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学部・学科海外実習

海外フィールドワークB(メキシコ/コロンビア)

教室で学んだスペイン語を実地で活用し、スペインの文化に直接触れる。

文法、講読、会話、作文など、授業を通じて身につけてきたスペイン語。しかし、外国語はそのことばが使われている場所で実際に使ってこそ本当に身に付くものです。現地での使い方を見たり聞いたりすることを通して、そのことばを使ってどう表現するかが実感を伴って自分のものになることでしょう。また、ホームステイ先でファミリーとコミュニケーションするには、スペイン語が必須。朝起きてから夜寝るまで、全ての瞬間が学びの場となるのです。教室での学びの中に出てきた絵画や建造物、食べ物や人々の様子を目の当たりにすれば、学んだ知識と実体が有機的に結びつくのをきっと感じ取れることでしょう。

本ページでは、海外フィールドワーク(メキシコ)の内容を中心にお伝えします。

フィールドワークの内容

スペイン語を使って、生きたスペイン語と、メキシコの文化や社会について学ぶ。

グアナフアト大学では、外国人向けのクラスで外国語としてのスペイン語やメキシコ文化を学びます。最初にクラス分けテストがあり、自分の能力に合った少人数クラスで授業を受けます。授業はすべてスペイン語ですが、懇切丁寧でいつも励ましてくださる先生方と一緒に学ぶので、楽しく一日が過ぎます。このようにスペイン語を学ぶと同時に自分で考えた課題についても調査を進めることで、さらに深くメキシコの社会や文化を理解できるだけでなく、それを合わせ鏡として日本の社会や文化を見直すことができます。皆さんにとって忘れられない経験となるでしょう。

現地の人々と双方向の交流を行い、スペイン語運用能力、課題解決力を高める。

1732年にまでその歴史を遡ることができるグアナフアト大学は、メキシコ国内各地からやって来るメキシコ人の学生だけでなく、世界各国からの留学生たちが学ぶ非常に国際的な大学です。キャンパス内では、第一言語も生まれ育った環境も異なる人たちとの多くの出会いがあるでしょう。その際の共通言語となるのは、他でもないスペイン語です。国際言語としてのスペイン語の魅力と威力を身をもって知る毎日が待っています。

グアナフアト大学で日本語を学ぶ学生らと互いの国の歴史や現状について(プレゼンも交えながら)語り合う交流会や、各国の留学生たちと共に汗を流しながら音楽に身を任せるダンスクラスにも参加します。メキシコ特有の文化的実践を体験する機会も設けられています。たとえば、「死者の日」の時期になると目にするようになる砂糖菓子アルフェニケや、各自が自由に想像した生きものをモチーフとした張り子アレブリヘ作りのワークショップなどが皆さんのために企画されるでしょう。運が良ければ、グアナフアト大学教員の研究調査地である先住民オトミの集落に暮らす人びとと交流する機会にも恵まれるかもしれません。

グアナフアト大学の受け入れ担当者も、ホームステイ先のご家族も、毎回南山大学生をあたたかく受け入れてくださる南山ファミリーの一員です。研修後もお付き合いが続く、皆さんにとっての「メキシコの家族」となるでしょう。

参加学生の声

スペイン・ラテンアメリカ学科 吉原ほのかさん
(2年次に参加)

私は夏休みの1ヶ月間をメキシコのグアナフアト州で過ごしました。渡航前はどんなフィールドワークになるか想像もつかず、なんとなく楽しみな気持ちと不安な気持ちを抱えていました。しかし、実際の現地での生活は想像の何倍も充実したものでした。特に印象に残っていることを3つ挙げます。

1つは現地の人々の温かさです。メキシコを訪れたことのある先輩に「人の感じ(雰囲気)を見ておいで」と言われたことがあります。実際にメキシコへ行ってみると、現地に住む学生たちは学校で会うやいなやハグをし、隣の椅子に招いてくれました。スペイン語初級者の私に対してもはぐらかさず話をしてくれ、相談にも乗ってくれました。また友人同士で気遣い合う場面も度々目にしました。一人ひとりが好きな服を着て趣味に没頭し、勉強の場では助け合い、夜は皆で踊り明かすような人たちばかりでした。そのような人たちを見ていると、他人と比べて落ち込みがちな性格の私も「これでいいんだ」と感じ、自分を大切にできるようになりました。先輩が言っていたのはこのことかと気がつきました。

