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学長からのメッセージ2021年度学長方針

Ⅰ.基本方針

聖書の「ローマの信徒への手紙」の中に、次のような言葉が書かれています。「万事が益となるように共に働くということを、私たちは知っています」(ロマ8:28)。昨年度を振り返りますと、この一節を思い起こさずにはいられません。新型コロナウイルスの猛威はとどまるところを知らず、緊急事態宣言が出されるなど、私たちの暮らしは大きな制限を課されています。しかし、こうした極めて不幸な状況な中であっても、私たちはさまざまな新しい経験を通じて、多くの大事なことを再確認することができました。どんな状況からも自分の益となるもの、ひいては人類全体の益となるものを見つけることができる、ということを学びました。人は個では生きていけない、人と人とのつながりが大事であるということを私たちは強く認識しました。私は昨年度の「学長方針」で「地球規模の関心、私たちの貢献」というキーフレーズを掲げましたが、すべてのいのちとつながっている私たちは、厄災に苦しむ人々を癒しながら、ともに困難を克服し、これからの学問および教育の発展に努めましょう。

昨年度、南山大学は外部評価機関である大学基準協会の大学認証評価を受審しました。多くの構成員が労を惜しまず、その準備を進めてくれたことに深く感謝を申し上げます。評価は概ね肯定的でしたが、さらなる改善のためのいくつかの指摘もありました。また、南山大学グランドデザインの中間評価も出され、未だ十分に達成できていない課題が明確になりました。さらにコロナ禍の影響もあり、昨年度の「学長方針」に掲げた目標の達成が不十分であったことも事実です。これらの事情を踏まえて、今後も改革を進めていかなければなりません。

そして今年、南山大学は創立75周年を迎えます。コロナ禍の影響によって、この大切な節目を記念すべきイベントのスタートが遅れ、計画をある程度は縮小せざるをえなくなりましたが、この記念すべき年に、これまでの大学の発展に感謝すると同時に、100周年に向けた大学像について皆さんと一緒に考えたいと思います。私からは、75周年を機に、「南山大学『人間の尊厳』賞(仮称)」の設置を提案します。「人間の尊厳のために」という教育モットーの実現に貢献された方々を表彰することによって、南山大学の建学の理念に立ち返り、大学としての使命を果たしていきましょう。

Ⅱ.感染症拡大防止の対応 

1.感染症拡大防止と対面授業への復帰の取り組み

昨年度は新型コロナウイルス感染症の蔓延という非常事態に直面し、学内での感染拡大防止のために様々な対応を迫られた1年でした。本学では新型コロナウイルス対応対策本部会議やオンライン授業運営ワーキンググループを設置するなど、授業実施形態や入試運営の方法などの意思決定を迅速に行ってきました。その結果、本学は、これまで運用してきたWebClassに加えて、Zoomや本学独自の資料ダウンロードサーバを導入することによって、第1クォーターからオンラインにおいても双方向型授業を維持することができました。この新しい授業形態の仕組みを800人近くの教員と約1万人の学生で共有し、第1クォーターから安定的に運営できたことは多くの構成員の尽力によるものです。さらに、保健センターが感染予防などの文書にかかげた「うつらない工夫、うつさない配慮 人間の尊厳のために」は各構成員の行動規範として重要な役割を果たしました。

今年度の授業形態についても慎重な検討を重ね、「大規模講義以外は、原則、対面授業を実施する」こととなりました。ただし教室の座席数に限りがあるため、履修者が多数に上る授業ではオンラインで行わざるを得ません。また、今後のコロナウイルスの感染状況によっては、オンライン授業に切り替えることも想定されます。各学部や研究科などの開講主体は基本方針を十分理解し、健康と安全の確保を第一に考えながら、感染症拡大防止に向けた適切な行動をとってください。

2.オンライン化を通じた教育活動や業務の改善

コロナ禍により、学生が学生課や教務課を訪れて各種の申請手続きを行ったり、教職員が業務に関わる書類などを提出・処理したりすることが著しく困難になりました。これに対応すべく、本学では事務手続のペーパーレス化やその際の捺印廃止を進めることになりました。これは厄災を契機としているとはいえ、本学の業務効率化を前進させる意義を持つものです。また授業形態の基本は対面方式にありますが、その一方で本学はNU-COILのような先進的なオンライン教育ですでに実績を積んでいます。こうした流れを加速させるべく、近年のデジタル・トランスフォーメーションによる社会的な変化を先取りし、教育の高付加価値化や事務手続の効率化をさらに進めるための方策を検討してください。

