学部別インデックス
経営学部・経営学科
湯本 祐司
職名 | 教授 |
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専攻分野 | マーケティング論、流通論、応用ミクロ経済学 |
主要著書・論文 | 『返品制、再販制と経済厚生』『チケットの価格設定と優先クラブ』 |
将来的研究分野 | マーケティングの経済分析、ビジネスエコノミクス |
担当の授業科目 | 「流通論」「マーケティング論」 |
マーケティングって何?
はじめてマーケティング論を学ぶ学生にマーケティングってなんですかと質問すると「広告などのプロモーション」とか「商品を売りこむこと」という答えがよく返ってきます。しかし、プロモーションや販売はマーケティングのほんの一部にしか過ぎません。このような誤解がたとえ売れそうにないものでも売りこむための販売のテクニックをマーケティング論で学ぶというようなさらに大きな誤解を生み出します。顧客のニーズに合わないものを売りこむ魔法のようなテクニックなど決してありません。たとえ顧客を「騙して」商品を売りこむことができても、買った顧客は不満を抱いてもうその会社の製品を買ってくれなくなります。結局、長い眼で見れば無理な販売は企業の損となります。マーケティングとはターゲットの顧客を満足させるような取引を通じて企業の目的を達成するように企業が努力する活動全般を指します。顧客のニーズを探索し、未充足のニーズを満足させる製品を開発し、適切なパッケージとブランド名をつけ、最も利潤があがる価格を設定し、どこにどのような流通チャネルで販売するかを決定し、効果的な広告、人的販売、販売促進(サンプル配布やクーポン提供など)、パブリシティ(記者会見などを通じて報道機関に記事や番組のなかで取り上げてもらうための活動)などのプロモーションを計画し、そして実際に実行していく諸活動がマーケティングなのです。その際、顧客満足を競合する他社よりもより有効に効率的に提供することが企業戦略上重要になります。著名な経営学者であるピーター・ドラッカーの言葉に「マーケティングの究極目的は販売を不要にすることである」という名言があります。一見逆説的ですが、顧客のニーズをつかみ、それに適合するような製品・サービスを競合する他社より効果的に顧客に提供していけば、無理な販売をしなくとも自ずから売れるということです。
どうですか、マーケティングが単に販売やプロモーションのことではないということを理解していただけましたか?では次に効果的なマーケティングをしていくにはどうしたらいいかですが、それは教室で...。