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学部・学科海外実習

海外フィールドワークA(台湾)

中国語の実践、現地学生との相互学習により、語学をさらにスキルアップさせる。

「英語万能」が叫ばれる時代ですが、アジアを相手に仕事をしようとするとき、あるいはアジア諸地域で実際に生活しようとするときには、現地語を使いこなせることがたいへん重要で、現地の人びととのコミュニケーションもこれによってよりスムースに進めることができます。海外フィールドワークAでは、大学で学んだ中国語を現地で使ってみること(実践)、現地での授業や学生たちとの交流によって中国語能力を向上させること(相互学習)、現地の生活に触れてみること(体験)、歴史や文化を肌で感じてみること(視察)といったことを主な目的としています。

フィールドワークの内容

輔仁大学における中国語学習

多くの国から留学生を受け入れていて中国語教育に定評のある輔仁大学の言語センターにおいて、南山大学単独の少人数クラスによって中国語を学びます。アジア学科の2年生にとっては、日本語を用いずに中国語で中国語を学ぶ最初の機会になります。

日本語学科生との相互学習

教室におけるグループ発表および市内見学からなります。グループ発表は、アジア学科生が事前にいくつかのテーマを立てて準備してきた日本紹介を、輔仁大学生の前でパワーポイントによる提示や実演等もまじえながら、プレゼンテーションの形で行います。その後これをうけて双方の学生が質疑応答、討論を行います。市内見学では、土曜日にアジア学科生と輔仁大学生を合わせていくつかのグループに分け、グループごとに大学近辺や台北市内外に出かけて、中国語と日本語を互いに教えあいながら一日をすごします。

歴史・文化に対する理解

中国や台湾の歴史・文化については、アジア学科の授業(「入門演習」・「アジア学入門A・B」など)で基礎知識を学びます。そのうえで、この実習中では、篆刻・台湾語など文化学習の授業を設けるとともに、故宮博物院・九份などの史跡を参観し、中国や台湾の歴史・文化に関する文物を直接目にすることができます。これにより、アジア学科の授業で学んだ知識をより深く身につけることができます。

輔仁大学学生との相互学習

現地では、輔仁大学の学生とさまざまな形で相互学習をおこない、習得した中国語による会話を実践していきます。台湾到着直後には、キャンパスツアーや日本文化・台湾文化に関する討論会を開き、両文化の共通点や差異について理解を深めます。また、平日の授業後や週末には、輔仁大学の学生と待ち合わせをして台北市内外へ出かけ、食事・買い物・観光などを通じて、日本語と中国語を互いに教えあいながら交流を深め、中国語や台湾文化をより深く理解することができます。

また、台湾をより深く理解するには、書籍やニュースで勉強するのはもちろんのこと、現地の人々から話を聞き、彼らの考えを理解することが重要です。アジア学科生はフィールドワークの約半年前から書籍やニュースを読み進め、台湾の社会や文化に関する基礎知識を深めます。そのうえで、「現代台湾における女性の社会的地位はどのようなものか?」「台湾の人々は中国大陸をどのように見ているか?」「台湾の人々にとっての日本は?」など、グループごとに問題を設定し、関連する施設や史跡などを訪れて資料を集めたり、聞き取り調査を行ったりします。こうしたフィールドワークを通じて台湾や台湾人についての理解を深めていきます。

レポートの作成と帰国後のプレゼンテーション

台湾でフィールドワークを行った後は、中国語・日本語の両方を駆使してレポートを作成します。インタビュー内容を文字化して文章の構成を考えることを通じて、情報整理力および文章力を高めることができます。帰国後は、新入生オリエンテーションなどの場において、レポート内容をふまえたプレゼンテーションを行います。これによって、情報発信力を鍛えることができます。

参加学生の声

アジア学科 常恒遥加さん
(2年次に参加)

私の台湾での生活はとても充実していました。全力で勉強し、時には豆花、雞排などの美味しいものを食べて、時間のある限りフィールドワークに出る。毎日が新しい発見の連続で、まるで冒険をしているようでした。私がフィールドワークを通して得られたものはチャレンジ精神です。日々、一歩踏み出し、街で出会った人に話しかけ、ひとつでも多くの場所へ行くことを意識して過ごしました。その結果、道を教えてくれたおばさん、ガイドのように案内してくれたおじさん、「次、台湾に来た時また案内するよ」と言ってくれたタクシー運転手さんなど彼らの優しさに触れ、心通わせていくうちに、出会いから広げていく会話の楽しさに気づくことができました。ありったけの言語や知識を駆使して、心が通じ合えた時の喜びはとても大きく、今までの成果を実感することができました。一方でまだまだ中国語を聞き取れないことや伝えたくても伝わらないことなど自分の課題点も見つけました。その時感じた「悔しい気持ち」を忘れることなく、次のステップアップに繋げていきたいです。

学びの内容

実践

大学で1年間学んで身につけた中国語の力が、現地ではどのくらい通用するのか、そしてなお足りないのはどのような点なのかを実感することによって、これまでの学習をふりかえるとともに、今後の課題を明確にします。

相互学習

現地の大学、現地の講師といういわば非日常的な場で授業をうけることによって、積極的に取り組む姿勢を養うとともに、現地の日本語学科生との交流によって、互いに外国語を学ぶこと、教えあうことの楽しさと難しさを知ることができます。

体験

日本における日常の生活と異なる点はどこか、不便なことをどのようにして乗り切るのか、合理性があるのはどのような点か、といったことを直接に経験し、そのことによって日本を相対化し、客観的にみる視点を養成します。

視察

悠久の歴史を誇る中国文明の粋をあつめた故宮博物院や、日本統治時代の面影を残す九份などを視察します。また、篆刻や台湾語の講習にも参加して、中国文化・台湾文化に対する理解を深めます。

シラバス

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基本情報

海外実習先 台湾
滞在地域 輔仁大学(台北)
輔仁大学は伝統のあるカトリック大学で、南山大学が交換留学の協定を結んでいる協定校でもあります。
期間 7月、約3週間
単位数 4
参加学生 2年生 約40名
参加費用 約27万円

スケジュール

事前授業 8コマ(台湾の歴史や文化に関するグループワーク、海外実習の心得の説明など)
1日目 出国、輔仁大学到着
2日目 自由行動(生活準備)
3日目 始業式、中国語授業、輔仁大学日本語学科学生との交流会
4日目以降 平日は中国語授業、史跡参観、文化学習
土曜日は台北市内でのフィールドワーク
日曜日は自由行動(輔仁大学日本語学科学生との交流)
20日目 最終試験、修了証授与、フェアウェルパーティー
21日目 自由行動(帰国準備、輔仁大学日本語学科学生との交流)
22日目 帰国
事後授業 2コマ(台湾で印象に残った体験を中国語でスピーチ)

2019年度海外フィールドワークAより。スケジュールは、年度によって変更になる場合があります。