自然を基本としたマスタープランをもと、形式に捉われずに地形に合わせた建物配置は、自然環境に適した建築計画を実現しています。
教室棟は、南側に教室を置き、北側に廊下を置くことが可能です。レーモンドは、その方位に合せて、日射を抑制するルーバーや庇を設けています。ルーバーは方位によって付け方を変えて、太陽高度の高い南側は水平ルーバーを設け、太陽高度の低い西面・北面は縦ルーバーが設置され、日射の制御が行われています。

水平垂直の庇・ルーバーが特徴的なレーモンド建築(改修前)

明かりを取り込み、日射を防ぐルーバーや庇を設置
建築素材についても特徴があります。コンクリートそのものの素材を見せる打ち放しコンクリート仕上げは、杉板型枠を使い木のテクスチャーを映し出しています。また、この土地の土の色を表す赤土色の塗装は、高い施工精度が求められるカラークリア塗装を使い地肌のコンクリートの質感を損なわない工夫がされています。
これらがそれぞれ調和することで、コンクリートと赤土色の壁が自然と馴染みながら、ルーバーなどの水平垂直の繰り返す陰影がとても美しいキャンパス景観をつくっています。


レーモンド建築群がつくり出す南山大学のキャンパス景観(改修後)

日本設計 武田新平