南山の先生

学部別インデックス

理工学部・ソフトウェア工学科

杉原 桂太

職名 准教授
専攻分野 科学基礎論
主要著書・論文 『はじめての工学倫理 第4版』(共著),2023年10月(電子書籍版,2024年12月),昭和堂.
「中南米の技術者倫理について考える―チリ共和国への着目―」(単著),2024年11月,『技術倫理研究』,第21号,名古屋工業大学技術倫理研究会,p.1-20.
将来的研究分野 科学論
担当の授業科目 「グローバル化と情報技術 / Globalization and Information Technology」,「情報倫理」,「科学の諸相5」

情報技術がグローバル化を促進する?

 皆さんはスマートフォンやPCで日常的にインターネットを利用していることでしょう.同時に,グローバル化についてニュースなどで見聞きする機会も多いと思われます.私が担当する国際教養学部の科目「グローバル化と情報技術 / Globalization and Information Technology」(全学部・全学科履修可)では,インターネットを始めとする情報技術とグローバル化の関係について受講者に考えてもらう授業を行なっています.この科目のテキストはWho Controls the Internet? Illusions of a Borderless World (Jack Goldsmith and Tim Wu, 2006, OXFORD UNIVERSITY PRESS)です.

 インターネットとグローバル化について多くの場合,インターネットがグローバル化を世界中に普及させ,地球から国境が消えてしまうほどになっている,という見解が見られます.これに対してWho Controls the Internet?の中でゴールドスミスとウーは,どれだけインターネットが世界に広まっても,国境で区切られる国々の影響は見落とすことができず,むしろ国々はインターネットを自らが望むものへと変容させようとしている,と主張しています.

 インターネットとグローバル化について皆さんはどのように考えますか?多くの論者のように,インターネットがグローバル化を促進していると考えるのか,ゴールドスミスとウーのように,インターネットに国境が設けられるようになっていると考えるのか,どちらでしょうか?あるいは,また別の見解を持ちますか?インターネットとグローバル化について自分の見解を持つためには,Who Controls the Internet?などを通して,インターネットの起源と今日への展開,インターネットとグローバル化の関係,インターネットによってグローバルな環境で起きた様々な問題,問題への各国政府の取り組みといった事項を知る必要があります.その上で,インターネットとグルーバル化について指摘されている各主張を吟味し,自分の見解を持つことができるでしょう.

 「グローバル化と情報技術 / Globalization and Information Technology」では以上のような内容について考えてもらう場を用意してお待ちしています.