Ⅲ.将来構想

1.創立75周年を迎えて

本学は今年度に創立75周年を迎えます。基本方針にも示した「南山大学『人間の尊厳』賞(仮称)」を価値あるものにするためには、「地球規模の関心」を実現すべく幅広く社会に候補者を求め、「私たちの貢献」を具体化した選考基準を定めることが重要です。「人間の尊厳のために」という本学の教育モットーを謳ったこの賞が、本学の構成員のみならず多くの人々に広く認知されるよう努めてください。

また75周年を記念した図書館リニューアル事業である「ライネルス中央図書館構想(仮称)」の実現に向けて、今年4月から5年間の予定で寄附金を募ることになりました。パッヘスクエア、フラッテンホールに続き、南山学園創設者であるヨゼフ・ライネルス(Fr. Joseph Reiners)神父の名を冠することで、カトリック神言修道会を母体とする本学の歴史を在学生や地域社会に広く周知する重要な事業です。図書館は本学の構成員にとどまらず、学園内の中高生や地域社会の人々の利用に供する機会が増えていますので、幅広い支援を獲得できるよう努めてください。

さらに『南山大学75年史』の編纂事業は、総勢200余名が参加します。本学の来し方を振り返ることで「南山大学の特色、魅力」について理解を深め、構成員が本学のアイデンティティを共有する機会としてください。そして南山大学創立100周年に向けて、魅力ある将来ビジョンの検討をはじめてください。

2.安定的な財政基盤の構築

2017年度のキャンパス統合にともなうレーモンド・リノベーション・プロジェクトは2020年度をもって無事に完了しました。このプロジェクトは「第4回インフラメンテナンス大賞(国土交通省主催)」の文部科学大臣賞や、「第30回BELCA賞」を受賞するなど、非常に高い社会的評価を獲得しています。レーモンド・リノベーション・プロジェクト募金にご協力くださった方々に大変感謝しております。

本学の魅力を維持・向上させるためには、安定的な財政基盤を構築し、今後も教育・研究の充実を図ることが不可欠です。2021年度には、学生納付金が改定されます。これに加えて、入学定員の充足に努めながら、支出削減・学納金改定検討小委員会で支出削減などの方策を継続して検討し、その検討結果を確実に実施してください。また、寄附金についても、その多様化と卒業生・企業などへの有効な周知方法について検討を進めてください。

3.大学院理工学研究科データサイエンス専攻の設置

今年度より理工学部は改組再編され、「データサイエンス学科」、「電子情報工学科」、「機械システム工学科」の3学科を新設し、既設の「ソフトウェア工学科」と合わせて4学科構成となります。これを大学院の充実化につなげる方法を検討してください。とりわけデータサイエンスは社会的要請が大きな学問領域です。学部生および大学院生に対する教育が最大限の成果を生むような、理工学研究科データサイエンス専攻の設置構想を検討してください。

Ⅳ.グローバル化推進

1.学部・大学院での交換留学生の受け入れと外国人留学生別科の新プログラムの開始

多様化する日本語学習者や留学のニーズ、また新たな協定校を開拓するために、2021年9月、学部・大学院で交換留学生の受け入れをはじめます。高度な日本語運用能力をもつ交換留学生(N1-N2相当)が履修可能な授業(演習科目も含む)をより多く開放するよう、各学部・研究科で積極的な検討を始めてください。外国人留学生別科も改組され、既存のIntensive Japanese Program(以下IJP)(定員120名)に加えて、Modern Japan Program(以下MJP)(定員45名)が開始されます。IJPが日本語を集中的に学習したい学生を対象としたプログラムであるのに対して、MJPは基本的な日本語を勉強しながら、日本人学生とともに質の高い英語で開講される日本事情科目を履修するプログラムです。MJPの新設によって、学部・大学院生と別科生の教育的・文化的交流の促進を目指しています。同様の目的で、各学部・研究科の開講科目を「オープン科目」として別科生も受講できるよう積極的に開放してください。

