南山の先生

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外国語学部・英米学科

大井 由紀

職名 准教授
専攻分野 社会学、移民研究
主要著書・論文 共著『ナショナリズムとトランスナショナリズム』(2009年)法政大学出版会
共著『From Early Tang Court Database to China's Rise 』(2009年)Amsterdam University Press
将来的研究分野 越境移動とグローバリゼーション
担当の授業科目 アメリカの社会、アメリカ社会特殊研究、社会学、Writing in English、Special Topics in English

グローバリゼーションと秩序

社会学・移民研究を専門に勉強をしています。

社会学ってなに?とよく聞かれます。社会科のようなもの?と聞かれたりもします。

社会学の入門書などみてみると、細分化された領域として、政治社会学、歴史社会学、経済社会学、国際社会学、環境社会学、教育社会学、家族社会学、法社会学、組織社会学、宗教社会学、医療社会学、スポーツ社会学...いろいろなものが載っています。しかし、いろいろありすぎて、「社会学」っていったい何なのか、ますますわからなくなります。ほかの分野の研究者からも、社会学って何をやってもいい研究領域なのか?と思われたりします。

いっけんなんでもアリな研究を、「社会学」たらしめるものはなにか?政治学とどう違うのか?歴史学とどう違うのか?教育学とどう違うのか?つまり、「社会学」の共通点は何かというと、秩序の変化に関する研究ということだと思います。社会学という分野が誕生したのは、19世紀前半のヨーロッパでした。当時のヨーロッパは、フランス革命と産業革命を経て近代化が進む中で、社会の仕組み・規範といった秩序が大きく乱れ、変化していました。社会秩序がどう変わっていくのか、秩序を作るにはどうしたらいいのか?という、時代状況から生まれた問いに応えるなかで、社会学は誕生しました。したがって、研究対象はいろいろあっても、社会秩序の変化をつかみ取り、理論化しようとするものが「社会学」であり、ほかの研究領域との違いであると思います。

わたしは移民研究をしていますが、移民は従来の社会秩序を変える存在です。社会秩序はこれまで、国民国家体制のもと、国境線内部で閉じられた形で、国民の定住を前提として、作られてきました。そうしたなかで、移民は国境を超える存在であり、定住するとも限りません。国民国家のなかでは、いわば「他者」と扱われてきました。しかし、グローバリゼーションが進むなか、ビジネスや留学、旅行等、越境移動はさまざまな形で増えてきています。移った先での定住を前提としない移動も増えていくでしょう。また、インターネットの普及により、物理的に移動しなくてもヴァーチャルな移動はできるし、情報も国境を越えて往来します。そうすると、これまで、定住者を中心に作られてきた社会秩序は変わらざるを得ません。

では、グローバリゼーションのなかで社会秩序はどう変わってきているのか?

ぜひ一緒に勉強しましょう!!