学部別インデックス
総合政策学部・総合政策学科
金綱 基志
職名 | 教授 |
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専攻分野 | 国際経営論、多国籍企業論 |
主要著書・論文 | 「多国籍企業の本国R&DネットワークがR&D活動のグローバル化に与える影響-トヨタ自動車、GM、現代自動車のケースの比較-」(単著、『南山経営研究』第38巻第3号、南山大学経営学会、2024年) 「多国籍企業の海外での研究開発に国内での研究開発ネットワークが与える影響-トヨタ自動車のケース-」(単著、『南山経営研究』第37巻第3号、南山大学経営学会、2023年) 『ストーリーのない経営学の教科書-経営学言葉辞典-』(共著、文眞堂、2022年) "R&D and Inter-firm Knowledge Flow in Japan’s Shipbuilding Industry: Comparative Analysis of Factors that Promote Knowledge Flow Between Domestic and Overseas Partners"(共著,Hiromi Shioji,Dev Raj Adhikari, Fumio Yoshino,Takabumi Hayashi(eds.) Management for Sustainable and Inclusive Development in a Transforming Asia,Springer,2020) 「国際的な人権保障活動と企業-企業の二つの役割とインセンティブ要因-」(単著、『社会と倫理』第34号、南山大学社会倫理研究所、2019年) 「海事クラスター内部と外部の企業間関係の比較分析-船舶の設計段階と製造段階における協調関係-」(共著、『南山経営研究』第32巻第3号、南山大学経営学会、2018年) 『多国籍企業とグローバルビジネス(改訂版)』(共著、税務経理協会、2017年) 「研究開発プロセスにおける企業間信頼の形成-協調的行動におけるパートナーの能動的役割-」(単著、『南山経営研究』第30巻第2号、南山大学経営学会、2015年) 「多国籍企業における社会的関係性の形成と知識移転」(単著、『アカデミア』社会科学編第8号、南山大学、2015年) 「企業間信頼の形成プロセス-知識優位にあるパートナーの能動的役割-」(単著、『長崎県立大学経済学部論集』第48巻第4号、長崎県立大学経済学部学術研究会、2015年) 「地域造船企業における新造船事業の競争環境と原価低減の課題-ながさき海洋・環境産業拠点特区との関連において-」(共著、『企業経営研究』第17号、日本企業経営学会、2014年) 『多国籍企業とグローバルビジネス』(共著、税務経理教会、2012年) 「知識の状況依存性と海外移転の課題」(単著、『アジア経営研究』第17号、アジア経営学会、2011年) “The Effectiveness of Socialization in the Transfer of Tacit Knowledge across Borders”(単著、『東アジア評論』第3号、長崎県立大学東アジア研究所、2011年) 「組織外部からの知識移転とものづくり能力の向上」(単著、『経営教育研究』第14巻第1号、日本経営教育学会、2011年) 『現代経営戦略要論』(共著、創成社、2011年) 「知識移転と地域企業の知識創出能力の向上」(単著、『長崎県立大学経済学部論集』第43巻第4号、長崎県立大学経済学部学術研究会、2010年) 『暗黙知の移転と多国籍企業-知識の国際移転を可能とする組織メカニズム-』(単著、立教大学出版会、2009年) |
将来的研究分野 | 知識の企業内・企業間国際移転に関する研究 |
担当の授業科目 | 【学部】 国際経営戦略論、経営学概論、現代企業論、政治経済の諸相、公共政策論、総合政策基礎演習A・B・C、プロジェクト研究Ⅰ~Ⅳ、政策研修プログラムⅠ・Ⅱ・Ⅲ 【大学院】 博士前期課程 研究指導ⅠA~ⅡD、博士後期課程 研究指導ⅠA~ⅢD、総合政策特殊研究(公共政策研究) |
国際的なマネジメントとは?
多国籍企業は、海外の異質な文化、慣習、制度の中で事業を行っています。この異質性を、販売市場として見た場合には、顧客ニーズの多様性ということになりますし、労働力市場として見た場合には、働く人材の多様性ということになります。もちろん、国内においても、20代と50代の顧客ニーズは異なりますし、性別や地域によってもニーズは異なります。人材が同質ではないというのは、国内においても言えることです。しかしながら、海外における多様性とは、国内だけで事業を行っていたのでは気づくことのできないものです。そうした多様性のために、海外では、国内事業とは異なる課題を生じさせることになります。言語、宗教、社会的規範の異なる人々とのコミュニケーションや国内では生じえないようなトラブルに対処することも求められることになります。
一方で、海外には国内にはない様々な資源や知識が存在しています。それらを国内で蓄積してきた資源とうまく結合できれば、国内のみで事業を行う企業が生み出しえないような資源や知識を獲得することが可能となります。従来、多国籍企業は、本国で蓄積した経営資源(技術・知識・ノウハウなど)をベースに海外事業を行ってきました。一方で、本国のみの優位性をもとに海外事業を行うのではなく、進出先の知識、ノウハウを吸収したり、世界中の高度な人材を活用しながらイノベーションを実現したりすることで、より高いレベルの競争力を獲得することができることになります。また、海外に販売市場を求めれば、より多くの人々に自社の製品やサービスの持つ価値を提供することもできるようになります。このような機会を求めて、これまで内需型と言われてきた食品や日用品などの産業に属する企業の多くも、海外展開を拡大するようになってきています。
つまり、多国籍企業が行う海外事業には、多くの課題がある一方で、多くのチャンスもあるのです。国際経営論は、こうした多国籍企業が直面する課題やその優位性の活用について探っていくことをテーマとしています。