2.新しい国際学生宿舎を拠点にした国際交流の活性化

2022年2月に新しい国際学生宿舎(以下、新国際寮)が竣工し、来年度4月から学生の受け入れを開始します。キャンパスの北側に位置するこの新国際寮は、神言修道会の創設者聖アーノルド・ヤンセン(St. Arnold Janssen)神父の名前を掲げ、「南山大学ヤンセン国際寮(Nanzan University Janssen International Residence)」とします。新国際寮は、本学の国際化推進の要の一つであり、留学生の受け入れをいっそう促進するものでなければなりません。また、新国際寮は、教育機能を充実させることで日本人学生が留学生とともに学ぶ機会を提供します。つまり、新国際寮は、「異なる価値観を持つ入居者同士が共生・協働する場所を提供し、国境を超えて活躍できる人材を育成する」ことを目的としています。

この目的を達成するためには、新たな教育プログラムが必要となります。そのために、宿舎内に居住する全学生を対象とし、留学生と日本人が協働して実施できるようなプログラムをつくります。教育プログラムとしての質を保証するため、国際センターの下、ヤンセン国際寮アドバイザー(仮)やレジデントアシスタントを置いて、参加者への助言、評価やフィードバックを行います。こうした国際教育プログラムは東海地方では多くありませんので、国際教育に興味を持つ層だけでなく、正課外活動での成長を期待する受験生や保証人に対して、新国際寮の教育的な側面を積極的に広報してください。

3.COIL型授業の強化

昨年度はコロナ禍にあって、世界中で移動が著しく制限されました。その点、本学は、2018年度に採択された「大学の世界展開力強化事業~COIL型教育を活用した米国等との大学間交流形成支援~」の取り組みを通じて、活発な国際交流を維持しました。実際、私もデンバー大学とCOIL型授業を行いましたが、両大学の学生たちのディスカッションも盛り上がり、COIL型授業の可能性を実感しました。今後もこの取り組みをさらに発展させてください。特に、2022年度までに、COIL型授業数を48科目とする目標を掲げています。特色あるCOIL科目は入試広報にも貢献しますので、目標達成に向けて、NU-COILサポートチームの支援を活用し、各学部・研究科で積極的にCOIL型授業を導入してください。

4.国際的な大学間連携のさらなる推進

学生交流協定を締結した海外の大学・機関は2020年度末の時点で33カ国・地域で115大学となりました。2015年度に策定された「南山大学国際化ビジョン」では、グランドデザイン完成年度である2027年度までに約130大学との協定を目指しています。昨年度はコロナ禍の影響で、協定校の数を思うように増やすことはできませんでしたが、7年目を迎える国際化ビジョンを積極的に見直して、さらなる協定校の開拓に努めるとともに、本学の特徴や地域の特色を活かし、協定校に魅力的に映るプログラムを引き続き開発してください。

5.「大学の世界展開力強化事業」等の外部資金獲得による国際化の継続

上智大学と協同で実施してきた「大学の世界展開力強化事業(中南米)」(LAP:Sophia-Nanzan Latin America Program)は一昨年度に終了しましたが、文部科学省よりきわめて高い評価結果を受けました。LAPで作り上げたプラットフォームは、外国人留学生別科サマープログラムLAP(Late August Pre-sessional)コースとして継続されています。今後も、「大学の世界展開力強化事業」等の新たな外部資金獲得によって本学の国際化を進めてください。

Ⅴ.教育・研究

1.コロナ禍における教育・研究の柔軟な対応

2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により、学会や研究会の運営方式が大きく変わりました。多くの学会等は、オンラインでの開催となり、教育職員が物理的に会場に出向く機会が激減しました。それに伴って、研究出張旅費の執行が大幅に減少することとなりました。研究費の転用を利用しつつ、効率的な研究費執行を行ってください。

学外図書館が閉鎖されて資料の閲覧が困難になり、また海外への渡航が制限され、研究活動全体に支障が出ています。学部の授業においても、海外フィールドワークをはじめとする短期海外研修科目が軒並み中止になっているので、COIL型授業を積極的に導入してください。また、大学院生の研究活動に多大な影響が出ています。実際にどのような影響が出ているか各学部・研究科で正確に把握をしたうえで、影響を最小限にとどめる努力をしてください。

