南山の先生

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外国語学部・スペイン・ラテンアメリカ学科

ESCANDON,Arturo

職名 教授
専攻分野 外国語教育法
主要著書・論文 Escandón, A. (2019). Trivium: manual de composición escrita. Nagoya: Liberas Press.
Escandón, A. (2018). Filosofía de la enseñanza de lenguas extranjeras. Nagoya: Liberas Press.
将来的研究分野 外国語としてのスペイン語教授法、外国語教育学、外国語社会教育学
担当の授業科目 「スペイン語会話」「スペイン語作文」「ラテンアメリカ歴史」

習うより慣れよ

誰もが話すべきことを持っている。誰もが何かを言いたい、あるいは、他人の話を聞きたいと思っている。コミュニケーションは、人の生活の一部である。言語、そして、話し言葉や書き言葉は、人間として成長するための基礎となる手段である。ひとりひとり、ある程度は、言葉を知っていて使うことができる。しかし、言葉やメッセージには、誤解や限界がある。その限界の探求に一生を費やしたチリの詩人の一人、ニカノル・パラの反詩(アンチポエム)を以下に掲載する。パラは、言葉はある程度のユーモアを持って受け取るべきだと言っている。

私の学生時代の親友のひとりは、現在チリの有名な映画脚本家になっている。彼は、例えば、地下鉄の中のことのようなとてもありふれた日常を、笑いや好奇心、涙溢れる話にすることができる。私の友人フリオのように話をするのに、プロの脚本家になる必要はない。自分の周りの世界を見て、すべてはそれをどう見るかによるのだと知るだけで十分である。自分自身がこの世界を創っているのだ。

誰もが話すべきことを持っている。だから君達を仲間、そして世界中のスペイン語で会話する5億人の誰かに語ったり、あるいは、彼らの話を聴いたりする冒険へと招待しよう。ただし、真面目にならないで欲しい。ニカノル・パラのような、言葉で遊ぶ、そんな姿勢でいることをお勧めする。

何千、何万の扉を開けて、未知の驚きの世界へと招待しよう。今、私は、初めて飛行機でサンティアゴからアンデス山脈を渡りブエノスアイレス空港へと降り立ったときの感動を思い出している。アルゼンチン人は私と同じスペイン語を話すのだが、違うアクセント、そして時には知っている言葉を「変なふうに」使って話し始めた。聞いたこともないこの土地の話、人の話にとても好奇心を抱いた。ブエノスアイレスで見た初めての夕日の眩しさは未だに目に焼きついている。ブエノスアイレスの人達の歌うような口調も耳に残っている。

"Poesia visual", Nicanor Parra (Santiago, 1914)

「スペイン語会話」のクラスでは、多少見栄を張ってでも、自分の話をすることに挑戦すること。つまり、何か話題を持つことが必要である。「スペイン語作文」のクラスでは、自分の話を書いてもらうことになるだろう。「ラテンアメリカ歴史」では、シモン・ボリバルやチェ・ゲバラのような、象徴的、あるいは話題の人物の人生や、国や民族の歴史を知ることになるだろう。

自分の話-あるいは、自分の創った話-をスペイン語でしていく。条件は、学ぶための準備があること、新しい単語や疑問に思ったことを書くノートを持ってくること、自宅学習の準備、そして何よりも、何かを語りたいという気持ちで参加していただきたい。