2つ目は現地での生活の仕方です。私は現地で山登り、ミイラ博物館、路上で売られている激安のアイスクリーム、食用サボテンの試食など、興味のあることにはできる限り挑戦してみました。その中で学んだのは、自分で判断して行動することが大切だということです。メキシコには危険な場所も食べ物もたくさんあり、一歩間違えればお金も命も失いかねません。これより先は危険そうだから行かない、これはやめておこう、でもこれはやってみよう、というふうに自分の尺度をもって楽しむことが大切だと感じました。時間の使い方も同じです。短い滞在期間でいかに大学の課題をこなし、現地の人々と交流して遊びに出かけ、また休息をとるか、という時間のやりくりが難しいと感じました。それでも時間を十分に活用し、現地の治安やその時の状況、自分の体調を考慮しつつやりたいことは絶対にやるという気持ちで生活しました。

3つ目はスペイン語の学習についてです。もっとスペイン語が話せていたら、と自分のスペイン語能力を省みることが毎日のようにありました。現地の友人ができたものの、大勢のグループに入って会話をすることは私にとって困難でした。そんなとき新しくできた友人とSNSで話したり、次に会ったらどんなことを話そうかと考えたりすることで、少しずつ会話に慣れていきました。それを続けていくうちに授業中に学ぶ単語や文法の重要さに気づき、勉強にも真剣に取り組むことができました。現地の人々との交流では、自分の考えを伝えるだけでなく、相手の話に受け答えをして会話を続けられることで、いっそうスペイン語を話す楽しさを感じました。

グアナフアトの素晴らしい景色や自然、多種多様な美味しい食べ物は、言うまでもありません。グアナファトは必ず再び訪れたいと思わせてくれる街です。ここでの滞在はほんの短期間でしたが自分の価値観やこれからの生活に大きく影響を与えた1ヶ月だったと思っています。

学びの内容

スペイン語を軸に、学習したメキシコ事情や文化に関する知識を体系的に結びつける。

外国語として学んでいるスペイン語やメキシコ事情について、事前に学んだ知識と現地での実情とを照らし合わせながら、体系的に学びを深めることができます。

スペイン語の実践的な運用能力を向上させる。

話す・聴く・読む・書く、現地では絶えずこれらの能力を活用し、実際の場面に対応します。こうした実生活の中でスペイン語を用いることで、ことばの実践的な運用能力を高めます。

総合的な学習・研究スキルを獲得する。

スペイン語で研究やプレゼンテーションを行うためには、ことばそのものに関する知識だけではなく、相手に伝わるように、論理的に伝えるためのスキルも必要です。スペイン語を使いながら、そのためのスキルを獲得します。

シラバス

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基本情報

海外実習先 メキシコ
滞在地域 グアナフアト

グアナフアト州の州都であり、メキシコシティの北西約370kmに位置する標高約2000mの都市。植民地時代には世界有数の銀鉱を擁する鉱山都市として発展した。また1810年にはメキシコ独立運動の口火を切ったイダルゴ神父率いる反乱の舞台ともなった、歴史的な要所である。「古都グアナフアトとその銀鉱群」は1988年に世界遺産に登録されており、カラフルな街の景観の魅力もあり世界中から観光客が訪れている。18世紀にイエズス会によって創設された学校を前身とする名門グアナフアト大学を擁する学生の街としても、また、毎年10月に開催される世界的な芸術祭「国際セルバンテス祭」の舞台となる芸術の街としても知られている。

期間 8月上旬~9月上旬(夏期休暇中)、約4週間
単位数 4
参加学生 「海外フィールドワークB」履修者2~4年生(例年2年生の参加者が最も多い) 約15名
参加費用 約80万円(2024年度のデータ)

スケジュール

1日目 メキシコシティ経由、レオン市到着
グアナフアト大学・受け入れ担当者の出迎えのもと、バスでグアナフアト市へ移動
ホストファミリーと対面、各自のステイ先へ
以下31日目までホームステイ
2日目 クラス分け試験
3日目~31日目 グアナフアト大学にてスペイン語やメキシコ文化について学ぶ研修開始。
研修中は、グアナフアト市内の博物館等訪問、近郊の町(ドローレスイダルゴ、アトトニルコ、サンミゲルデアジェンデなど)の見学、大学内の日本語学習者との交流会等がある。
32日目 グアナフアト市発、ケレタロ経由でメキシコシティへ移動
国立人類学博物館を見学(スペイン語のガイド付き)
ホテル泊
33日目 グァダルーペ寺院、テオティワカン遺跡などを見学(スペイン語のガイド付き) ホテル泊
34日目 日本メキシコ学院や在メキシコ日本国大使館を訪問 ホテルレイト
チェックアウト
35日目 日本に向け出発 機内泊
36日目 帰国

スケジュールは、年度によって変更になる場合があります。(上記は2024年度のデータ)