南山の先生

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人文学部・人類文化学科

坂下 浩司

職名 教授
専攻分野 西洋古代哲学史
主要著書・論文 『アリストテレスの形而上学-自然学と倫理学の基礎-』(単著)
将来的研究分野 アリストテレス存在論・自然学・倫理学の総合的研究。古代ギリシアの古典の翻訳と註解。
担当の授業科目 「古代哲学史」「ギリシア語」他

古代ギリシアへの誘い

古代ギリシア哲学関係の授業を担当しています。ここでは三つの授業を紹介したいと思います。

  1. 「古代哲学史」では、古代ギリシアの哲学者たちが、どんな問題に取り組んだか、どのように考えたかをみていきます。みなさんは、ソクラテス、プラトン、アリストテレスといった哲学者の名を、「世界史」や「倫理」の授業で耳にしたことがあると思います。ここで「古代哲学」というのは、今から二千数百年以上も前に、そういった人たちによって繰り広げられた思考の営みを指します。「いまさらなぜそんな古くさいものを?」と思うかもしれません。しかし、古代ギリシアの哲学は、最新の思想が取り組んでいる問題を、単純かもしれませんが根本的に力強く考察し、印象深く魅力的に表現しています。それは、わたしたちの思考を刺激し「驚嘆」させるでしょう。哲学を始めさせるというこの「驚嘆」が、みなさんを哲学することへと誘えばと思います。この講義では、大学に入学したばかりの方にも分かるように、古代ギリシアの哲学をひととおり紹介します。
  2. 「ギリシア語」では、古典ギリシア語(現代ギリシア語ではありません)の学習を通じて、ひろく古代ギリシアの文化全般に親しむことを目的としています。一年生の人にも学びやすくするためにテキストは比較的やさしいものを使用していますが、文学・歴史・哲学の各分野からまんべんなく例文をとりあげていますので、知的好奇心を満足させながら、楽しく古典ギリシア語を学ぶことができます。古典ギリシア語は、大学でしか学べない言語であり、またこの講義は従来の教え方よりもいっそう親しみやすさを考慮しておこなわれますので、ぜひ勉強してみてください。
  3. 3年生から始まるゼミでは、いつまでも魅力を失わない「古代ギリシア・ローマの文化(神話文学・歴史・哲学)」を勉強しています。2005年度は、ギリシア神話の勉強が中心になりました。そのために、ギリシア神話の根本的資料である『ホメロスの諸神讃歌』から「デメテル讃歌」と、ローマ神話の原典であるウェルギリウス『変身物語』から「プロセルピナ(=大地母神デメテルの娘ペルセポネのラテン名)」を日本語訳で講読しました。その他に、ホメロス論、ヘロドトス論、アリストテレス論、そして神話学の基礎理論などを勉強しました。2006年度は、『ホメロスの諸神讃歌』から「アポロン讃歌」、ローマ史の重要な資料である『ローマ皇帝群像(いわゆるヒストリア・アウグスタ)』、『オイディプス王』論、プラトン論、他を講読しました。

古代ギリシアの古典の勉強は、古来、人間性を養う人文学の核心でしたから、将来どんな道に進むにせよ、ぜひ勉強していただきたいと思います。