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本学講師(非常勤) 淺香幸枝先生が、日本カトリック大学・短期大学連盟のカトリック学術奨励金「研究奨励賞」を受賞しました

2023年7月3日

南山大学講師(非常勤) 淺香幸枝先生が、2023年度カトリック学術奨励金「研究奨励賞」を受賞しました。

この賞は、キリスト教ヒューマニズムに根ざす学術研究を奨励し、同研究の向上発展に資することを目的として、これらの研究に優れた成果を収めた研究者を表彰するものです。

淺香先生のコメント

本研究は、1987年以来継続している研究を日本の外交政策の中で考察し、今後の日本の外交政策の方向性を提案したものです。

南北アメリカ13か国の日系人は国境を越え2年に1度の世界大会を開催してきました。親日的ではありながら、日本政府とはある程度距離を保ってきたパンアメリカン日系大会ですが、2017年の外務省「中南米日系社会との連携に関する有識者懇談会報告書」以来、日本政府との関係性が近くなってきました。私は、今まで研究を通じて、その研究成果をパンアメリカン日系大会に参加する人たちと共有し、長年の間に双方に影響を与え合っている関係となっています。2017年外務省の本有識者懇談会の7名の委員のうちの1名となり、私も今までの研究成果を活かして作成に関わりました。

ルーツは同じであっても国籍が異なることによって、国境を越えた協力関係は、人類益となるような高いレベルの倫理性が求められます。例えば2015年に国連総会で全会一致で採択された2030アジェンダ(SDGs)のような目標に協力し合うのが一案となります。

本論文執筆に際して、パンアメリカン日系大会のリーダーたちや参加者との協力・信頼関係が基盤となっています。その意味で、ヒューマニズムに根差すカトリック大学連盟の学術奨励賞は、パンアメリカン日系大会自体が受賞したものと考えられ、1981年以来の国境を越え、信頼醸成をしつつ南北アメリカと日本を結び付けてきた活動が評価され、とてもうれしく思います。また、カトリックは日本国内で考えられるよりも南北アメリカではずっと重要に受け取られているので、この知らせを日本で聞く以上に喜んでくれると確信いたします。

33年に亘る南山学園での勤務の間、本研究は授業やゼミで学生たちに国境を越えて生きるとはいかなることかを教えてくれました。来年のパラグアイ大会にはラテンアメリカの日本大使館で勤務する教え子たちと一緒に参加しようと皆で計画しています。この活動が若い人たちの強い絆を創り、世界に人間の尊厳を証しする逸材たちが増えてほしいと願っています。

受賞論文

淺香幸枝 「地球儀を俯瞰する外交政策」と中南米日系社会との連携に関する一考察―パンアメリカン日系大会の視座から―
日本国際政治学会編『国際政治』第207号「ラテンアメリカ―内政と国際関係の再検証―」2022年3月(有斐閣)

淺香幸枝先生