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法務研究科法務専攻

教育理念と目標

専攻主任 平林美紀 教授

1. 法曹養成における「人間の尊厳のために」の理念の実践

変化の激しい21世紀の現代社会においては、社会のあらゆる場面で人間性の回復と人間を中心に置いた思考が求められています。このような現代社会の基本構造を支える存在としての、人間の尊厳に対する深い理解を備えた、豊かな人間性をもつ法曹の養成をめざします。

2. 法曹に不可欠の倫理観と基本的知識・能力の修得

「人間の尊厳のために」を基本とした法曹に必要な基本的知識・能力を修得し、人権感覚をもつ社会に貢献できる法曹の養成をめざします。このため、南山大学法科大学院では、「法律基本科目群」および「法律実務基礎科目群」と並んで、「基礎法学・隣接科目(人間の尊厳科目)群」を開設するとともに、「展開・先端科目群」においては《社会・人権領域》にも焦点を当てたカリキュラムを採用し、人間一人ひとりの人権を尊重するという基本的スタンスのもとに、調査能力、分析能力、問題発見能力、解決能力を修得できる教育を行います。

3. 多様な教育方法の活用

ソクラテスメソッドやケースメソッドを用いた授業のほかに、実務法曹の養成という目的から、多様な教育方法が必要になります。具体的には、ロールプレイングや模擬裁判などのシミュレーション、実務の現場に赴いて学ぶエクスターンシップ、情報ツールを活用したオンライン教育などです。
本学法科大学院では、「模擬裁判」、「法務エクスターンシップ」、「リーガルライティング」等の科目において、このような教育を実践します。

4. 双方向・多方向の授業による少人数教育

従来の大学法学部で主流となっていた大講義室での一方通行の講義ではなく、少人数クラスを前提として、双方向・多方向な授業を行います。このような授業モデルとして有名なのが、ソクラテスメソッドと呼ばれる方法です。また、判例を中心として学習を進めるケースメソッドも、効果的に用いられます。
本学法科大学院では、これまで法学部で行われてきた講義・ゼミの長所を残しつつ、双方向・多方向の教育方法を積極的に取り入れています。

専攻の特色

社会的使命感を持つ法曹を養成するカリキュラム

4つの科目群「法律基本科目群」、「法律実務基礎科目群」、「基礎法学・隣接科目(人間の尊厳科目)群」、「展開・先端科目群」を設定しています。特に「展開・先端科目群」では、社会においてより弱い立場にある人々への配慮や、子どもや高齢者などの生活者や勤労者の視点を重視する《社会・人権領域》を設け、「労働法」、「少年法」、「社会保障と法」、「消費者法」などの科目を配置しています。人間一人ひとりが固有の価値を持っているという観点からものを見る力を身につけた、社会的使命感を持つ法曹の養成をめざします。

高い学習効果を保証するカリキュラム

1. 人間の尊厳の尊重につながる教育

法と人間の尊厳を多角的に検討する「基礎法学・隣接科目(人間の尊厳科目)群」のほか、「展開・先端科目群」では、社会においてより弱い立場にある人々への配慮を忘れず、また、生活者・勤労者の視点を重視する《社会・人権領域》としての科目を配置しています。

2. 基本科目を中心としつつ、実務応用能力・実務感覚を養う教育

「法律基本科目群」において基礎的な力をじっくりと修得し、基礎的な実力を土台とした上で、「法律実務基礎科目群」はもちろん、「展開・先端科目群」の《企業法務領域》においても、実務家による科目を数多く配置し、法曹として備えるべき資質・能力を育成するとともに、実務的な感覚を学べるカリキュラムを組んでいます。
また、未修者が基礎的な知識や能力を着実に修得できるよう、標準修業コース1年次には憲法、民法、刑法を中心に学ぶカリキュラムを組むとともに、1年次春には、法律的文章の作成能力を涵養する「リーガルライティング」を配置し、1年次秋には、憲法、民法、刑法の基礎的な学力の定着をはかるため、基礎研究科目を配置しています 。

