学校との協定を進めました。1つ目に、総合型選抜を導入する学部が、従来の3学部から新たに2学部が加わりました。またこの入試方式を広報する特設ウェブサイトを開設しました。2つ目に、カトリック系高等学校との協定について、既存の4校に加えて新たに4校と提携を結び、2025年度から推薦入学審査(特別協定校)を実施できるように準備を進めました。3つ目に、4つのカトリック系高等学校と包括協定を締結し、高大連携を進めました。4つ目に従来のオープンキャンパスや学園内大学説明会に加え、特別提携校を対象として10月に祝日大学見学会を実施しました。こうした実績を踏まえ、本年度も入試・高大連携に向けて以下の取組みを進めてください。

1.入学センターの発足

新たに設置された入学センターのもと、より多くの受験者に本学の魅力を伝えるために、本学の入試制度を含む入学に関わる取組みについて総合的・継続的に検討する。

2.年内入試の拡充

(1)総合型選抜の全学的導入

昨年度に実施された年内入試の結果を検証したうえで、本年度の入試では8学部すべてで総合型選抜を実施する。

(2)カトリック系高等学校を対象とした年内入試制度の拡充

カトリック系高等学校を新たに4校加えた合計8校による高大連携講座を、2025年度より実施する。加えて、カトリック推薦入試のあり方について検証する。

3.一般選抜の継続的検討

本学のアドミッション・ポリシーとディプロマ・ポリシーとの連結を意識して、一般選抜のあり方を継続的に検討する。

4.中高大連携および入学前教育

(1)カトリック系中学校・高等学校との連携

2024年度に進めてきたカトリック系中学校・高等学校との包括連携協定の拡充を継続的に進める。カトリック系高等学校との包括連携協定に基づいた高大連携の具体的な取組みを整備・実施する。

(2)キャンパス・ビジット(大学訪問)の導入

年内入試の合格者を対象とする全学的事業として、本学建学の理念を伝えるための大学訪問を検討する。

5.戦略的な広報展開

入学センターの新設に伴い、大学教育の魅力を受験生に伝えるべく、これまでの入試広報活動を充実させる。また、年内入試と一般選抜を総合した「南山の入試」の魅力を一体的にアピールする広報媒体と手法を検討する。

Ⅷ.おわりに

私は冒頭で「わたしたちの手の働き」に触れました。教育、研究、社会連携をはじめとする本学の取り組みもまた、時代や環境に影響を受けることは避け難く、その行く末を今から正確に見通すことはできません。けれども私たちは最善を尽くして努力することができます。本学の教育モットー「人間の尊厳のために」は、時代や環境に制約を受けない普遍的な理念であり、混迷する国内と世界の将来を明るく照らすと信じています。この理念を共有する本学構成員の「わたしたちの手の働き」として、本学の現状を再確認し、計画を立て実行に移すために最善を尽くしましょう。