南山の先生

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法学部・法律学科/法務研究科

大原 寛史

職名 准教授
専攻分野 民法
主要著書・論文 「ドイツにおける事実的不能の位置づけ――ドイツ民法275条2項をめぐる議論を中心に」同志社法学61巻6号65頁以下(2010年)。
「契約責任法の改正と履行不能――履行不能の判断基準と契約規範との関係性」加藤新太郎=太田勝造=大塚直=田髙寛貴編『加藤雅信先生古稀記念 21世紀民事法学の挑戦下巻』63-87頁(2018年)。
将来的研究分野 契約法における「自律」と「他律」
担当の授業科目 債権法総論、契約法など

「契約は守らなければならない」!?

専門は、民法です。

その民法のなかでも、契約に関するルールや考え方を中心に研究しています。

「契約(約束)は守らなければならない」といいますよね。

これを読んでくださっている皆様も、一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。

当たり前のこと、と思われるかもしれません。

そこまでではないとしても、いいたいことはわかるという方が多いのではないかと思います。

でも、考えてみると、様々な疑問が出てきます。

たとえば...

そもそも、なぜ「守らなければならない」のでしょうか。

それは自分が決めたこと、約束したことだから?相手も約束を守ってくれると信じているから?

ルールがそうなっているから?守らないと秩序が維持できないから?

どれもあてはまる?または、それ以外も考えられる?

複数の根拠がありうるとすれば、それぞれの関係はどうなっているのでしょうか。

そのほかにも...

どのような場面でも「守らなければならない」のでしょうか。

仮に、ある場合には「守らなくてもよい」と考えられるのだとすれば、

それは、「守らなければならない」場合とどのように区別できるのでしょうか。

その区別を理論的に根拠づけることができるのでしょうか。

また「守らなければならない」のに「守らなかった」場合には、

どのような処理をするのが適切なのか...。

それは、「守らなかった」場合の「守らなかった」理由や状況などによって

変わる(変える)べきなのか...。

こういった「素朴な疑問」を出発点として、研究を続けています。

先に挙げた疑問に対しては、もちろん、これまでに多くの研究が存在しています。

それらをふまえたうえで、今、「契約は守らなければならない」に関する様々な疑問に

どのような理論的な解答を与えることができるのか......。

「あーでもない、こーでもない」と悩みながらも、その悩みを楽しみながら、地道に研究しています。

「大学で、そんな素朴な疑問を、『あーでもない、こーでもない』といいながら研究!?」と

思われた方も少なくないのではないでしょうか。

大学は、そんな「当たり前のこと」にも思えるようなことに対する「素朴な疑問」を出発点として、

「あーでもない、こーでもない」という悩みを存分に楽しむことができる場所だと思います。

そういった経験は、人生において必ず貴重な財産になります。

ぜひ南山大学で、皆様にも貴重な財産をたくさん得ていただきたいと思っています。