2.認証評価を踏まえて

本学は、2020年度に大学基準協会の認証評価を受審しました。その結果は肯定的な評価でしたが、いくつかの改善課題も提示されましたので、全構成員が問題意識を共有してください。また、内部質保証委員会が中心となって改善計画を策定し、大学基準協会に改善報告書を提出することになる2024年に向けて改革に取り組んでください。

3.100分授業の導入

2021年度から100分授業が始まりましたので、学生がより一層主体的に参画できる授業になるよう、FD活動などで議論してください。オンライン授業によって得られたe-learningなどの経験を活かすこともその1つです。100分授業の導入によって、1つの科目は原則として14回となり、余裕のある学年暦となりますので、学生が短期留学やインターンシップ活動、正課外活動等に参加する機会や、教員が調査研究活動に従事する時間に充てるなど有効活用してください。

4.オープンアクセス化の推進

本学は2020年度に「南山大学オープンアクセス方針」を策定しました。この方針は、研究成果に対する学内外からの自由な閲覧を保証することにより、学術研究のさらなる発展に寄与するとともに、情報公開の推進、社会に対する説明責任と研究成果の社会への有効かつ積極的な還元を果たすために定められました。学位論文はすでに公開していますが、学内紀要や学術雑誌等の研究成果についても幅広くオープン化できるように取り組んでください。

5.Nanzan International Certificateの発展・強化

本学では、国際科目群と呼ばれる英語で学べる授業が約70科目あります。これらの科目から24単位以上修得すると、本学で国際力を身に着けた証としてNanzan International Certificateが発行されることは周知のとおりです。これまで教務課を中心に取り組んできましたが、各学部、国際センター等とも連携して、全学的な取り組みに拡充してください。例えば、就職活動や大学院進学において有効活用できる大学公認の資格として制度の一層の強化と充実化を図ってください。さらに各開講主体においても、学生にとってNanzan International Certificateがより魅力的なものになるよう制度の一層の強化と充実化を図ってください。

6.外部研究資金の獲得に向けた継続的な取り組み

科研費をはじめとする外部研究資金は、充実した研究を遂行するために必要不可欠な基盤です。今年度も引き続き積極的な獲得を目指してください。とくに、学内外の様々な研究者や機関と連携して、社会的な要請に応える学際的な研究プロジェクトの拠点となるよう努めてください。

7.ハラスメント相談体制の見直し

本学はかねてよりハラスメント問題への組織的な対応を図ってきました。近年では、相談の種類が複雑化しており、また2020年6月より、職場におけるハラスメント防止対策の強化が法令上定められることにもなりました。こうした状況に対応するため、ハラスメント相談体制をより充実化し、事案の整理と適切なアドバイスができる仕組みを構築してください。

Ⅵ.入試・広報

1.2021年度入試

コロナウイルスの感染防止策を講じたことで全日程を無事に実施できたことを、まずは喜びたいと思います。2021年度の一般入試、全学統一入試(個別学力試験型・共通テスト併用型)における志願者数は昨年度の18,720名に比べて1,358名減の17,362名でした。また共通テスト利用入試(前期3教科型・5教科型・後期)をあわせた主要3入試の合計では、昨年度の22,396名に比べて505名減の21,891名でした。コロナ禍の影響によるところが大きいと考えられますが、この減少の要因について詳細に分析し、必要な対応につなげることは喫緊の課題です。

2.コロナ禍と広報活動

入試広報活動がコロナ禍によって大きく制限されました。予定されていた大学展・進学相談会の大半が中止となり、また本学の魅力を発信する最大のイベントであるオープンキャンパスはオンラインでの実施となりました。さらに高校教員を対象とした説明会やキャンパス見学会は中止され、講師派遣や高校訪問も大幅に規模を縮小しました。これまで対面を中心に本学の魅力を発信してきたため、オンラインで不特定多数の高校生を対象とした入試広報については、十分なノウハウが蓄積されていないのが現状です。コロナ禍の収束がすぐには期待できないことから、オンラインを活用した効果的な入試広報活動を検討してください。

昨年度末には「大学戦略広報ワーキンググループ」の最終報告書が提出され、課室間の連携や情報共有による柔軟な予算執行、業務のスリム化や作業の効率化などの成果が確認されました。また、これまで曖昧だった大学広報と入試広報の区分が明確化されました。同報告書の提言をよく吟味し、今後も課室間の連携を緊密にしながら大学全体の広報活動を積極的に進めてください。

