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学部・学科海外実習

海外フィールドワークA(スペイン)

教室で学んだスペイン語を実地で活用し、スペインの文化に直接触れる。

文法、講読、会話、作文など、授業を通じて身につけてきたスペイン語。しかし、外国語はそのことばが使われている場所で実際に使ってこそ本当に身に付くものです。現地での使い方を見たり聞いたりすることを通して、そのことばを使ってどう表現するかが実感を伴って自分のものになることでしょう。また、ホームステイ先でファミリーとコミュニケーションするには、スペイン語が必須。朝起きてから夜寝るまで、全ての瞬間が学びの場となるのです。教室での学びの中に出てきた絵画や建造物、食べ物や人々の様子を目の当たりにすれば、学んだ知識と実体が有機的に結びつくのをきっと感じ取れることでしょう。

フィールドワークの内容

スペイン語を使って、スペイン語だけでなく、スペインの文化や社会も学ぶ。

サラマンカ大学では、Cursos Internacionales という外国語としてスペイン語を学ぶ人向けのコースに入ります。あらかじめレベル分け試験が行われ、自分の能力に最も適したクラスで確実にスペイン語力を伸ばすことができるようになっています。授業中は、説明もアクティビティもすべてスペイン語のみ。こう聞くと、果たしてついていけるのかどうか不安になる人もいるかもしれませんが、指導する先生方はみな経験豊かでフレンドリーな人ばかり。たとえ説明が一度でよく分からなかった場合でも、身振り手振りを交えるなどして、必ず分かるように教えてくれますから、心配する必要はまったくありません。授業に慣れてくると、スペイン語を使ってスペイン語を学ぶという環境を楽しんでいる自分を発見して驚くことでしょう。

日本の文化や習慣を紹介しながら、現地の人々と双方向の交流を行い、同時にスペイン語運用能力を高める。

サラマンカ大学には、文化・学術から経済関係まで幅広い分野で日本とスペインの間の交流を深めることを目的とした「日西文化センター」があります。同センターでは毎年3月に「文化週間」というイベントが行われ、文化や伝統、現代の姿など、日本という国のさまざまな側面を紹介しています。

「海外フィールドワークA」に参加する学生は、このイベントの中で、日本や中京地域の文化、学生生活の様子などを聴衆にスペイン語で伝えるプレゼンテーションを行います。また、ワークショップでは折り紙や紙風船といった日本の子どもの遊びや風呂敷の使い方などをスペイン語で参加者に教えて交流を図る機会もあります。

多くの人にスペイン語でプレゼンテーションやワークショップを行うには十分な事前準備が必要になりますが、出発前に行う授業で学科のネイティブの先生や秋にサラマンカ大学から南山大学を短期訪問するスペイン人学生に原稿をチェックしてもらえるので、心配する必要はありません。こうした活動を通して、聴衆に話したいことを分かりやすく伝えるノウハウが身につき、また、スペイン語の表現力も大きく伸ばすことができます。

また、「日西文化センター」で行われている日本語の授業を手伝う機会もありますので、日本語がどのような言語なのか、スペイン人学習者にとってどこが難しいのかを客観的に見直すこともできます。

マドリード、バルセロナなど主要都市を見学し、スペインの文化に実地で触れて知識を深める。

サラマンカ滞在中は、市内の歴史的建造物をサラマンカ大学の歴史や美術を専門とする先生のガイド付きで見学したり、小旅行に出かけたりします。また、サラマンカでの研修に前後して、マドリードやトレド、バルセロナなどでも、美術館や教会など、スペインの多くの遺産に触れます。その間行われる解説ももちろんスペイン語。難しい語や表現もたくさん出て来ますが、頑張ってそれに挑戦してメモを取り、その内容を基に、見学した場所のレポートを後で提出します。「海外フィールドワークA」参加中のあらゆる瞬間が学びの場になります。

参加学生の声

スペイン・ラテンアメリカ学科 村瀬莉穂さん
(3年次に参加)

私は、海外フィールドワークで、たくさんの温かい人々に出会い、美しい景色や建造物に圧倒され、初めてのことばかりの充実した一ヶ月を送ることができました。

まず、ホームステイ。海外に行くことすら初めてだった私にとって、現地の家庭で住むことは、期待と不安が入り交じった気持ちでした。しかし、ホストマザーと先にホームステイをしていたカナダ人の留学生二人は、温かく私を迎え入れてくれました。最初は、彼女たちのスペイン語の速さについていくことができず緊張しましたが、なるべく自分から積極的に話すことを心掛け、自分の意見が相手に伝わる嬉しさを知り、リラックスして話せるようになりました。スペイン語の単語が分からず言葉に詰まったときに、カナダ人の子が英語で教えてくれたり、逆に私が教えたり、ジェスチャーを使ったりと、お互いに助け合いながら生活しました。言語の壁は人と人との壁であるわけではないと実感し、言葉が少々分からなくてもどうにか伝えようとする姿勢が大切で、その姿勢があれば壁はなくなるということをホームステイの経験で学びました。また、スペインの水道代と電気代は、日本と比べはるかに高いため、現地の人々は、夜以外は基本的に電気をつけない、シャワーはなるべく早く入るなど、節約を徹底していました。文化の違いに少し戸惑いましたが、授業だけでは知り得ないスペインの文化や社会状況を実際に体験したことで、より一層スペインに暮らす人々の生活に興味を持ちました。

