Raymond Renovation
Project

2017 - 2021

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保存活用の基本方針ガイドラインの設定

南山大学のレーモンド建築の多くは、創建時のままよく残されており、近い将来に歴史的価値がさらに高まるモダニズム建築と考えられます。

レーモンド建築群の保存再生では、この建築群の持つオーセンティシティ(真正性)に配慮し、「生きている文化遺産」として活用し続けることにしました。

建物の文化遺産としての「価値の保存」と、現代の施設として「積極的に活用する」こととのバランスを図るため、「重要文化財(建築物)保存活用計画策定指針」(文化庁、1999年)の「保護の方針」準用し、部位ごとに基準を設定し、本プロジェクト全体のガイドラインとしました。今後もこのガイドラインが建物の維持管理の指針としても重要な役割を果たすと考えています。

文化庁「重要文化財(建造物)保存活用計画策定指針」の利用

保存部分の設定

基準1:材料自体の保存を行う部位

レーモンド自身がデザインした壁画と外部レリーフ

基準2:材料の形状・材質・仕上げ・色彩の保存を行う部位

レーモンド建築の特徴であるルーバーやコンクリート壁

保全部分の設定

基準3:主たる形状及び色彩を保存する部位

外装アルミサッシ
内部空間に現れるコンクリート打放の柱・梁

基準4:意匠上の配慮を必要とする部位

内装の壁や天井の形状、内装材

その他部分の設定

基準5:所有者等の自由裁量に委ねられる部位

トイレ、設備、什器など教育環境として必要な機能更新部分

保存部分の設定 基準1:材料自体の保存を行う部位
レーモンド自身がデザインした壁画と外部レリーフ
基準2:材料の形状・材質・仕上げ・色彩の保存を行う部位
レーモンド建築の特徴であるルーバーやコンクリート壁
保全部分の設定 基準3:主たる形状及び色彩を保存する部位
外装アルミサッシ
内部空間に現れるコンクリート打放の柱・梁
基準4:意匠上の配慮を必要とする部位
内装の壁や天井の形状、内装材
その他部分の設定 基準5:所有者等の自由裁量に委ねられる部位
トイレ、設備、什器など教育環境として必要な機能更新部分

日本設計 武田新平