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学部・学科海外実習

海外フィールドワークB(メキシコ/コロンビア)

教室で学んだスペイン語を実地で活用し、スペインの文化に直接触れる。

文法、講読、会話、作文など、授業を通じて身につけてきたスペイン語。しかし、外国語はそのことばが使われている場所で実際に使ってこそ本当に身に付くものです。現地での使い方を見たり聞いたりすることを通して、そのことばを使ってどう表現するかが実感を伴って自分のものになることでしょう。また、ホームステイ先でファミリーとコミュニケーションするには、スペイン語が必須。朝起きてから夜寝るまで、全ての瞬間が学びの場となるのです。教室での学びの中に出てきた絵画や建造物、食べ物や人々の様子を目の当たりにすれば、学んだ知識と実体が有機的に結びつくのをきっと感じ取れることでしょう。

本ページでは、海外フィールドワーク(メキシコ)の内容を中心にお伝えします。

フィールドワークの内容

スペイン語を使って、メキシコの文化や社会を学ぶ。

グアナフアト大学では、外国人向けのクラスで外国語としてのスペイン語やメキシコ文化を学びます。最初にクラス分けテストがあり、自分の能力に合った少人数クラスで授業を受けます。授業はすべてスペイン語ですが、懇切丁寧でいつも励ましてくださる先生方と一緒に学ぶので、楽しく一日が過ぎます。このようにスペイン語を学ぶと同時に自分で考えた課題についても調査を進めることで、さらに深くメキシコの社会や文化を理解できるだけでなく、それを合わせ鏡として日本の社会や文化を見直すことができます。皆さんにとって忘れられない経験となるでしょう。

現地の人々と双方向の交流を行い、スペイン語運用能力、課題解決力を高める。

グアナフアト大学のあるメキシコ・バヒオ地域には、自動車産業が集積しており、中部地方の会社もたくさん進出しています。研修の中で、このような企業を訪問し、メキシコの自動車産業の現状の一端を知ることができます。

学生たちはそれぞれ関心のあるテーマを調べ、事前授業の中で日本語でプレゼンテーションをし、参加者全員でメキシコの情報を共有します。また、メキシコ人にはあまりなじみのない、日本の情報も収集して、現地でのプレゼンテーションに備えます。

日本における準備期間中、グアナフアト大学で日本語を学ぶメキシコ人学生とビデオクリップなどをやりとりしてお互いを知る機会を持ち、プレゼンテーションのための情報交換を行います。スペイン語と日本語、二つの言語を使い、相互に教えあいながらプレゼンテーションの内容にみがきをかけ、現地で発表します。

バヒオ地域の企業訪問を通じ、そこで活躍する、本学の卒業生の進路が自らの将来を考えるヒントとなり、メキシコと日本双方の文化をよく理解して「架け橋」となれるような経験を積みます。ホームステイ先は南山大生を毎年受け入れてくださる南山ファミリーの一員でもあります。このような温かい家庭環境で見守られて学生は思う存分勉学に集中します。研修後もお付き合いが続いていることも大切なことです。

参加学生の声

スペイン・ラテンアメリカ学科 杉山耀一郎さん
(2年次に参加)

私は二年次の夏に海外フィールドワークB(メキシコ)に参加し、グアナフアトやメキシコシティーなどの都市で一か月過ごしました。ここでは、この海外研修で私が学んだことを自身の体験談を紹介しつつ二つ挙げたいと思います。

一つ目は、ラテンアメリカの文化と社会です。私が一か月のうち大半を過ごしたグアナフアトという町はスペインによる植民地化以降、キリスト教が盛んに信仰され、鉱山資源の発掘が大規模に行われていた場所で、町のあらゆるところにヨーロッパとラテンアメリカの文化が今でも融合しており、あたかも歴史の教科書に出てくる中世の世界に自分がいるような感覚でした。博物館やドローレス=イダルゴという町を訪問ときには、現地の人たちは自分たちの故郷に誇りをもって、外国人の私たちに町のことを必死に伝えようとしてくれました。自分たちの力で国を築き上げてきた祖国への純粋な愛国心とメキシコ人であることを誇りに思う気持ちを肌で感じ、同じスペイン語を話すスペインとは全く異なる文化と社会が根付いていると知りました。

