学部別インデックス
経営学部・経営学科
佐藤 公俊
| 職名 | 教授 |
|---|---|
| 専攻分野 | オペレーションズリサーチ、経営工学 |
| 主要著書・論文 | 『レベニューマネジメント:収益管理の基礎からダイナミックプライシングまで』 共立出版(共著) “An analysis of a centralized exchange system for the ticket sales market”, Journal of the Operations Research Society of Japan, Vol.68, No.2(単著) “Price trends and dynamic pricing in perishable product market consisting of superior and inferior firms”, European Journal of Operational Research, Vol.274, No. 1(単著) |
| 将来的研究分野 | AI・データ分析による経営意思決定と最適化 |
| 担当の授業科目 | 「データ解析」「経営統計学」他 |
よりよい意思決定はどのように生まれるのか?
私の研究テーマは、企業や組織が直面するさまざまな意思決定を、データ分析や数理モデル、AIを用いてよりよく行う方法を考えることです。特に、価格をどのように決めるか、需要をどのように予測するか、限られた資源をどのように活用するかといった問題に関心を持っています。
私たちの身の回りには、価格が常に同じではなく、時期や混雑状況、需要の大きさによって変化するものが多くあります。たとえば、ホテルの宿泊料金、航空券、イベントのチケット、観光施設の入場料などは、日や時間帯によって価格が変わることがあります。このような価格決定は、単に企業の収益を高めるためだけでなく、需要を分散させたり、混雑を緩和したり、限られた座席や部屋、入場枠を有効に活用したりするためにも重要です。
このような問題を考えるために、私の研究では、実際の予約データ、販売データ、来場者数、曜日、天候、イベント情報などを分析します。過去のデータから需要の変化を読み取り、「どのような条件のときに利用者が増えるのか」「価格が変わると行動はどのように変化するのか」を明らかにします。そのうえで、数理モデルやシミュレーションを用いて、どのような意思決定が望ましいのかを検討します。
この研究分野は、オペレーションズ・リサーチや経営科学と深く関係しています。現実の問題を数理的にとらえ、限られた条件の中でよりよい選択を見つけることを目指します。企業活動では、すべての人にとって完全に理想的な選択をすることは簡単ではありません。収益、顧客満足、公平性、混雑、将来の需要など、複数の要素を同時に考える必要があります。そのため、データをもとに状況を把握し、数理モデルによって選択肢を比較することが重要になります。
一方で、AIやデータ分析を使えば、必ずよい意思決定ができるわけではありません。価格が頻繁に変わることに対して、利用者が不公平だと感じる場合もあります。また、仕組みが分かりにくいと、不信感につながることもあります。そこで、私の研究では、企業の収益だけでなく、消費者の納得感や社会的な公平性も重視しています。データに基づく合理的な意思決定と、人々に受け入れられる仕組みをどのように両立させるかが大切な課題です。
高校生の皆さんには、日常の中にある「なぜだろう」という疑問を大切にしてほしいと思います。なぜ同じ商品やサービスでも価格が変わるのか、なぜ混雑する日と空いている日があるのか、どうすれば多くの人にとってよりよい仕組みになるのか。こうした身近な問いを、データや数理モデルを使って考えていくことが、私の研究の出発点です。社会の仕組みに関心を持ち、自分なりに問いを立てて考えることを、大学での学びにつなげてほしいと思います。