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南山のDNA 先輩インタビュー 腰山 謙介 さん

法学部法律学科 1984年3月卒業

腰山 謙介 さん

会計検査院 事務総長
(2019年7月取材)

1984年4月に会計検査院に入庁。様々な局の調査官を経て、事務総長官房人事課長、第2局長、事務総局次長などを歴任し、2018年12月に事務総長就任。

会計検査院事務総長として、
我が国の会計検査を牽引

会計検査院とは

会計検査院は、我が国の会計検査を担う長い歴史と伝統を持つ国家機関です。国会や内閣、裁判所から独立して、国や法律で決められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるよう監督する職責を担っています。会計検査院は、「検査官会議」と「事務総局」で組織されています。事務総局が会計検査を行い、その結果についての検査報告案を検査官会議に提出します。検査官会議は、その検査報告案について審議し、可決されたものが国会に報告されます。

様々な経験から、現在の立場へ。

入庁してからは、農林水産検査や防衛検査、国土交通検査など様々な局を経験し、調査官として書面検査はもちろんのこと、全国各地に赴いて実地検査を行いました。また、JICA(国際協力機構)にも3年ほど出向し、政府開発援助の現場を経験しました。事務総局次長を務めていた際は、国会の答弁に使用される原稿を全て確認し、私自身も答弁を行いました。そして現在は、事務総長という立場で事務総局の「局務を統理」しています。事務総局が国民の期待に沿うような検査を行えているか、また職員が国家公務員としての職責を果たすようなモラルの維持・向上に努めているかということに注意し、そのための職場環境の整備および仕事の進め方の改善に心を砕いています。

仲間との出会いに期待し、南山大学へ。

私の祖父が裁判官、叔父が憲法学者、父も法学部の出身とあって、もともと法学に興味がありました。加えて名古屋生まれ・名古屋育ちであり、地元の大学に進学したいという思いと、熱心に勉強に取り組む仲間に良い刺激が受けられるのではないかという期待から、南山大学に入学しました。

入学してからの2年間は、部活動に没頭していました。体育会の軟式庭球部に所属しており、みっちり練習を重ねた記憶があります。体力もつき、自分の知らない世界を見ることができ交友関係も広がりました。仲間と一緒に汗を流し、夢中になった経験は今でも財産になっています。

「急がば回れ」勉強を通じて得た力は、現在に繋がっている。

3年生からの2年間は勉強漬けの毎日でした。大学入学当初から意識していた国家公務員試験の受験のためです。難関な試験であったため、合格できるかということについては半信半疑ながらも、基本的なところに立ち戻り、一から勉強を始めました。受験雑誌を参考にしながら、大学の教科書だけでなく「法律学全集」の「憲法Ⅰ、Ⅱ」などの基本書を何度も通読しました。いずれも相当厚みのある本を前に、最初は本当にできるのかと不安に思いましたが、苦戦しながら勉強を進めていくうちに面白さも感じられるようになりました。4年生の春頃には模擬試験などでもかなり手応えを感じるようになり、「急がば回れ」と言われるように何事も基礎からしっかりやることが大切だということを身をもって実感しました。そして受験勉強をする中で、読んで正しく理解する力、また体系について全体を俯瞰する力が身についたと思っています。それは現在仕事をする上でも必要な「全体を俯瞰して物事を見る力」に繋がっています。

豊かな人生を送るために自分は何をしたいのか。

学生の皆さんも、自分の将来について真剣に考える時期がそのうちやってくると思います。どのような職業に就くにせよ、大学時代の経験はとても大切なものになります。今は在学中にインターンシップなど様々な経験ができると思いますので、そういう経験を通じて自分にとって必要なものを取捨選択することが大切です。豊かな人生を送るために自分は何をしたいのか、真剣に進む道を決めていただければと願っています。

(2019年7月取材)