二つ目はメキシコの人々の温かみです。メキシコでの一か月間の生活は正直楽しいことばかりではありませんでした。特に最初は現地の人々と意思疎通できるか不安で、会話をすることに恐怖心がありました。また、メキシコの環境は日本と全く異なり、食事や衛生面に常に不安を抱えていました。しかし、この恐怖心や不安を一変させてくれたのが、メキシコの人たちでした。彼らは私がスペイン語を話せると知るや否や常に笑顔で、そして頷きながら真剣に話を聞いてくれました。そして、あまり上手く話せずにいるときには、積極的に私の言いたいことを理解し、手伝おうとしてくれました。このようなメキシコの人々の温かみが、スペイン語を話すことへの恐怖心や環境への不安を、楽しさ、そして快適さに変えてくれました。あのとき彼らと出会わなければ、日々の講義でスペイン語やスペイン語圏についてこんなにも楽しく学べてはいないだろうと思うほど、彼らの存在は大きかったと思います。

この二つがメキシコでの語学研修で私が学んだことです。この体験談を読んでくださっている方のなかには、メキシコというあまり馴染みのない国での短期間の語学研修で、スペイン語運営能力を向上させることができるのか、そしてスペイン語圏への理解を深められるのかと不安に思っている方もいるかと思います。ですが、このメキシコでの一か月での生活は、自分自身を強くし、スペイン語という言語の可能性とスペイン語圏の素晴らしさを教えてくれるものです。ぜひ、この研修に参加し、メキシコとメキシコの人々と接し、そのおもしろさに触れてみてください。

学びの内容

スペイン語を軸に、学習したメキシコ事情や文化に関する知識を体系的に結びつける。

外国語として学んでいるスペイン語やメキシコ事情について、事前に学んだ知識と現地での実情とを照らし合わせながら、体系的に学びを深めることができます。

スペイン語の実践的な運用能力を向上させる。

話す・聴く・読む・書く、現地では絶えずこれらの能力を活用し、実際の場面に対応します。こうした実生活の中でスペイン語を用いることで、ことばの実践的な運用能力を高めます。

総合的な学習・研究スキルを獲得する。

スペイン語で研究やプレゼンテーションを行うためには、ことばそのものに関する知識だけではなく、相手に伝わるように、論理的に伝えるためのスキルも必要です。スペイン語を使いながら、そのためのスキルを獲得します。

シラバス

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基本情報

海外実習先 メキシコ
滞在地域 グアナフアト

グアナフアト州の州都であり、メキシコシティの北西約370kmに位置する標高約2000mの都市。植民地時代には世界有数の銀鉱を擁する鉱山都市として発展した。また1810年にはメキシコ独立運動の口火を切ったイダルゴ神父率いる反乱の舞台ともなった、歴史的な要所である。「古都グアナフアトとその銀鉱群」は1988年に世界遺産に登録されており、カラフルな街の景観の魅力もあり世界中から観光客が訪れている。18世紀にイエズス会によって創設された学校を前身とする名門グアナフアト大学を擁する学生の街としても、また、毎年10月に開催される世界的な芸術祭「国際セルバンテス祭」の舞台となる芸術の街としても知られている。

期間 8月上旬~9月上旬(夏期休暇中)、約4週間
単位数 4
参加学生 「海外フィールドワークB」履修者2~4年生(例年2年生の参加者が最も多い) 約15名
参加費用 約70万円(2022年度のデータ)

スケジュール

1日目 メキシコシティ経由、レオン到着
レオンからバスでグアナフアトへ移動
ホストファミリーと対面
以下20日目までホームステイ
2日目 クラス分け試験
3日目~20日目 グアナフアト大学にてスペイン語・メキシコ文化研修。
滞在中、グアナフアト市内近郊の見学、グアナフアト大学の日本語授業に協力、在レオン日本国総領事館および日系企業の訪問時のアクティビティがある。
21日目 グアナフアトからバスでレオンへ移動
レオンから飛行機でメリダへ移動
ホテル泊
22日目 メリダ市内見学 ホテル泊
23日目 ウシュマル遺跡などを見学 ホテル泊
24日目 バスでカンクンへ移動
チチェン・イツァ遺跡やセノーテなどを見学
ホテル泊
25日目 カンクンで自主研修 ホテル泊
26日目 カンクンから飛行機でメキシコシティへ移動
着後、日本メキシコ学院訪問
ホテル泊
27日目 メキシコシティ市内、グアダルーペ、テオティワカン遺跡などを見学 ホテル泊
28日目 メキシコ国立人類学博物館見学
バスで空港へ移動
29日目 日本に向け出発 機内泊
30日目 帰国

スケジュールは、年度によって変更になる場合があります。(上記は2019年度のデータ)