南山の先生

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経営学部・経営学科

宮元 忠敏

職名 教授
専攻分野 数学
主要著書・論文 Codings and strongly inaccessible cardinals, Arch. Math. Logic,
Springer Berlin Heidelberg, vol. 56, no. 7-8,1037-1044 , 2017.
将来的研究分野 公理的集合論
担当の授業科目 数学A,B

数学 A, B

 数学A、Bでは、整数や有理数といった数の性質を学習します。

 数学Aでは、ピタゴラスの定理に出てくる3辺の長さを学習します。特に、既約ピタゴラス数の公式を求めます。その応用として、有名なフェルマーの大定理における4次のケースを扱います。また、斜辺の長さが1になるまで関連する図形を縮小することにより、原点を中心とする半径1の円周上の有理点を扱います。この円の方程式では2次式が関係しましたが、その次数をあげる場合の図形も学習します。多くのデータを計算機に出力させて、お見せします。

 数学Bでは、整数の話でよく使われる合同式を学習します。慣れ親しんだ通常の等式のように使えて、便利なものです。また、フェルマーの小定理やその一般化であるところのオイラーの定理を学習します。これらは、暗号関連で応用されています。素数のようで素数でないようなカーマイケル数や合成数であるかないかを教えてくれるミラー・ラビン素数判定についても学習します。やはり、多くの計算機出力を利用し、話を具体的にします。

 これらの科目はどちらも、全学共通科目として開講されています。大学の授業にとしては初歩的なものではありますが、先人の豊かな考えに触れる機会ですので、しっかりと学んで下さい。 

 おわりに、わたし自身が気にかけている学術について話をします。キーワードは「集合」「無限組み合わせ論」「相対的無矛盾性」「巨大基数」「forcing」「morass」です。私は、運が良い場合、「集合」のことばで表現された「無限組み合わせ論」に関することがらの「相対的無矛盾性」を「巨大基数」の存在を仮定し、「forcing」により、証明できたりします。あるいは、いわば逆の方向で「morass」の存在を使って、ことがうまく運ぶ場合もあります。数学的にすっきりと表現されたことがら、あるいは、そのことがらが展開される体系自体を意識し、これらにかかわる整合性の尺度を扱う学術です。では、授業でおあいしましょう。