南山の先生

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外国語学部・フランス学科

真野 倫平

職名 教授
専攻分野 19世紀フランス歴史学(特にジュール・ミシュレの著作)
主要著書・論文 『死の歴史学 ミシュレ「フランス史」を読む』(単著、藤原書店、2008年)
将来的研究分野 歴史記述の問題。ただし、狭い意味での歴史作品だけでなく、文学・美術等他ジャンルにまで研究領域を広げてゆきたい。
担当の授業科目 「フランスの歴史」

今日のフランスはいかにして誕生したか

みなさんは、フランスというと何を思い浮かべるでしょうか。ノートルダム寺院、エッフェル塔などの記念建造物でしょうか。それともバルザックの小説やルノワールの絵画でしょうか。ドビュッシーやラヴェルの音楽、ゴダールやトリュフォーの映画かもしれません。あるいはサッカーやファッションかもしれません。フランスは昔から現在に至るまで、世界に誇るべき豊かな文化を数多く創り出してきました。

この授業では、それらを生み出したフランスの歴史について勉強します。現在のフランスの地域はもともとガリアと呼ばれ、ケルト人が住んでいました。それがカエサルに侵略されローマ帝国の一部となります。やがてゲルマン民族の侵入により西ローマ帝国は滅亡、今度はフランク族の王国が成立します。これがやがて分裂し、現在のフランスの起源となるのですが、この後も百年戦争など数多くの戦乱や内乱のたびにフランスはその姿を変えてゆきます。このように、フランスと一口にいっても、それは長い年月の間にさまざまな人種・言語・宗教が混じりあって作られた複雑な混合体なのです。

具体的には、カエサルのガリア征服から始まり、古代・中世・ルネサンス・絶対王政・フランス革命・近代市民社会成立を経て、近年の欧州連合・通貨統合にいたるまでの歴史を通時的に眺めてゆきます。政治・社会・人種・言語・宗教などの側面に絶えず注意を払いながら進んでゆくつもりです。

半年間の授業で2000年の歴史を辿るわけですから、単に年号や事件を羅列しただけでは、何が何だかわからないうちに終わってしまうことでしょう。そうならないために、思い切って余計なものは切り捨て、各時代を集約するようないくつかの事件あるいは数人の人物に焦点を絞って、特に詳しく説明したいと思います。また、プロジェクタを用いて歴史画・肖像画・文化財・記念建造物などの視覚的な資料も使いながら、なるべく分かりやすく、印象に残る授業を心がけたいと思います。