学部別インデックス
研究所・人類学研究所
鈴木 康二
職名 | 准教授 |
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専攻分野 | 先史学(考古学)/博物館教育/保育(こども学) |
主要著書・論文 | ・「未就学児と向き合うこと〜さらなるユニバーサル・ミュージアムの展開を目指して〜」『ユニバーサル・ミュージアム さわる!“触”の大博覧会』広瀬浩二郎他、2021年9月、国立民族学博物館、小さ子社。 ・「考古学/考古資料のさらなる活用と生涯学習―ホンモノに「さわる」―」2019年3月、『考古学研究』第65巻第4号(通巻260号)、考古学研究会。 |
将来的研究分野 | ・先史時代の「こども」像の具体化と技術・文化継承における「こども」の役割 ・いわゆる「5領域」におけるミュージアムがもつ可能性 |
担当の授業科目 | 博物館実習 |
博物館を「みんなの遊び場」に!〜自分の「好奇心」を確かめる場所〜
「博物館」、この言葉の響きから、みなさんはどんなイメージをするのでしょうか?「静かにしないと叱られる」「賢い人がいて、賢い人がいく」「照明が暗い」、そんな場所だと感じている方は案外多いのかも知れません。
僕は、そんな博物館のイメージを一掃したい、と思いながら日々色々なことを考えています。僕が目指す博物館は、「こどもたちがカーペットに寝転んで本を見ている」「目をキラキラさせながらウロウロするこどもがいる」、そんな場所です。ちなみにこれはけして妄想ではありません。実際にそんな博物館を、博物館でのそんな光景を、僕自身目の当たりにしたことがあるからこそ、そんな博物館を目指したいと思っています。
南山大学にも博物館があります。しかも、校舎の地下1階に。人類学博物館は、2013年のリニューアルオープン以来、「全ての人の好奇心のために」をスローガンにいろいろな活動を展開している博物館です。年間約1万人近い方々が訪れてくださっています。その様子を少しだけ紹介します。
例えば「幼児を連れたご家族連れ」のお客さまでした。そのご家族のうち、まずは大人の方にお声をかけつつ、時折幼児にもお声をかけながら、お客さまのリズムに合わせてゆっくり展示室をご案内しました。特にその2歳前後の幼児の様子をみていると、いろいろな資料に興味をもって、叩いてみたり、持ち上げてみたり、匂いを嗅いだりしながら、「目をキラキラ」させて、少し興奮気味な様子で、キョロキョロウロウロする姿を目にすることができました。
僕が以前働いていた博物館では、幼児がこんなに「目をキラキラ」させて嬉しそうに展示室内をウロウロする様子は、実はほとんど観察できませんでした。南山大学の人類学博物館と、その博物館とは、一体何が違うのでしょうか?
その違いを示すキーワードのひとつは、「さわる」です。人類学博物館は、全ての資料に「さわる」ことができます。もちろん「さわれる博物館」を目指そうとする館や、一部に「さわれるコーナー」を設置する館はたくさんありますが、「全部さわって!」という博物館は、実はかなり珍しいのではないかと思っています。だからこそ、いろんなことを想像しながら、ぜひ一度人類学博物館に来て、いろんな資料に「さわって」ください。きっとあなたのもつ「博物館」のイメージを、ガラッと変えてくれる場所になるのではないかと思っています。
最後に少しだけ、参考に博物館に来てくださった方々のお言葉を紹介しておきます。
「これホントに触っていいの?」「なんか怖い」「これ、中に何が入ってるのかな?」「すごいワクワクする!」「あ、ワニがいる!」「ホンモノの縄文土器、初めて触った!」「めっちゃ面白かった!」
次はあなたが、ご自身の「好奇心=ワクワク」と向き合う番です。ぜひご来館ください!