南山の先生

学部別インデックス

法学部・法律学科/法務研究科

大山 徹

職名 教授
専攻分野 刑法学、経済刑法学
主要著書・論文 『よくわかる刑法』
将来的研究分野 ドイツ刑法学
担当の授業科目 ミドル演習、アドバンスト演習、刑法Ⅱ

刑法の議論ってどんなイメージ!?

刑法学を専門にしている法務研究科の教授の大山徹です。司法試験を受ける法科大学院生向けに講義をしています。最近、講義をした内容を例にとり、自己紹介を兼ねて、刑法学の魅力について語ってみようと思います。"宝石店からティファニーの指輪を窃取した甲が、指輪を取り返しにきた宝石店の店主A に暴行を加えていた。劣勢だった甲は、たまたま付近を通りがかった乙に事情を話した上で、乙に応援を頼んだ。俄かに登場した乙は、甲と一緒になって A に暴行を加え、指輪はAに取り返されずに済んだ"。このような事案を皆で討議します。最近、この事例に関して、学生7人の皆さんと討議をしました(南山大学では少人数講義も充実しています)。この設例は「事後強盗罪における窃盗犯人という地位は身分か」という有名なテーマであり、司法試験受験生であれば絶対に押さえておく必要がある論点です。学者の先生方は、刑法 65 条 1 項を適用して解決していく見解、刑法65 条 2 項を適用して解決していく見解、端的に承継的共犯の問題だと捉えて解決していく見解の 3 つのグループに分かれ、喧々諤々の議論をしています(この内容については、模擬授業をする機会があれば高校生の皆さんにもわかりやすく解説します。実はそんなに難しくないです)。先日このテーマを授業で取り上げましたが、学生さんとの討論では、思いがけない収穫物があったりします。このテーマにつき、ある学生は「裁判所が前提とする『身分』概念を前提とする限り、窃盗犯人という属性が身分にあたらないとする理由は見つからない」と言い、また別の学生は「日常用語における『身分』という用語と刑法で使用される『身分』という用語とは異なるはずで、少なくともその違いを踏まえてもう一度討論をしよう」と言っていました。ディスカッションはいつも白熱します。皆さんも是非オープンキャンパス等で我々と一緒に議論しましょう。