南山の先生

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理工学部・電子情報工学科

梅比良 正弘

職名 教授
専攻分野 通信工学、通信ネットワーク、ワイヤレスシステム
主要著書・論文 1. “Wireless Communications in the 21st Century”、共著(Edited by Mansoor Shafi, Shigeki Ogose, Takeshi Hattori)、2001年6月、IEEE-WILEY BOOK、(分筆 Chapter 6)
2. 梅比良正弘, 加藤修三, “位相補償フィルタを用いたバースト搬送波再生回路の設計と特性,” 信学会論文誌Vol.J78-B-II, No.12, pp.735-746, 1995.
3. M. Umehira, M. Nakura, H. Sato and A. Hashimoto, “ATM Wireless Access for Mobile Multimedia : Concept and Architecture,” IEEE Personal Communication Magazine, vol.3, no.5, Oct. 1996.
将来的研究分野 ワイヤレスアクセス方式、ワイヤレスセンサネットワーク、自動運転用レーダの研究
担当の授業科目 ワイヤレスシステム工学

ワイヤレスワールドへの招待

 皆さんは「ワイヤレス」という言葉から何を思い浮かべるでしょうか? 「ワイヤレス」は英語で書くと「Wireless」、すなわち「線がない」という意味で、ケーブルを使わない通信のことを「ワイヤレス通信」と呼びます。代表的なものとして、皆さんが毎日使っている「スマートホン」、「携帯電話」、「ワイファイ(WiFi)」などがあげられます。

 現在では、我々の身の回りに「ワイヤレス通信」が溢れていますが、「いつでも、どこでも、だれとでも」手に持てる程度の大きさの携帯電話で話をするだけでなく、メールや写真などの情報を送受信したり、インターネットに接続して音楽を聴いたり動画を見たりと、様々な利用ができるようになったのはわずか15年程度前のことです。今では、当たり前のように毎日使っているものなので、どのようにして誰とでも電話ができるのか、大量のメールや写真・動画を送受信しているのか、皆さんは気にしたこともないかもしれません。

 「ワイヤレス通信」は、通信ケーブルの代わりに電波を利用して情報を送受信します。わが国だけでも携帯電話の契約数は1億9000万、世界では約80億と人口を上回る数になっており、「ワイヤレス通信」を用いて送受信する情報量も急増の一途をたどっています。身近なところでは、パソコンがワイヤレスでインターネットにつながり、マウス、イアホン、プリンタなどもワイヤレスで接続することが当たり前になってきました。今話題の自動運転では、将来は車もワイヤレス通信によりインターネットと接続され、地図の更新や自動運転プログラムのアップデート、離れた場所からのリモート運転などに利用されると考えられています。将来は、人に加えて、全てのモノがネットワークで結ばれ、相互に情報をやり取りすることにより様々なサービスが新たに生み出され、生活はさらに効率的で便利になり、将来の社会はまさに「ワイヤレスワールド」になることでしょう。このように、「ワイヤレス通信」の役割は今後も益々重要になることから、「5G」と呼ばれる新しいワイヤレス通信システムが開発され、現在、世界中で整備が進められており、さらに次世代のシステムに関する研究も開始されています。

 私の研究室では、このような、大量の情報を効率よく送ることを可能とする次世代のワイヤレス通信技術や、自動運転などでの利用が期待されている、電波を利用して対象物との距離や速度を検出するレーダ技術の研究など、電波を利用する「ワイヤレスシステム」の研究を行っています。「電波」を用いて、どのように通信を行っているのかを理解するには、電波がどのように空間を飛んでいくのか、大量の情報を伝送するための方法や装置の仕組みと原理、電波の送受信を行うアンテナ等々、幅広い知識が必要になります。このような「ワイヤレスシステム」の仕組みなどを学び、将来の「ワイヤレスワールド」の実現に向け、我々と一緒に研究に取り組んでみませんか?