3.大学院の受け入れ体制の拡充

人間活動のグローバル化や急速な技術革新などによって、私たちは、地球規模の環境問題や感染症問題をはじめ、さまざまな新しい社会的課題に直面しています。こうした社会課題の解決に貢献できる人材を育成していくためには、大学を含めた学校教育の質をさらに高めていくことが必要であり、そのためにも大学院における研究・教育をさらに充実させていかなければなりません。とりわけ、本学の教育目標を考えると、それぞれの研究科では、学内の研究科・研究所・研究センターはもちろん、学外のさまざまな機関との連携を一層強化しながら、研究を通してこれらの社会的課題に対する関心を高め、課題解決に貢献できる人材を幅広く育成していく必要があります。そのため、大学院では、学部からの進学者はもちろん、留学生や社会人の受け入れに積極的に取り組んでください。例えば、法学研究科や社会科学研究科(総合政策学専攻)で実施される学部早期卒業生の受け入れについて、他の研究科でも、その導入可能性を積極的に検討してください。また、社会人学生を科目等履修生として受け入れ、博士前期課程を1年で修了させる仕組みなどについても議論してください。

Ⅶ.キャリア支援

昨年は就職活動が本格化する時期にコロナ禍による緊急事態宣言が発令され、学生の就職活動ならびにキャリア支援室による学生指導やサポートに大きな制約が生じました。学生は業界や企業の情報を収集する機会が減り、企業でも選考および内々定の提示が遅れました。こうした例年とは異なる状況に不安を感じる学生に対応するため、6月にキャリア支援室では、4年生に対して電話で就職活動の状況確認を行いました。また2020年3月に予定されていた学内会社説明会が実施できなかったため、参加企業に採用スケジュールを個別に問い合わせ、その情報を学生に周知しました。一方で、オンラインで実施された就職講座等の各種学内イベントでは、見逃し配信を実施したことにより例年よりも多くの学生が参加しました。またインターンシップを経験した学生は早期に業界や企業の情報収集を開始し、比較的円滑に就職活動を進めることができたという効果が確認されました。今年度も厳しい状況が続くと予想されますので、就職活動支援についてより一層効果的な方法を検討してください。

2019年度にキャリアサポート委員会と就職委員会が一本化され、キャリア支援委員会が発足しました。これにより低年次から卒業までの一貫したキャリア形成のプログラムが実施可能となりました。今後は卒業生や同窓生との関係強化を含めた中長期的なキャリア支援計画の作成、また学生と多くの時間を過ごす各学部の指導教員との連携の在り方、IRの活用推進などについて模索してください。

Ⅷ.地域における大学の役割と各種連携の強化

地域や社会の発展に貢献することは、地球規模の問題を解決するための重要なステップになります。まさに「地球規模の関心、私たちの貢献」です。これまでも本学は国内外の研究機関、産業界や地方自治体といった様々なステークホルダーとの共生・協働に努めてきました。産業界との関わりでは、2017年度に発足した南山チャレンジプロジェクトにおいて、昨年度から「産学連携企画」がはじまり、同窓生が社長を務める家田製菓株式会社との連携によってエチオピアにゆかりのある食材等を用いた「ポン菓子」の開発・販売に取り組んでいます。昨年度はコロナ禍によってアフリカでの活動の延期を余儀なくされましたが、今年度も活動を継続することになっています。この他、名古屋税理士会との連携で2021年度から新たに寄附講座が開かれることになっています。

大学間の連携では、大学院法務研究科が2021年度に名古屋大学法学研究科と共同開講科目を設置します。また本学は日本カトリック大学連盟の会長校であり、アジア・キリスト教大学協会(ACUCA)の日本代表理事にも就任していますが、さらに東南・東アジアカトリック大学連盟(ASEACCU)や国際カトリック大学連盟(IFCU)などを通じて、世界のキリスト教系大学との連携を深めてください。

2020年度の学長方針で示したように、南山学園は2008年度に「南山学園環境宣言」を発表し、早くから環境問題に注目してきました。本学の研究・教育活動を通じて、その理念を実現するために成し得ることを、各構成員が考えてください。