南山の先生

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理工学部・システム数理学科

阿部 俊弘

職名 准教授
専攻分野 統計科学
主要著書・論文 A tractable, parsimonious and flexible model for cylindrical data, with applications. Econometrics and Statistics, Elsevier, Volume 4, 2017, pp. 91-104.
Sine-skewed circular distributions. Statistical Papers, Springer, 52 (3), 683-707.
将来的研究分野 EM Algorithm
コピュラの理論的研究とその応用
ロバスト推測
漸近最適理論
担当の授業科目 理工学概論・微積分学Iおよび演習・線形代数学IIおよび演習・微積分学III・統計学研究

統計学は強力なツール

私の研究に関しては、私の個人のページ https://sites.google.com/site/abetoshに簡単に紹介してあるので、そちらを参考にしてください。

しばしば大学の勉強が社会に出て役に立つか?という質問を耳にします。数学を基礎とした数理的知識に関して言えば、活用の仕方を知っている人にとっては社会に出たときだけでなく、様々な場面で役に立てることができます。(これに関しては、「南山の先生」のページで理工学部の他の先生方からのメッセージも参考にしてください。)

受験生の皆さんに参考になれば、ということで、以下、私のこれまでの経緯を簡単にたどってみたいと思います。高校生のときの私は数学が一番興味ある(得意というわけではない)という程度の理由で数学を専攻していました。修士課程でも解析学を専攻し、博士課程の進学も考えていましたが、外資系保険会社の数理部のアクチュアリー職に就きました。学生時代、会社に勤めることに関しては、どちらかといえば、ネガティブなイメージを持っていたのですが、やってみると案外「面白い」ことがわかりました。そんな風に「面白い」、と思えた理由の一つは専門知識(数学・統計)が予測のために使われていたからです。 また、外資系なので、日常的に英語を使うのも刺激的でした(南山大学は外国語を学ぶための環境がとても良く整っています)。会社の業務は思っていた以上に楽しく、職場環境もとても良かったので、仕事をずっと続けるつもりでした。ところが、業務で必要となる統計学の勉強に没頭するあまり、気がついたら会社を辞めてしまい、現在、研究者として生きています。

大学で学ぶ高度な数学・統計学は研究でも必要な土台であるし、私が以前勤めていた会社のように、専門職では、問題解決のためにも、学部程度の数学の知識は必須です。 また、数理的な考え方は仕事以外でも役に立ちます。例を挙げればキリがないのですが、例えば、「駅からの徒歩時間、専有面積等を踏まえて、こういう条件のマンションの購入をどうしよう?」ということや「ある地域においてある生態の傾向が他と違うようだけれど、どうやってそれを検出しよう?」ということ等を考えるときにも参考となる客観的かつ定量的な指標を与えることができます。

私の個人的な興味の話になりますが、数理的手法は株価やFXの分析にも役立ちます(高校生の皆さんは興味があれば、これらがどういうものかご両親や学校の先生方に聞いてみてください)。数理的手法を知っているのと知らないのでは、数理的な仕事以外でも「生きる力」、という意味で大きく差が出ることは間違いありません。

統計学はデータに基づいて客観的な結果を与えてくれます。数学も統計学も時代とともに扱いが変わり、その時代に合わせた勉強・研究の仕方があり、いつまでも同じことをやっているといつの間にか時代に取り残されてしまいます。それでも数学や統計学の基礎理論はどんなに経っても変わることはありません。その基礎理論を一旦固めてしまえば、そこからどんな風に発展していっても取り残されることはありません。「効率よく生きる」ためにも、数学・統計学を学んでいきましょう。

私の研究室に、数理的能力を身に着け、「専門知識を駆使して活躍する社会人」や「世界的に活躍する研究者」を目指す学生が訪れてきてくれることを期待しています。