南山の先生

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人文学部・キリスト教学科

寒野 康太

職名 講師
専攻分野 基礎神学・組織神学・神学的認識論
主要著書・論文 終末の火とキリスト教霊性 : アウグスティヌスとアン・ブロンテの生からの一考察
カトリック文化 所収
将来的研究分野 キリスト教と近代の諸問題、政治と宗教の関係
担当の授業科目 組織神学の終末論、司牧神学、解釈学

キリスト教文化を通して、人文主義の懐の深さへ

キリスト教はヨーロッパの文化形成の土台となり、それを理解する為にかかせないものですが、それだけではなく、いまや、五大陸すべてに関わっているといえます。しだいしだいに複雑になっていくこの世界を理解しようとする時、全てでは勿論ないにしても,様々な鍵を提供してくれます。

キリスト教学科ということで、学びについて、何か特別な条件だとか方法を予想する人もいるかもしれません。確かに、分野としては特殊なのかもしれません。しかし、基本にあることは、他の学問と変わるところはありません。テキストを読み、自分の問いを練り上げて、また読み直していく、そのなかで他のテキストと出会い対話を重ねていく。他の人文関係の学びと変わるものではありません。

こうした営みは、激動のなかにある社会から、あまりにもかけ離れており、象牙の塔でしか起こらないことの様に思えます。ところが、さまざまなことで翻弄されている時だからこそ、このような地味で手間のかかる作業が必要とされているのです。あまりにも、情報が様々な媒体であふれかえり、それに埋もれて、ちょっとしたことで「炎上」したりする中で,そうしたことから距離をとり、何が正しいのかを見極めていく、これが、人文学部のすべての科目に共通する実践だといえるでしょう。

皆さんの今日見たこと、きいたことの中で、本当に自分で確かめたことなのか、あるいは何か他の媒体を通して伝わっていることなのか、はっきり見定められますか。自分だけで、実際に正しさを確かめられないとき、どうやって受けた情報を確かめたらよいか考えたことがありますか。

キリスト教学科の全ての科目は、このような問いに何らかの形でこたえようとするものです。皆さんが自分で世界の様々な問題に向き合うために、役に立つことと思います。