次に、サラマンカで三週間通った学校。私は、スペイン語文法、コミュニケーション、スペイン文化の三つの授業を受講しました。初日は、クラスメイトや先生はどんな人だろうとわくわくしながら登校しました。実際に教室へ着くとすぐに ¡Hola! と会話が始まり、ブラジルや中国出身のクラスメイトと友達になりました。スペイン語で様々な国籍の人々とコミュニケーションがとれた時は本当に嬉しく、毎日そのような環境で授業を受けることができる学校が、私は大好きでした。また、先生方も質問をすると例を挙げながら優しく教えてくれる親切な先生方ばかりでした。文法の授業では、毎朝先生のハイテンションな歌から授業が始まり、私にはそれが一日の元気の源となって、とても楽しかったです。

また、たくさんの有名な建造物や美術館を訪れました。私が最も印象に残っているのは、最後に訪れた、バルセロナにあるサグラダファミリアです。外部の繊細な彫刻はもちろん素敵でしたが、特に内部空間に感動しました。カラフルなステンドグラスから外の光が差し込み、ステンドグラスの色が柱に映し出されている光景は非常に美しく、別世界のように感じました。自分で足を運んで見たからこそ感じられた高揚感でした。以前から、スペインの建造物や芸術作品に興味を持っていましたが、今回実際に自分の目で見て、もっと詳しく知りたいという気持ちになりました。

今回のフィールドワークを通じて、たくさんの人と知り合い、友達になることができました。私は出発前からサラマンカで日本語を学ぶ学生とのメール活動に参加しており、メール相手の学生と現地の日本語教室で直接会うことができました。それまでメールのみで会話していた相手と実際にコミュニケーションを取ることができたときは、とても嬉しかったです。日本語教室では、現地の他の学生とも交流を深め、日本に帰国してからも彼らと連絡を取っています。スペイン語と日本語をお互いに教え合える関係を築けたメール活動や日本語教室は、現地の人との交流を楽しみながら学べる貴重な時間でした。

そして、フィールドワークに一緒に参加した南山大学の友達にとても感謝しています。私はフィールドワークの参加者で唯一の三年生であり、当初は仲間に入れてもらえるか、友達ができるか少し不安でした。しかし、皆はとても優しく、協力しながら過ごすことができ、そんな心配はあっという間に消えました。確かに、スペインやポルトガルで訪れた歴史的建造物や美術館の作品は有名なものばかりであり、非常に感動しました。きっと訪れたことを一生忘れることはありません。しかし、自由時間に一緒にスペイン料理を食べたり、お土産を買いに行ったり、ホテルでカードゲームをしたり、サラマンカでバル巡りをしたりと、友達と過ごした何げない時間も私にとってとても充実した素晴らしい時間に感じました。皆のおかげで私は約一ヶ月間、毎日笑って過ごすことができたと言えます。海外フィールドワークは一人で行くわけではありません。スペイン語を学習したい、スペインの文化をもっと知りたいという自分と同じ思いを持った仲間と一緒に行きます。私にとって、今回の海外フィールドワークは、様々な国籍の異なる文化を持った人々と出会い、美しい風景や建造物、作品に触れ、最高の友達を作ることができた、素晴らしい経験となりました。

学びの内容

スペイン語を軸に、学習したスペイン事情や文化に関する知識を有機的に結びつける。

外国語として学んでいるスペイン語。授業で学んだスペイン事情。それらはまだ十分連携がとれていないかもしれません。けれど、現地でのスペイン語でおこなわれる授業に参加したり、現地の方と交流したりする中で、これらの知識は有機的に結びつき、確かな学びとなります。

実践的スペイン語運用能力を向上させる。

話す・聴く・読む・書く、現地に行ったらこうした能力を絶え間なくアクティブに働かせている必要があります。これまで学んだスペイン語の力を実践的に伸ばすことができます。

総合的な学習・研究スキルを底上げする。

スペイン語でプレゼンテーションやワークショップを行うために必要なのは、スペイン語そのものに関する知識だけではありません。言いたいことをより効率的に理解してもらえるよう、論理的で筋道だった言い方をし、場合によって視覚的情報を用いるなどといった「コツ」も不可欠。この「コツ」のような、スペイン語やスペイン語圏の文化を学ぶ時に限られない、もっと広く一般的に応用できる能力も身につきます。

シラバス

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基本情報

訪問先 スペイン
滞在地域 サラマンカ

サラマンカはマドリードの北西、バスで2時間半ほどのところに位置する。この町には、1218年レオン王国のアルフォンソ9世によって創設され、現存する大学としてはスペイン最古の大学がある。中世からの大学都市としての伝統を誇るサラマンカは、現在もスペイン国内はもとより、世界各国から多くの学生を迎えている。町のそこここに歴史を感じさせる建造物があり、アカデミックな雰囲気を感じることができると同時に、国際的で若々しい活気にあふれている。

期間 2月下旬~3月下旬(春季休暇)中、約4週間
単位数 4
参加学生 「海外フィールドワークA」履修者1~3年(例年2年生の参加者が最も多い) 約30名
参加費用 約85万円(2023年度のデータ)

スケジュール

1日目 マドリード空港到着 ホテル泊
2日目 トレド市内見学 ホテル泊
3日目 トレドからアランフェスへバスで移動。在スペイン日本国大使館訪問 ホテル泊
4日目 マドリード市内見学 ホテル泊
5日目 マドリードからバスでアビラへ移動 ホテル泊
6日目 アビラからバスでサラマンカへ移動。ホストファミリーと対面 以下32日目まで
ホームステイ
7日目~32日目 サラマンカ大学 Cursos Internacionales にてスペイン語研修。 期間中、日西文化センターの「文化週間」や日本語授業に協力
33日目 サラマンカからバスでマドリードへ移動。 ホテル泊
34日目 日本に向け出発 機内泊
35日目 帰国

スケジュールは、年度によって変更になる場合があります。(上記は2023年度のデータ)

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