南山の先生

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人文学部・キリスト教学科

KUCICKI,Janusz

職名 教授
専攻分野 新約聖書学、聖書神学
主要著書・論文 Paruzja Jezusa Chrystusa. Początki eschatologii nowotestamentalnej w Listach do Tesaloniczan (Parousia of Jesus Christ. The Beginning of New Testament Eschatology in the Thessalonians Correspondence)
将来的研究分野 パウロの手紙、死海文書
担当の授業科目 「聖書ギリシャ語」「聖書解釈史」「聖書時代史」

「遠く地の果てまで」

パウロはキリキアのタルソスの町で生まれたユダヤ人であった。「サウロ」というユダヤ人の最初の王の名前を受けた。タルソスのサウロは成人として、ユダヤ教の宗教と法律を勉強するためにエルザレムへ行った。そこでガマリエル先生の弟子になってユダヤ教の篤信の人になった。ユダヤ教の法律を守って、キリスト者を迫害した。ユダヤ教の法律に従わないユダヤ人たちを迫害した。エルサレムにおいてだけではなく、シリアのダマスコでもキリスト者を探して迫害するためにエルサレムの大祭司から必要な権利を貰って、旅をした。ダマスコに近づいたとき、彼は夢の中で復活されたイエス・キリストと出会った。その経験は彼の心と考え方を変えた。先にキリスト者を迫害したパウロはダマスコで洗礼を受けてキリスト者になり、福音を述べ伝え始めた。これが、パウロの回心である。

まず、彼はパレスチナに住んでいるユダヤ人たちに、後で異邦人の所に住んでるユダヤ人たちに、そして最後に異邦人にも福音を述べ伝えた。その間の生活について彼は言っている:「鞭で打たれたことが三度、石を投げつけられたことが一度、難船したことが三度。一昼夜海上に漂ったこともありました。しばしば旅をし、川の難、盗賊の難、同胞からの難、異邦人からの難、町での難、荒れ野での難、海上の難、偽の兄弟たちからの難に遭い、苦労し、骨折って、しばしば眠らずに過ごし、飢え渇き、しばしば食べずにおり、寒さに凍え、裸でいたこともありました。このほかにもまだあるが、その上に、日々わたしに迫るやっかい事、あらゆる教会についての心配事があります」(二コリ11, 24-28)。最後に彼はローマで殺害された。

これがパウロの生涯だった。しかしその生涯には様々な意味がある。 驚くべき信仰生活だった。キリスト者を迫害したサウロがキリスト者になって、一生涯を宣教に捧げた。

彼の活動と手紙はキリスト教会にとって非常に大切なものである。教会の教えと神学は彼の考え方に基づいている。実に不思議な生涯だった。イエス・キリストに出会った時から最期まで、イエスの福音を述べ伝えるために、自分の命を捧げたのである。

私たちは自分の生涯の意味を見出すために、パウロの生涯から何を学ぶことができるでしょうか。パウロの生涯と宣教の意味を理解するために、彼の手紙を読んで学ぶ必要がある。そのために、パウロ時代の言葉であるギリシヤ語と歴史を勉強することは有益である。私の授業科目はパウロの生涯とその教えを紹介するものである。イエスが教えたとおり:「自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを救うのである」(ルカ9, 24)。