3. ITの利活用による自主的な学習支援-3つのSelf-Learning System-

基本システムであるTKC教育研究支援システムがあります。法科大学院生は、Web上で授業の目標や科目の概要を知ることができます。授業期間が始まると、法科大学院生は各回の授業内容や予習すべき事項をチェックします。判例や文献が指示されたり、レジュメや資料がアップロードされたりしますので、指示に従って予習します。たとえば、判例や文献を要約しなさいという課題が出されれば、自宅でも院生研究室でもどこでも、提供された資料を用いて指示に従って予習ができます。Web上でレポートの提出もできますし、その後、Web上で教員からレポートについて指導を受けることもできます。システムには、講義に使用されたレジュメが保存され、課題として復習問題が出されることもありますので、法科大学院生は予習・復習を繰り返すことができます。また、教員と院生が自由に書き込むことができる「掲示板」で、授業に関する質問をして教員から示唆を得たり、院生間の議論・相談の場として利用することもできます。このシステムを独創的に活用することによって、法科大学院生の自主的で多方向の学習が可能となっています。
Self-Checking Systemにおいて、法科大学院生は、いつでもどこでもオンラインで提供される択一式問題や◯×問題を用いて自分の理解度を確認することができ、各自の意欲に応じた学習をサポートしています。 Self-Researching Systemによって、法科大学院生は、判例・法令・法律雑誌・文献の検索ができる複数のデータベースを、どこからでもいつでも利用することができます。

カリキュラム

必修科目

法律基本科目群 公法系

  • 憲法(人権)
  • 憲法(統治)
  • 憲法(憲法訴訟)
  • 行政法
  • 憲法演習
  • 行政法演習

法律基本科目群 民事系

  • 民法(契約法)
  • 民法(物権法)
  • 民法(家族法)
  • 民法(不法行為法)
  • 民法(担保法)
  • 商法(会社法)
  • 商法(商法総則・商行為法)
  • 民事訴訟法Ⅰ
  • 民法演習Ⅰ
  • 商法演習
  • 民事訴訟法Ⅱ
  • 民法演習Ⅱ
  • 民事訴訟法演習

法律基本科目群 刑事系

  • 刑法Ⅰ
  • 刑事訴訟法Ⅰ
  • 刑法Ⅱ
  • 刑事訴訟法Ⅱ
  • 刑法演習
  • 刑事訴訟法演習

法律実務基礎科目群

  • 民事法演習(要件事実1)
  • 民事実務総合研究(民事裁判の実務)
  • 民事実務演習(要件事実2)
  • 民事法研究(専門訴訟の実務)
  • 刑事実務総合研究
  • 刑事実務演習
  • 法曹倫理

選択必修科目

  • 憲法基礎研究
  • 民法基礎研究
  • 刑法基礎研究

選択科目

法律基本科目群

  • 公法事例研究
  • 民事法事例研究A
  • 民事法事例研究B
  • 刑法事例研究
  • 刑事訴訟法事例研究
  • リーガルライティング

基礎法学・隣接科目(人間の尊厳科目)群

  • 法と人間の尊厳(歴史の視点)
  • 法と人間の尊厳(哲学の視点)
  • 法と人間の尊厳(企業倫理と法)
  • 法と人間の尊厳(生命と法)
  • 法と人間の尊厳(犯罪被害者と法)

法律実務基礎科目群

  • 法務エクスターンシップ
  • 紛争解決(ロイヤリング)
  • 模擬裁判

展開・先端科目群 社会・人権領域

  • 労働法(個別紛争)
  • 労働法(集団紛争)
  • 社会保障と法
  • 消費者法
  • 国際法
  • 国際私法
  • 少年法
  • 医療と法
  • 環境法
  • 地方自治法

展開・先端科目群 企業法務領域

  • 企業法務(会社法務)
  • 企業法務(ビジネス・プランニング)
  • 税法
  • 倒産法務(破産)
  • 倒産法務(民事再生)
  • 民事執行・保全法
  • 不動産法務
  • 経済法
  • 国際取引法
  • 知的財産権法A
  • 知的財産権法B
  • 支払決済法
  • 保険法

学位

  • 法務博士(専門職)